2024.11.07
「ゆきどまりの庭」をコンセプトにして、福原正芳さんに形を考えていただき、加賀妻工務店さんに建てていただいた我が家も丸5年が経ちました。
前回オープンハウスを開いたのは、2021年5月でしたので、3年半ぶりの開催になります。
(個別の自宅見学には応じておりましたが、けっこう久しぶりなのですね…。)
住宅街の旗竿地に立つ木造2階建ての30坪の小さなお家です。
ここ数年の間でも、プロパンガスから都市ガスに変わったり、サフランさんにお願いして、道路から玄関までのアプローチが草目地の古窯レンガ敷きに変わったり、小さいお庭に高い木が植わったり、暮らしながら変わった部分がありました。
そういうお家の姿を興味のある人たちに見ていただく機会にできたらと思っております。
イマイダイスケ 自宅のオープンハウス
日時:12月8日(日)10:00~17:00
時間:10時~11時(受付終了)、13時~14時、15時~16時、16時~17時の4回です。お話しながらご案内できたらと思っておりますので、1回につき2組の方々をご案内したいと思いますので、最大8組まで受付致します。(どなたも来て下さらなかったりして・・。)
場所:神奈川県海老名市
海老名の相模川にほど近い場所に建つ小さな2階建ての家です。旗竿地に建っているのでそれほど目立たないのですが、気持ちの良い家になりました。
現地から歩いて5分くらいのところには大きな公園がありますので、小さなお子様連れでもお散歩がてらいらして頂いても気持ち良いかと思います。(当日雨だったらごめんなさい。)
どのくらいの皆さんがいらしてくださるかはなんとも想像つかないのですが、私たちが皆さんとおしゃべりできるような時間をきちんと取りたいと思っておりますので、予約制にさせて頂きます。
そして、申し訳ございませんが現地には余分な駐車場がございません。
お車でいらして頂く皆様はお近くのコインパーキングか、公園の駐車場(日曜日は有料、17時閉場です。)をご利用いただければ幸いです。
もし、ご応募くださった方が多数の場合は時間の調整などをお願いすることがございます。
お家づくりを考えている方・オーダーキッチンを取り入れたいと思われている方・造作家具を考えている方に見ていただけたらと思っております。
今まで家具やキッチンを作らせていただいたお客様でも、我が家の興味のある方はぜひこの機会に遊びにいらしてくださいね。
お申し込みは、以下のメールアドレスからお申し込みください。
info@freehandimai.com
お名前、ご住所、メールアドレス、お電話番号、参加人数、希望時間を書いてお送り頂ければ幸いです。折り返しこちらから、空き時間や詳細な住所などをお知らせ致します。
また時期を見て開催していきますので、今回日程が合わない方も次回にご検討いただければ幸いです。
皆様とお会いできるのを楽しみにしております。
2024.11.16
最初のご相談が2018年だったか2019年だったかな。ハルはまだ中学生で、チィは小学生だったなあ、箱根彫刻の森の入場ゲートをくぐった時にひょうひょうとした声がスマートフォンの向こうから聞こえたのが始まりでしたね。
その後は、その電話の主である設計士さんを通じてNさんのキッチンを計画することになったわけですが、新型コロナという今までに経験したことがない状況がやってきて、計画は一度ストップしてしまったのでした。
そして、あれから5、6年を経過して、ようやくこの形が実現しました。
Nさんがどのような気持ちでキッチンを依頼してくださったのかをきちんと聞かせて頂けたのは今日が初めてのような気がします。
設計士さんとNさんご夫婦でショールームにもいらして頂いたのですが、お話はそのご年配の設計士さんの手動のもと、そのひょうひょうとした性格のようにとんとんと進んでいったので、Nさんがどのような思いで私たちのキッチンを見ていてくださっていたのかを、その時は深く掘り下げて聞くことができていなかったように思えていたのでした。
でも今日、アキコと挨拶に伺わせてもらって、あらためていろいろなお話を聞くことができたことはなんだか本当にうれしかったなあ。
