2023.08.18
この夏は工房にはほとんど居ないアイ。
先日の日記で、アキコがアイに出会えることがまぼろしのようだと書いたばかりですが、ご飯の時間の朝7時と夕方5時にはしっかり帰ってくる。そしてしっかりみんなが作業が終わって事務所に上がってくる前に出かけていく。こうなってくると、なんだか自分がご飯をあげるためだけのおじさんでしかないことにだんだん悲しくなって少し気持ちがギスギスしてくるわけです。
「君は何のためにここに来るのだ」と。
でも、猫も子供も一緒で元気に大きくなったらそこから飛び立っていくのが一番なのだろうけれど、何だか彼らが何を思っているのかいまいち分からなくてもどかしくてギスギスした気持ちになってしまうのだ。
先日、「紀子の食卓」という映画を見ていたのですが、家族が食事をする様子を見ていて、はっとしたのでした。
我が家はハルはなかなかストレートな物言いをしてくれるので分かりやすいと感じるのですが、チィは気持ちを中に留めているように思えて今一つ何を思っているのか分からない部分があって、私もそれならそれで良いと思ってしまっていて、家族と言ってもみんな一個人だから、それぞれの考えを大切にすればよい、だから私は工房に居る時間が長くてよいのだ、なんて思ってしまっていて、今、ハルやチィがこういう風に出て行ってしまっても、主人公のお父さんのように自分が楽で居られる場所に逃げちゃう可能性がないとは言えない、なんて思ったのです。
何もかも言葉にして相手に伝えなくてはいけない、とまでは言わないし、何を思っているのか察しないといけないとも思わないけれど、なんとなく家族一緒でいるときは、コンセントのプラグがきちんとあっていてみんなしっかり充電できている状態でありたいと思うのです。
コンセントのプラグが合わないと、充電したつもりでも充電できなかったりする。そのプラグは合うように心掛けたいなと思ったのです。
ひとまず、昨晩はアイが工房に居てくれたので、うれしかったのです。
2023.08.16
なにしろ、ちびっ子たちとは時間が合わなくなってくるのです。
私たちにとってはちびっ子でも彼女たちはもう大学1年と中学3年で自分たちの時間のほうが重要ですから、この夏家族みんなで時間が揃えられるのはこの日だけでして、アイは相変わらず朝夕ご飯を食べさせてくれと帰ってくるので(最近はほぼ外で暮らしています)、その時間内でさぁどこかに行こうかと考えて。
私は「詩」のことはほとんど分からなくて、いつどなたの詩を読んでも耳のまわりをそよぐ風のように感じることしかできないので、もっと豊かな心持ちでいられたらと読むたびに思ってしまうのですが、ヒアシンスハウスだけはいつか見に行ってみたいと思っていて、ではこのタイミングに見に行こうと思い立ったのでした。
その足で見たいと思っていた杉浦非水の展覧会が川越市立美術館で見られるのを知りましたので、埼玉周遊に。
私は版画を見るのが好きで、時間さえあれば町田の版画美術館に出かけるのですが、版画というのは、性質上その時代の流行や風俗や文化が描かれていて、ユーモラスに感じられるものが多くて、楽しく見ていられるのが好きなのです。
非水という人物の作品も大正、昭和の時代がよく分かる作品で見ていて、クスッとしてしまう題材があったりして楽しい時間でした。興味深かったのは作風がガラッと変わる部分。図案家という仕事柄なのでしょうけれど、見ていて今の私の家具作りの考え方と比べてしまいました。
私自身、好きな形はあるのですが、どちらかというとその形を作ることが大好きなのかというと特別そういうわけでもなかったりして、どちらかというとある条件が示されて、その中でできる良い形作りを探していくことのほうが好きだったりします。
ですので、「イマイさんらしい」という言葉が一番自分にとっては複雑で、何を求めて皆さんは私のところに来てくれるのだろうと、いつも自分自身の良さに自覚がないままこの仕事に取り組んでいるような気がしているのです。なんだかとても頼りない意思なのですが、この展覧会を見ていて、(大変失礼な思いかもしれませんが)そういう在り方でもやはり良いのかもしれないなんて思えたのでした。
私はいつか自分の時間が持てる小屋を建てたいと思っていて、このヒアシンスハウスのことを知った時に、「ああ、いいな。ああ、いいな。」と思っていたのです。
風がビュービュー吹き抜けて、雨はバチバチ窓をたたいて、鈴虫がリンリン足元で鳴いていたとしても、こういう気持ちの良い場所にいつか居たいなと思っていたのでした。