Nさんのお父様と設計士さんがご友人ということでコのリノベーションが始まったのだということや、奥様うれしそうにコレクションしているマリメッコのカップを見せてくださったり、お茶を頂きながら窓の外を見るたびに、キッチンを計画している時からずっと心配だったL型天板の搬入もどうにか無事に運び込めたことを思い出したり(今では細部が思い出せないくらい素晴らしく軽快にみんなで運び込めたのでした)と、いろいろなことがすべて良いできごとだったなあと思いかえせるのはうれしいこと。
とにかく楽しんで使ってくださっている様子がお二人からも、そして部活が終わって帰宅したお嬢さんからも伝わってきてうれしかったのでした。
Nさん、今日はありがとうございました。
2024.11.14
タモ材をホワイトオイルで仕上げているSさんの家具。導管に色を入れつつ表面の色をさらっていくというのはやはりなかなか難しいところです。今はまだ新鮮に全体的に白みがありますが、時間が経つとタモ本来の色が戻ってくるのでそれがまたおもしろいところでもあります。
今日は、中学生2人が職業体験に来てくれているなか、みんなで家具のチェックを行ないました。
物づくりにとても興味があるという男子二人には、午前中はひとつずつ物を作っていくことがどんなことなのか伝えて、(うまく伝わっただろうか・・)そのコミュニケーションの方法の一つとしてのスケッチがありますが、簡単な二点透視の描き方を伝えたあとは、工房でタケイシさんが木工の作業体験の指導をしてくれました。
学校での技術で教わる制作の授業はこれからということでよい経験になったのではないかと思います。
2024.11.14
今年2回目の職場体験は茅ヶ崎市内の中学生が2名来てくれました。
「工業・物流・建築」(大きい分け方…)のジャンルにうちの会社があり選んでくれたそうで、ふたりともものづくりが好きということでした。来てくれてありがとうございます。
振り返ると、2016年から受け入れ始めた職場体験学習。
自分が中学生の時には無い学校行事でしたので、経験したことのあるスタッフにどういうことするのか教えてもらったところ、「園芸の仕事に興味があったのでその会社に行ったのですが、一日中側溝掃除をさせられて、嫌になり園芸の仕事はやめようと思いました。」と話していました。
そのスタッフはよくできる人だったので、「ああなんてもったいないことを…。」と感じたので、
ちゃんと私たちの仕事を知ってもらえる内容で「楽しかった。」と思ってもらえる機会にしようと決めたのでした。
体験してもらった内容は、(10月の時と同じですが)
・最初の1時間はショールームで座学。会社の成り立ちや、問い合わせからお見積り・スケッチを作成し、受注できたら図面作成し、担当する制作スタッフに図面を渡し打ち合わせ。その後、必要な材料を見ながら木取り表作成して制作していく、という流れを家具やサンプルを見てもらいながらお話しします。ダイスケさんには、二点透視法を使ったスケッチの書き方と図面の見方を伝えてもらいました。
その後は工房に行き、実際図面を受け取ってから製作スタッフがどう動くのかを木工機械それぞれの説明を受けながら動いていきます。先日に続いて3年目のタケイシさんに指導係を担当してもらいました。
・パネルソーを使い材料を切る。
・平面、直角の部材の作り方
・ビスケットジョイントを使ったナラ材とセン材のスマホスタンドの制作(その中で、紙やすりを使った研磨の仕方、ビスケットジョイントの加工方法、鉄染めの方法、オイル塗装の種類と方法)
今回の学校は1日体験でしたので、時間がぎりぎりでしたが、ふたりとも「楽しかったです。」としっかり私たちに伝えてくれました。
ものづくりを知って、実際に自分で手を動かしてみることで、身の回りにある物の見方を知る機会になってくれていたらうれしいです。
担当をしてくれたタケイシさんも、3年目ですっかり指導係が身についていて頼もしくてうれしいです。
うちは毎年新人が入るような職場ではないので、一番若いといつまでも新人のような印象になってしまいますが、彼女のペースで、着実に経験が身になっているのがわかります。
そういう姿を見ることができる貴重な機会でもあるのです。
正直なところ、事業所にとっては負担でしかない、という厳しい意見を耳にしたことがありますが、何事も、受け止め方次第ではないかなと思います。
今日も一日お疲れさまでした。
お写真の撮影と掲載にご協力いただきまして、ありがとうございました。
2024.11.11
洗って拭き上げたものたちはここでしばらく乾かすのがいつもの光景。
「キッチンを作っている工房なのに食洗機もないなんてけしからん」なんて言われそうだけど、私は手洗いが好きなのだ。アキコもそれに賛同してくれているので、うちはこの先も手洗いだろう。
掃除機もそう。運動公園の横で全自動で芝刈りをする丸いロボットを見ていると健気な姿が愛おしくなるのだけれど、うちにはロボット掃除機はなくて、仕事でも使っている日立のとてもシンプルな掃除機だけ。掃除機をかけるのが好きなのだ。
「そこまで手作業が好きなら洗濯だって手でやったらいいじゃないか」なんてシニカルに言わないでくれたまえ。洗濯物を畳むのは好きだけど、洗うのはちょっとね、苦手ね。
全自動お風呂洗い機があったらぜひ組み込みたいなあ、なんて思ったりして、結局は好きなことしかやっていなくて都合がよい私なのである。
これではアキコは苦労しちゃうかもなあ、いつもありがとう。
2024.11.11
2階の塗装の手すりが剥げてきてしまった。
天気が良くない日には、手摺に容赦なく洗濯ピンチをプランプランとぶら下げていたせいだね。
あまりにみすぼらしくなってしまったので、一度塗り直したのだけど、福原さんが微妙なニャンスの色を作ってくれたおかげで良い雰囲気の壁になったけど、塗り替えの色を用意するのはなかなか大変だったりするのだ。
まあ、いいかな・・なんて市販の近い色のペンキで塗ってみたら案の定色の違いがしっかり現れて、「それはそれでいいや、また塗り直そうぜ。」なんて思いながら毎日が過ぎていくのだ。
ちなみに、ニャンスというのは、ミスターチルドレンの桜井さんの私が好きな歌詞のなかでニュアンスというフレーズがそう聞こえてから個人的に気に入っているのです。
2024.11.11
今日は朝からアキコと二人でFさんのところにご挨拶。
ゆるい曲線を描いた扉を持つカウンター下収納をFさんはどのように使ってくださっているのかを見ておきたかったのです。
都内でもこのあたりはとても静かでFさんの居間からは鳥のさえずりが聞こえるくらい。北欧のものが好みといういFさんのインテリアの様子と窓から見える緑の借景も相まってどこか避暑地に居るような印象。
「まだこのアールの部分の使い方は定まっていなくて。」と楽しそうにおっしゃってくださる。
そして実際に楽しんで使ってくださっている様子がよく分かる収納の様子。
「やはりイマイさんに依頼して良かったです。最初は別のところにお願いしようと思っていたのですが、どこかしっくりこなくて、ものすごくものすごく調べてたどり着きました(笑)」
「おぉ、そうでしたか、それはうれしいです。」
でも、都内だともっといろいろなお店や工房もあると思うので、私が気になったのは、私たちのような小さな工房にお願いすることに不安はなかったのかなあということ。とくにFさんは工房まで来て頂ける機会がなかったので、メールと写真でやり取りするくらいでしたので。
「ぜんぜん、そんなことはなかったですよ。安心してお願いできましたよ。」
おぉ、うれしいお言葉です。これからもわかりやすくを心がけてよい形を作っていきたいと思います。
Fさん、また機会があれば、いつでもお声掛けくださいね。
2024.11.09
Kさんのところにご挨拶に伺ってきました。暮らし始めた様子を見せて頂きに来たのです。
完成してからまだきちんと見ることができていなかったものですから。
それにしてもきれいに暮らしていらっしゃる。今日が引渡日か、というくらい。
とてもよちよち歩きのお子さんと猫さんがいらっしゃるように思えないくらいのスゥっとした暮らしぶり。
そのような中で木部表面やステンレスのお手入れ方法をお伝えして、と話している途中で人見知りしないお子さんには足に抱き着かれて、猫さんにはすり寄られて、マスクしたでかいおじさんは怖くないのかい。モテ期なのか。
どんなふうに使っていらっしゃるのだろうと思っていた冷蔵庫を隠すという部分もKさんの様子を見ているととても自然な動作で、収納スペースの扉をスッと開けたら続いて冷蔵庫の扉を開けてという感じで不便はなさそう。