この日は残念ながら公開日ではなかったので、旗も出ていなくて、室内の心地よい様子も見ることはかなわなかったのですが、相変わらずこういう暮らしがしたいなという気持ちがあることを知ることができたのでした。
2023.08.16
クルミ独特のくすんだ色み、節の出かたなどがよく表れたUさんのキッチン。
とても心地よく暮らしている様子が分かります。その制作例を掲載しましたのでお時間ございましたらご覧いただければうれしいです。
2023.08.14
家具屋なので、自分たちで作った家具ばかりですが、我が家にも有名な家具があるのです。
リビングに置かれているイームズのシェルチェアです。
手に入れた福原さんが私たちに譲ってくださって、もう20年以上一緒に暮らしています。
はじめは、ワイヤーベースがついていたのですが、何か所か錆びてしまっていて、使っていくには折れてしまうかもしれないということで、ロッカーベースを購入してダイスケさんに交換してもらいました。
ハルとチイが生まれて、抱っこしてあやしている時にはロッカーベースでよかったなと思います。とても重宝しました。
先日、福原さんが我が家に来てくださったときに「このイス今でもちゃんと座ってる?」と聞かれ、
「座ってますよ。歯を磨いてるときとか。」とダイスケさんと私が答えると、福原さんは笑っていましたが。もう私たちの暮らしの一部なのです。
リビングに、ダイニングセットのイスとソファがあるなら、それ以外のイスはなくても暮らしていけると思います。
でも、座る必要の有無にかかわらず、デザインを見て楽しみ、リビングに置きたいイスってあるのだなと、このイスと一緒に暮らすことで気づくことができました。
SNSなどで皆様のリビングに置かれている「第3の椅子」を見かけると、この人も同じ思いなのかしら、と微笑ましく思います。
昔の作り方のガラスファイバーのもので、大きいヒビも入っていますが、使い続けているからか、すべすべですし、触って引っかかったりしていません。ただ、娘たちが短パンを履いている時に座り、もしファイバーが刺さるようなことがあったらいや嫌だなと思い、一応クッションは敷いて使っています。
リサイクルできない当時の作り方のものですし、今の時代には合っていないものなのかもしれないのですが、
ビンテージならではのこの風合いがすてきで気に入っています。
これからも大事に使っていきたいと思っています。
2023.08.13
今日はショールーム開放日でしたが、お盆休みの真ん中の日曜日でしたし、途中土砂降りでしたし、どなたもいらっしゃらなくても仕方ないよな、としょんぼりし始めた15時頃Sさんが来てくださいました。
「Instagramを見てきました。」とわざわざここに来てくださるだけで、とてもうれしいです。ありがとうございました。
そしてその後、もう一つうれしいことがありました。
スタッフのヒロセ君がご家族揃って(愛犬Rちゃんも)来てくれたのです。
「子供たちにも職場を見てもらいたいな。と思ったので。」とヒロセ君。
奥様は前にもいらしてくれたのですが、ショールームと工房を見て行ってくれました。
スタッフが友達や家族を連れて会社に来てくれるのは、「認めてもらえている。」と思えてうれしいです。
働き続けてくれているのだから大丈夫でしょ、とも思えるのですが、全く不満がない職場なんてないわけで、でも嫌いな職場なら、親しい人にわざわざ紹介なんてしないよなと思うので、ただただ私はうれしいです。
夏休み中の貴重な家族団らんの時間をありがとうございました。
次回のショールーム開放日はいつになるかわかりませんが、ご予約をいただければ、ショールームはいつでもご覧いただけますので、ご希望の方はご連絡ください。
今日も一日ありがとうございました。
2023.08.13
キッチンや食器棚などいろいろな形を作らせてもらって10年が経ったYさん。そのYさんからお声掛け頂いて新しい形の食器棚を作らせてもらいました。
「十年後」裾野 Y様
お読み頂けたらうれしいです。
2023.08.13
これがヒロセ君が描いてくれたスケッチ。
なるほどー。
2023.08.12
明日8月13日(日)はショールーム開放日です。10時~17時(入場は16時まで)開けておきますので、ご予約なく、どなた様でもフリーハンドイマイに興味のある方はお気軽に見にいらしてください。
家具やキッチンのことだけではなく、
「こういう風になるみたいなのだけど、誰に相談していいかわからない。」という、お家や暮らしにまつわることでも、経験からわかることはお伝えしますし、「この人に相談するといいかもしれないです。」とご案内することもできますよ。(もし答えられなかったときはごめんなさい。)
*ショールームにお入りいただく際には靴を脱いでいただく形になっております。