左の角はデッドスペースになりそうな部分をうまく生かした小さなパントリーになっていて、とても工夫されて使っていらっしゃった。
良い勉強になりました。
今度はベンチのような低いカウンターを考えていらっしゃるのだそうで、またお声掛け頂けるのを楽しみしております。
ありがとうございました。
2024.11.04
先日、間取りに合わせた複雑な形の食器棚を設置したTさんのところに再びお伺いしてきました。
こちらも少し変わったレイアウトで、角部屋ということで窓が多く取られているためかテレビ用のコンセントがこのそばにあるのですがここには出窓があるのです。
でも、長年この位置にテレビを置いてきたTさんご家族にとってはここが定位置。
今まで使っていたものがだいぶ古くなったこともあって、今回食器棚と一緒に新しく作らせて頂いたのでした。
素材は、やはり長年使い続けてきたというサイドボードに寄せてブラックウォールナットを使って、手掛けのデザインもその家具に合わせることで部屋の雰囲気がこれでまとまりました。
次回は使っている様子を拝見させて頂こうと思っております。
楽しみにしております。
2024.11.01
最近、家具のリメイクやお客様がお持ちの板を使用し家具を製作する、というお仕事が以前より増えてきている気がします。
住宅をリフォーム、リノベーションすることは一般的になっていますが、家具をリメイクし形を変え再び使用するという選択種もこれからは増えていくのかもしれません。
今回は座卓からテーブルにリメイクするという依頼でした。長い間使われていたであろう座卓の脚は折りたたみ式で、壊れてしまったというわけでもなさそうでした。今の住宅事情を考えますとやはりダイニングテーブルが一般的になっているので、そのような事情でリメイクされるのではと思い作業に取り掛かりました。
リメイクの材料として使用するのは天板と天板にくっついている幕板を使用します。
新たに製作するものとしては、脚です。四隅に脚をつければ良い話しなのですが、それでは十分な強度をだしたり、脚を垂直に立てる事が難しいため、一度しっかりとした脚を作りその脚に既存の天板を被せネジで固定する構造になっています。
既存の幕板は経年によりたわみが出ていたり、各箇所において寸法の誤差が出ていました。そのため新たに製作する材料は僅かに寸法を変えたり、新規の脚と既存幕板の当たる部分がピッタリあたるよう微調整を繰り返し相性を合わせていきました。はめては確認し外すという作業の繰り返しで大変ではありましたがどうにか上手いこと合わせられたのではないかと思います。
今回の仕上げはクリアのオイル塗装になります。そのため天板の塗装を落とさなければなりません。天板厚が15mmほどという薄い物で、反りなども大きかったため、きちんとした平面を出すとなると厚みが大分薄くなってしまい天板としての強度が下がってしまうため塗料のみ落とす事にしました。天板面はベルトサンダーを使い落としていったのですが、天板面はステイン系の塗料のようで想定していたより深く染み込んでいたため、なかなかキレイな木肌が出てきませんでした。小口部分は特に塗料の吸い込みが多いためトリマーを使い、コロ(ガイドベアリング)を0.5mmほどずらし加工していきました。
そしてオイル塗装をして完成となりました。
今回の作業では天板の塗装剥がしや微調整等の時間が新規で製作した脚と同じくらいの時間がかかってしまい想定していた以上に大変な作業になりましたが、私自身リメイク家具に携わった経験がほとんどなく、リメイクの難しさや大変さも学べたと共に、経年変化によりその木が持つ深い味わいや魅力、リメイクする事によりまたキレイな木肌が出てきたりと改めて木という素材の良さを再確認できる作業になりました。座卓からテーブルに形が変わり、またTさんの暮らしと共に長く使われてもらえればと思います。ありがとうございました。
2024.10.31
昨日今日の2日間は茅ヶ崎市内の中学生2人が職場体験学習に来てくれました。
私「ものづくりとか製造のジャンルにうちの会社があったのかしら?どういう風に決まったの?」
中学生「先生から、君器用そうだからここ行けば、と言われて決まりました。」
ほう。面白い決め方ですね。
毎年大体そうです。第3希望まで出すけど、全員が希望通りにはならないですし、みんなどの会社がどんな仕事をしているかなんて表向き、開示されている情報しかわからないです。
でもこれも何かのご縁ですから、うちに来てくれたからにはしっかり体験していってもらいましょう。
体験してもらった内容は、
・最初の1時間はショールームで座学。会社の成り立ちや、問い合わせからお見積り・スケッチを作成し、受注できたら図面作成し、担当する制作スタッフに図面を渡し打ち合わせ。その後、必要な材料を見ながら木取り表作成して制作していく、という流れを家具やサンプルを見てもらいながらお話しします。ダイスケさんには、二点透視法を使ったスケッチの書き方と図面の見方を伝えてもらいました。
その後は工房に行き、実際図面を受け取ってから製作スタッフがどう動くのかを木工機械それぞれの説明を受けながら動いていきます。
今年も昨年に続いて3年目のタケイシさんに指導係を担当してもらいました。昨年しっかり指導してくれている様子は見ているので、今回も安心して任せることができました。
・パネルソーを使い材料を切る。
・平面、直角の部材の作り方
・シナ合板の引き出しの材料に木口張りテープ機を使い、仕上げ磨きをする。
・ビスケットジョイントを使ったナラ材のスマホスタンドの制作(その中で、紙やすりを使った研磨の仕方、オイル塗装の種類と方法、ビスケットジョイントの加工方法、鉄染めの方法)
・SDGsの活動も絡めてということで毎年言葉で説明するだけでしたが、今回は2日間と余裕がありましたので、木くずを再利用していただいている酪農家のオカモトさんの所へ、トラックに積んで持って行くという体験もしてもらいました。木くずは結構重いのでトラックに積んで下ろしてというのは力仕事でしたが二人とも木くずでジャージを白くしながら頑張ってくれていました。
トラックに乗るのは、初めてだったそうで、楽しかったと言ってもらえてよかったです。
将来、家具工房に勤めない限り、まじかで見ることのない光景の数々。
それがわかるのは彼らが大人になって社会の出た時なのでしょう。
私たちの所で体験したことの何かが、彼らの将来の仕事を決める判断材料のひとつになればうれしいです。世の中色々なお仕事がたくさんありますから。
その数々のお仕事があるから社会が成り立っていることがわかると、世の中の見方が変わるのではないかと思います。
今回は来てくれてありがとうございました。生徒さんが「楽しかったです。」と言ってくれることが、何よりもうれしいです。
また、写真の撮影と掲載の許可をしてくださりありがとうございました。
2024.10.27
UKIさん「刺繍はアートですから、絵を描くようにやってみてください。」
そうか、刺繍は布地に色糸で絵・文字・模様を縫い表すことなのか。その表現方法を広げるために、ステッチの技法が100種類以上あるのですね。
刺繍の作品は今まで日常生活の中でもたくさん目にしてきたはずなのに、ワークショップが始まり、手を動かし始めてから改めて気づくことができました。
本当にほんの糸一本分の幅を、手前に刺すか奥に刺すかでラインが変わり、求める仕上がりの印象が変わるのです。
難しい。でも、思い通りに刺せるとできてうれしい、その思いの繰り返しであっという間の3時間でした。ご参加いただいた皆様もありがとうございました。毎回ご参加くださるお客様、初めてのお客様、久しぶりのお客様、お会いできてうれしかったです。一緒に刺繍をすることができて楽しかったです。
(2時間の予定でしたが、足りず、午前も午後も3時間コースになりました。3cm大のモチーフを作るだけなのにと思ってしまいます。奥深い世界ですね。)
みなさん、別々のデザインを選ばれていたので、UKIさんも教えるのが大変だったと思うのですが、
「皆さん楽しかったと言ってもらえて、私も楽しかったです!ワークショップできたよかったです!」
と言っていただけたので、私もうれしかったです。お疲れさまでした。
もう一つ気づいたことがありました。
Sさん「どうしよう、終わらない!皆さん待たせてしまうかもしれないから、私は続きは持ち帰ってやろうかしら。」
UKIさん「いや、持ち帰っていざやろうとしても、なかなか難しいと思います。ここで仕上げて帰りましょう。」