*駐車場はトラックの前に1台分、工房裏側に2台分のみございます。満車の際にはご利用できませんので、ご了承ください。倉見駅周辺のコインパーキングのご利用をお願いいたします。)
1枚目の写真がフリーハンドイマイの社屋です。ロゴマークが目印です。1階が工房、2階がショールームになっております。
小さいですがアイアンの文字看板が目印です。
この階段を上がると2階のショールームに入れます。
ここにある家具はすべて私たちの工房で作ったものです。御影石天板のオークのアイランドキッチンとバックカウンターがあります。
もう一つのキッチンは、チェリーとステンレス天板のŁ型キッチンです。
アイアンの脚のテーブルも展示してありますよ。
通常、工房を留守にすることも多いので、ショールーム見学は予約制とさせていただいております。
この機会にぜひ見にいらしてくださいね。
2023.08.12
山の日は、所沢のKさんのところに食器棚の納品でした。
制作を担当したヒロセ君と今回のサポートはワタナベ君。
お盆に入ってしまったけれどどうかなあと思っていたら、案の定高速道路は詰まってしまって・・。と、いうことで、所沢までは一般道をひたすら走ってくれた二人でした。
どうにか予定時間よりも少し早めに到着できたようですが、お昼を取る時間もなく作業を始めてくれて、作業自体は問題なく完了。
・・・ちなみに今回のKさんの食器棚。コンセントを動かす作業などがない場合は、作業時間はだいたい2時間から3時間くらい。あとは現地の壁や床の状態などにもよって時間が多少前後しますが、半日は掛からずに終わるという感じです。
「今回はどうでしたか。」とヒロセ君に聞いてみると、「シャチョウ、聞いてくださいよ。これは絶対良いと思う施工方法なんですよ。ちょっと書いていいですか。」とメモ帳にいろいろと書き始めたヒロセ君。
「ノガミ君にはいいですねって言ってもらえるかどうかわからないですが(笑)、ワタナベさんはこれはやりやすいですねって言ってくれまして。」とうれしそう。
なるほど、たしかにスムーズに進められそうな方法で、みんないろいろ考えてくれているのだなあとうれしくなります。・・・
また、今回の形でいつもと違う見せ方にしたのは、ステンレス張りの天板の見せ方です。いつもはステンレスの1.0ミリの板を天板の上から張る方法だったのですが、今回は小口の縁取りが天板の上から見える感じ。より優しい印象に仕上がりました。
でも、ステンレスがずれないように張っていくのはなかなか気が抜けない作業で、細かい工程の積み重ねがこの優しさを表現しているのです。
また、扉は、前回のWさんのチェリーのサイドボードと同じ作りの端ばめで仕上げていてとても良い表情になりました。
本体に使用したメープルの突板は、木目の連続した様子が楽しめるようにロータリー挽き。食器棚1台でもいろいろな要素でできあがっています。
Kさんも楽しそうに設置工事を見守ってくれていたそうで、とても満足しています、といううれしいお便りもくださいまして、ひと安心。
Kさんがお持ちのメープルの家具たちに追いつくように使いこまれていくのが楽しみです。
2023.08.06
来週はお盆休みですね。私達は8月11日(金)から8月15日(火)の間、工房・ショールーム共にお休みをいただきます。
家具やキッチンについてのご相談・お問い合わせ・カタログ請求、木製雑貨のご注文についてのメール・お電話等の返信に関しましても、すべて8月16日(水)から順次対応させていただきますので、ご了承ください。
キッチンカタログ請求・木製雑貨ご注文分の発送につきましては、8月10日(木)の午前中までにご連絡いただいた分に関しては休業前に発送の手配をさせていただきます。
それでは皆様どうぞよろしくお願いいたします。
そして、8月13日(日)はショールーム開放日です。10時~17時(入場は16時まで)開けておきますので、ご予約なく、どなた様でも興味のある方はお気軽に遊びにいらしてください。
家具やキッチンのことだけではなく、暮らしにまつわることで経験からわかることはお伝えしますし、この人に相談するといいかもしれないです、とご案内することはできますよ。
*ショールームにお入りいただく際には靴を脱いでいただく形になっております。
*また、駐車場は2~3台分のみございます。満車の際にはご利用できませんので、ご了承ください。)
「気にはなるけど、家具屋のショールーム見るためだけに寒川まで行って休日1日費やしちゃうのか‥。」とお悩みの方もいらっしゃると思います。
そこで、寒川のおすすめスポットをご紹介しますよ!