先日、宇宙飛行士訓練の中で、自衛隊の訓練に参加してリーダーシップ研修を行う様子をTVで放送していました。
グループで山に入って降りてくるというミッションをこなしていましたが、その人は、最初はメンバーとよくコミュニケーションを取りみんなの意見を聞きながら歩いていましたが、予定よりも時間がかかってることに気づき、途中から止め、自分の判断だけで先を進めていたら、体調不良者が出てしまい、制限時間内にはクリアできたがひとり脱落者が出てしまったという結果になったのでした。
それに対して、自衛隊の人の評価は、「時間内に課題をクリアするということに集中してしまい、こういう結果になってしまいましたが、課題はグループ全員で山を下りてくるということですから、時間よりもそちらを重視してほしかったです。時間がオーバーしたことよりも課題を達成できたという事実の方が結果として大事です。」というものでした。(生死に関わる場面ではまた話は別だと思いますが)
それを思い出しました。
ワークショップなのでリーダーシップは関係ないのかもしれないのですが、刺繍ワークショップに参加して、作品が先生の元でちゃんと出来上がって帰るのと、未完成で持ち帰るのでは、その体験の思い出と、出来上がったものに対する思いも変わってしまうと思います。
自然とそう相手に伝えられたUKIさんは素晴らしい感覚をお持ちだなと思いました。
そんなUKIさん。「秋冬は刺繍の季節ですから~。」とおっしゃる通り、これからイベントに沢山出店されるそうです。
皆様のお近くのマーケットにもいらっしゃるかもしれないですよ。ぜひチェックしてみてください。
11月3日(日) 相模大野アートandクラフト
11月24日(日) 中央林間手づくりマルシェ
12月14日(土)WSクリスマスマーケット tonarino
12月15日(日) WSマルシェ
次回のクレミルワークショップは、ご縁があって、織物を考えています。お話が具体的になりましたら、告知させていただきますね。お楽しみに。
2024.10.25
Fさんのキッチンは本日でようやく完成。
今回は引き戸が多いキッチンでさらにはFさんご自身で塗装をされるということでしたので、お引渡し前に戸をつけてしまうとけっこう日焼けしてしまうだろうと思って、引き戸と引き出しは外したままにしておいたのですが、無事にお引き渡しが済んだということで、本日ノガミ君とヒロセ君に残りの作業に向かってもらいました。
これで私たちの作業はすべて完成。
あとは、Fさんが壁に土を塗って、キッチンにはオイルを塗って完成となります。
暮らしながら仕上げていくというのは、特にお子様がまだ小さいFさんにとってはなかなか大変なことだと思いますが、パスハンティングのような一歩ずつというのは楽しみのひとつでもあります。
また、暮らしが落ち着いたタイミングを見てご挨拶にお伺いしたいと思います。
その時が楽しみです。
2024.10.22
築30年近く経つという集合住宅にお住まいのTさん。
キッチン周りをリフォームされる機会にお声掛け頂いて、今回はキッチンではないのですが食器棚のご依頼を頂いたのでした。
この食器棚スペースが不思議な形をしておりまして、キッチン入り口すぐの冷蔵庫スペースから勝手口に向かって3段階で奥行きが変わっているのでした。
そうなると、ここに合う食器棚はやはり見つからず、小振りの食器棚とワイヤーパネルを生かして、しまうだけではなく吊り下げたりと工夫して収納してきたのですが、やはりキッチンを入れ替えるにあたって食器棚も使い勝手良くしたいということで、ご依頼を頂いたのでした。
きちんとした奥行を確保した食器棚を作ると、一人で作業するのがちょうどよいくらいの空間になるので、扉は引き戸、あとは引き出しという構成にして、1ヶ所しかなかったコンセントも家電の数に合わせて増やしたり、新しくしたキッチンの表面材に近いウォールナットを白くした印象の化粧板を使って、手掛け部分だけは無垢材で加工したうえに塗装で調色したりと、なかなか手に込んだ食器棚になりました。
そして、このお話の途中でテレビボードのお話に広がっていきまして、次回はリビングまわりの家具を納品にお伺いする予定です。
引き続きよろしくお願い致します。
2024.10.20
T さんからお預かりしている座卓です。
他社さんの座卓からテーブルへのリメイクで、脚を作り、ラッカー塗装と思われるものを剥がし、クリアのオイル塗装をしています。ヒロセ君が元の家具の状態を確認しながら丁寧に仕上げてくれました。
木目が美しいです。
ケヤキのように見えますので、木目が似ていると言われるセン材で脚に作りました。
現れた木目。今までも見えてはいましたが、塗膜に覆われ使い込まれた状態で見える表情と、自然に近い表情と手触りでは異なります。
リメイクには時間とお金が必要です。
T さんご家族が、「きれいにしてこれからも使っていきたい。」と思わなければ再確認できなかったかと思うと、とてもドラマチックに感じます。
磨かれたテーブルを見たら驚かれると思いますよ。
納品の日を楽しみにしていてくださいね。
2024.10.18
昨日、工房でのプレス機の交換作業中にお掃除をしていたら、プレス機の下から指輪が出てきました。
スタッフに確認しましたが、「仕事中はみんな指輪をつけないと思います。家具を傷つけてはだめなので。」
という返事。そうでしたね。
ということは、以前木工教室のワークショップもしていましたし、工房に来ていただいたことのある人誰かのものではないかということで、指輪の詳細をお伝えします。
見た目はシルバー色、1か所ねじりを入れたようなデザインのシンプルなものです。
サイズは、内側直径17mmなので、13号と思われます。
刻印は、「Golden dew」「K18 A」とあります。
工房でお預かりしておりますので、心当たりのある方はご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
2024.10.17
私たちの工房で使っていたプレス機は、会長が創業時に中古品として購入して使っていたものなので、もう何年物の機械なのだかわからないのですが、少なくとも50~60年以上は使ってきたものなのです。
その名の通り、突板の板や扉を作るときに使うもので、突板と合板を接着剤を使い圧着させるときに圧をかけて固定するものですが、圧をかけ続けていると部品は消耗するわけで、不具合が出るたびに調整しながら使っていましたが、木工機械も家電と同じで、もう部品を揃わなくなってしまう時が来ました。
ということで、新品のものをみればきりがないので、ニーズと機械にかけられる予算に合わせて今回も中古品ですが、今の物よりは新しいものに買い替えることになりました。
機械のことはいつもお世話になっている鈴木機械さんにお任せしました。
任せられる専門家がいると、もしもという時に本当に助かります。いつもありがとうございます。
使い方やメンテナンスの方法を教えていただきました。
新しい機械を迎え、これからの年末や年度末に向けての制作に大きな力になってくれることでしょう。
今までのTAKAGIのプレス機、長い間ありがとうございました。お疲れ様でした。
新しいTOKIWA(父方の祖母とおなじ名前!)のプレス機、よろしくお願いいたします。
2024.10.17
一筋縄ではいかないね。
タケイシさんが家具制作の合間を見て編み進めてくれているのだけれど、こちらをクリアするとあちらで難題が出てくるという感じで。
封筒編みのほうがやりやすいかなと思っていたのですが、バランスを見ながら張っていくのでなかなか難しい部分があったのですが、行きつ戻りつしながらも勘をつかんでだんだんと手際よく進めてくれています。
「コードが足りなくなりそうです。」と言われて、よく考えてみたら裏表でぐるぐる張っていくわけなので、このベンチ一台で800メートルほどのコードを使うのだった、いけない、半分くらいの長さで検討していたなあ。今度は裏面を編まない張り方で検討していこうかな。
2024.10.13
「あなたたちの脚があればもっと遠くの山へも行けるわよ。」とむかしいろんなところに登山に出掛けていたお義母さんによく言われるのですが、何というかただひと気のない緑の真ん中でのんびりしたいだけなので、いつものように山すそをウロウロ。
今日は表丹沢の足元あたりを黙々と歩いてまいりました。途中の林間には全くひと気がなく、たしかお昼を回ったばかりなのに、まるで日が傾き始めたような色合いの道端の様子と杉並木の交差する様子と何の鳴き声も聞こえなくなった途端にでまるで錯覚した世界に踏み込んでしまったかのような空気。