キッチンのお打ち合わせに来ていただくお客様がほとんど「帰りに寄ろうと思います。」とおっしゃる
・寒川神社
私たちも毎年お参りに行くところです。年末年始は人気で大渋滞ですので、今の時期はゆっくり参拝できると思います。夏の寒川神社も緑が濃くて気持ちがよいです。
アクティビティが楽しめるスポットは?という方は
ヤドカリ釣りが楽しめる
・湘南釣り堀 (予約制)
様々なトランポリンを楽しめる
・ピーストランポリン
プロの方からスケートボードとBMXを学ぶことができる
・寒川パーク (予約制)
天気が良ければ芝生の丘からは寒川神社の鳥居と富士山を望むことができる
・寒川中央公園
お土産には、
・倉見駅近くの自家製餡の和菓子屋さん 吉祥庵
・倉見駅前通りにあるボリュームのあるカツや焼売のチキンロールが人気の 斉藤精肉店 さん
・安くて丸い大きなメンチカツが名物(有)御畜食肉センターさん(日曜日は定休日)
魅力的な場所がある寒川、ぜひ遊びにいらしてください。
ふらっとお立ち寄り頂けたらうれしいです。
2023.08.07
アイは気まぐれ。
朝は7時にご飯を食べたら、みんなが出社してくる前に「にゃあ。(オレはもう行くよ。)」とドアをカリカリやって出て行ってしまう。工房が暑いのかしら。
そのまま17時の町のチャイムが鳴るかどうかのころに再び外でカリカリと。私が気付かないとドアの向こうで「にゃあお。」と呼ぶ。
「おかえり。」
「にゃあお。(ただいま。)」
ひとしきりご飯を食べると、再び「にゃあ。(オレはもう行くよ。)」
時折、タケイシさんが仕事あがりに2階に上がってくるタイミングでアイに出くわす。
「おぉ、久しぶりですね。」
「にゃお。(そうかい。)」
ご飯を買いそろえたり、一番の世話を焼いているはずのアキコは、「私なんてアイちゃんのこともう何ヶ月も見ていないよ。」と淋しそうに嘆く。
アキコにとってはアイはまぼろしのようです。
先日、猫と建築社の中村さんとメールをしていて、「ノラ猫がノラ猫で居られる場所が少なくなってしまった」というお話に触れていました。昔はもっとおおらかでいられたように思えますって。
今の在り方がいいとかダメとかではないのですが、なんとなく猫と気軽に過ごせる時間が昔はもっとあっていろいろな思い出があったなあ、と中村さんと話していて振り返っていたのです。
みんなが元気で居られればそれが一番です。
2023.08.07
先日ショールーム入り口の下駄箱入れの交換をしました。
当初の、ナラ材柾目のものは奥行き浅めのものでしたので、大きいスリッパやサンダルを入れても余裕のある中の奥行き31cmのものに交換することにしました。
中身を出して、取り外して、位置を出し、
天板を取り付けます。
天板はタモ材板目のもの。実は、以前お客様から、「表情が好みではない。」ということで、倉庫で出番を待っていた板なのです。ここでお見本としてやっていくことになりました。これからここでよろしくね。
中は掃除がしやすいように化粧板を使っています。色は締まって見えるように淡いグレーにしたのですが、汚れも目立ちにくいですし、よかったと思います。
籐のシートは水に浸しておいて、柔らかくしてから加工していくそうです。
この時点でもうすでに涼やかですね。このシートは四ツ目編みという種類のものだそうです。
続いて、籐の扉がついていきますよ。
工房で籐担当になっているワタナベ君。
今回のデザインは、表面に丸芯を回しているもの。留め加工のものは(画像検索をする限りですが)あまり見ないので、興味のある方はぜひ見にいらしてください。きれいですよ。
扉の蝶番を取り付けるタケイシさん。
インパクトを使いこなしてて、かっこいいですね。(個人的にドライバーを使っている人の正逆転の切り替えをしているところが好きです。)
一枚目の扉をつけるヒロセ君。
「今度平日休みいただいてもいいですか。子どもが夏休みで帰ってくるので、空港に迎えに行きたくて。」
全ての扉がついて、最終調整するワタナベ君。