逢魔時っていうともっと暗い時間を指すのでしょうけれど、何となく帰り道を見失ってしまうような森が覆いかぶさってくるような空気を感じて、(林道だから一本道なのですけれどね)やはり自分は小さいのだなあとブルッとしたのでした。
良い時間。
2024.10.12
チィの誕生日で無事に彼女は16歳になりました。
私にとっては天邪鬼のように思える一面もあるのですが、芯はかなりしっかりしていてハルよりも頑固なのかも。
親の思うようになんて子供は進んでいかないし、それがとても自然のことだと思うから、みんながみんな前を向いてきちんと進んでいるということだけでうれしいことです。
私も3日前に50歳になったようです。自分の生まれた日なんて誰かに言われないと忘れてしまうね。
2024.10.10
先日、リビングに扇風機が出しっぱなしだったことに気が付き、しまいました。気づけばもう10月でしたね…。
我が家の扇風機の収納場所は、リビングの物置きスペースです。
お家の間取りを考えた時に、「収納場所がキッチンのリビング側の扉の中しかないから、こういうスペースを作って置いた方がいいよ。」と福原さんが考えてくださいました。
収納のスペースを作って可動棚を付けるのは、大工さんにお願いして、扉だけ私たちの方で作り取付ました。キッチンのパントリーと同じシナ材の框扉です。
CD、DVD、学校のプリント類、アイロン、ショッパー類、加湿器、などなどが入れられるスペースで重宝しています。
扇風機は、無印良品の箱に収納できる扇風機を使っているのですが、しまい方としまう場所が決まっていると、こういう季節ものの管理が楽でいいなと感じられますね。
お掃除してしまえばいいだけですから。購入時の梱包目的だけでなく、その先の収納も考えた箱というのは素晴らしいアイデアだなと思いました。
この先心配なのは、この扇風機が壊れて他のものに買い替えた時になるのでしょうか。
そうならないように、大事に使っていって、もしそうなったら、この箱にしまえる扇風機を探そうかなと思っています。
2024.10.10
ワタナベ君が取り掛かっていた難解なキッチンの納品が無事に完了。
写真で見る限りはシンプルな形なのですが、建築の壁と一体になっていて、さらに表面はモールテックスや漆喰で仕上がっているため、ウレタン塗装とこの異素材との見切り方がかなり複雑な形だったのですが、昨日で設置が完了。
お店になるという1階のチェリーの家具もこうしてきれいに納まりまして、一息つくことができました。
2024.10.06
三島のMさんの「ゆるやかな家具たち」をご覧になって、「ぜひ私のダイニングにも」とご相談をくださったFさんのキッチンカウンター下に制作したのは曲線の扉になっているカウンター下収納。
アルテックの家具が好みというFさんが選んだ色は真っ白な仕上がりだったのですが、そのダイニングにはアアルトがデザインしたテーブルやチェアが置かれて、細かい折でその表情がとても優しく温かなラグが敷かれていたりと、この温かみのあるインテリアには良く白い色が似合いそう。
ワタナベ君が頭を悩ませながら完成させたとても美しい形の家具を先ほど取り付けてきました。
どんなふうに使っていってくださるのかは、次にお邪魔させて頂く時のお楽しみです。
2024.10.05
鎌倉の山裾に建つFさんのご新居は、不思議な小屋のような形をしております。
複雑な構造がようやくここまで仕上がってきたということで、久保田工務店さんから連絡が入りまして、先日ノガミ君とワタナベ君とヒロセ君の3人で、やはり個性的な形をしているキッチンの据付をしてきたのでした。
塗装はFさんご本人で行なうということで、それまでにブラックチェリーの日焼けが出るといけないので、今はまだキッチンの本体だけが設置されたところで一区切りです。
(参考までに以前に工房で撮影した写真も。引き出しや引戸がつけられるとこのような印象になります。)
Fさんが石の加工場まで足を運んで決めたというシナイパールと琉球石灰岩を天板に使ったキッチン。ブラックチェリーとの印象はとても良い感じ。チェリーが濡れ色に変わるとそれがよく分かってくると思います。楽しみです。