「籐の家具って、韓国の家具に多いらしいですよ。日本より寒い国のイメージあるんですけど、なんで籐の家具が特徴なんですかね。」
と、お話ししながらの作業。いいですね、夏休みですね。
扉を付ける作業の後は片付けるだけですから、みんなリラックスしてくるのでしょう。
前職で手術室にいた時も、閉創の時は、先生もお話したりしていたなと思い出しました。
籐の家具で気になるのは、中身の見え具合だと思います。
白く光が反射をするものを入れれば目立つかもしれませんが、それ以外では、よほど強い光が当たらなければあまり目立つことはないと思います。
こうしてみんなで取り付けた籐の扉の玄関収納。興味のある方はぜひ見にいらしてくださいね。
2023.08.04
昨日は、浦和から電車に乗り継いでYさんがクルミを使って食器棚を作るご相談にいらしてくださったのですが、その打ち合わせが終わっていろいろとお話をしている時、「イマイさんの家具は、今ではどうやって探したかはっきり覚えていないのですけれど、アイアンのある形とかが好きで、そういう形を探していた時にイマイさんのこのテーブルが目に留まって、アイアンだけではなくていろいろと上品に感じたのですよね。このテーブルの木の脚も見ていて何というか美しいです。」とおっしゃってくださいました。
上品に見えるのですね、なかなか自分では気が付かなかったのですが、使いやすくきれいな形にしたいという思いが、そういう表現となっていたのですね。うれしい言葉でした。
2023.08.04
いろいろと試行錯誤しながら頑張ってもやはり仕事に波はあるものでして、つい先日まで、「次のお話がまとまらないと少し手が止まってしまいそうで・・。」とか、「タケイシさんも材料が入るまで手が空いてしまいそうなので、現場に一緒に連れていきますね・・。」とか、手が止まってしまいそうという言葉が私を追い詰めるのでしたが、先週になって、急にいろいろと動き出してきて、反対にみんなの両手にあふれてしまうくらいのボリュームが手渡されたのでした。
そこで、みなさんの納期を確認しながら、それではこちらの仕事から始めよう、ここは私が受け持とう、なんてみんなでやりくりするのです。
仕事をするということはそういうことなのだろうと思っているんです。
それを必要とする人がいて、それを作り出す人がいて、その事が成されるために頑張る。そしてきちんとおいしいものが食べられる日々を過ごせる。毎日をきちんと過ごせることが一番清々しくて心地よい。
いろいろな喜怒哀楽がありながらみんなで一生懸命に取り組んでおります。
2023.08.04
いよいよ茅ヶ崎のSさんの設置工事が始まりました。施工はKさんからオーダー頂いたキッチンの制作の時にお付き合いが始まった久保田工務店さん。
そして、設計はMA設計室の福原さん。いつもの福原さんの細かい納まりですので、そのニュアンスを汲み取りつつ取り付けていきます。でも今回の家具たちはまだ序の口で、メインはクロス屋さんと左官屋さんが壁を仕上げた後に取り付けるキッチンと背面の食器棚です。
お盆が明けたら、再びやってくる予定です。
2023.08.03
きちんと挨拶する場面では顔を出して「にゃあ。」と言い、みんなにはきちんとすり寄って挨拶していたとても紳士なはっちゃんでしたが、私にはあまり懐いてくれなかったなあ。
「猫と建築社」さんからお話を頂いた、彼とSさんが過ごすリビングに作らせて頂いた家具のお話を掲載しました。
2023.08.03
少し前に『建築知識』という雑誌に自分が担当した家具が掲載されました。
その家具は壁一面に納める猫ちゃんの為の大きな家具でした。
僕らが造らせて頂く家具はすべてオーダーですので、それぞれの家具にひとつ以上は見せ場といえるポイントがあります。
ポイントといってもそれはデザインであったり、お客様のこだわりであったり様々です。
例えば、分かれている扉でも木目が全て繋がっていて俯瞰でみると美しい家具であったり、量販店では見られない特殊な収納や加工であったりします。
頂いた図面を読み解いていくと、S様の家具はどこを切り取ってもその家具の主役になれるほどのポイントばかりでした。
写真を見て頂けたらわかると思いますが、色々な仕掛けが詰まっているとても大きな家具でした。
僕たちの会社では図面をもらったらまずある程度目を通してから社長と打合わせをします。(社長が全ての図面を書いています)
打合せでは家具の詳細や設置する場所の様子、細かい収まりを聞いて造り方などを相談します。
打合せが終わると自分の作業台に戻り「木取表」というものを書きます。
僕らの会社でいう「木取表」とは家具図面とは別の分解図のようなものです。
具体的にはパネルや扉、引出しなどをどういう構造や材料で作るかを書いたり、突板ベニヤの切り分け方などを書きます。
製作担当者が家具のパーツを必要な材料・作り方・組立て方法・運搬、搬入方法・設置の仕方などを考えながら書いていきます。
家具をパズルに例えると、そのパズルのピースを考えていく作業です。
ちなみに木取表を書いている他の家具屋さんはあまり多くないようです。
僕らはの会社はオーダーメイドですので基本的には同じ物は造りません。
ですが数年後に家具のメンテナンスで伺う事もありますし、ありがたいことに過去の製作事例を参考に注文して下さる方もいます。
ですので僕らは製作前の準備として、材料のロスを無くすため、製作の詳細をデータとして残しておく為に木取表を書いています。
まず考え方としてこの家具を5ブロックに分けました。
「階段型収納」「小屋ベンチ」「スロープ」「下の段の収納部分」そして「登り棒」という感じです。
色々な要素が詰まっていて大きな家具ですから全部を一気に考えてしまうと難しく思えますが、ジョイント部分だけ決めておいてそれぞれを造るというふうにすると簡単に考えられます。
シンプルに考えられると作業スピードもあがりますしミスをするリスクも減らせます。
難しく思える時こそ視点を変えてシンプルにすることが大切です。
ところで家具の造り方というのは正解がなく、セオリーのやり方や昔ながらの加工方法はもちろんありますが場合によってはそのやり方は不便であったりします。
ましてや僕らが作っている家具は既製品にないオーダー家具ですので、初めて生まれる形もあります。
従来のやり方が合わないこともしばしばあります。
そういった時は今までやってきた方法をバージョンアップさせることもあればやった事のない、見た事のないその時に思いついた加工方法をやる事もよくあります。
ですので「ひらめき」や「アイデア」が家具造りで必要な事のひとつだったりします。
作り手のアイデア次第では難しい加工も簡単に、時間のかかる作業も短く出来たりします。
今回の家具でいうとスロープの坂道と踊り場のジョイント部分がまさにそのパターンでした。
壁から水平に出ている踊り場の板に角度のついた登り坂と下り坂の板がジョイントされています。
もちろん猫ちゃんが通るのでジョイント部分は頑丈でなければなりません。
接着剤を入れて圧着したいところです。
圧着するには固定しながら締めつけるクランプをいう道具を使いますが、直線的にしか締め付けられません。
角度がついているものを締め付けようとするとずれていってしまいます。
そこで当初はクランプを使わずに接着する方法としてジョイント部分を蟻溝加工にしようかと考えていました。
蟻溝加工とはジョイント部分の凹凸を△と▽にする昔からある加工方法で入れてしまえば抜けにくい特徴があります。
ですが加工が難しく時間がかかる為、他に良い方法がないか悩んでいました。
もちろん蟻溝加工がダメな訳ではありませんが、限られた時間の中で他にも特殊な加工が多い家具でしたから少しでも時短を狙いたいところです。
そこでちょうど工場の手伝いに来てもらっていた同期の小林くんに相談してみました。
すると蟻溝加工でなく通し溝にして凹凸の中に材料同士を引っ張る金具を入れたらどうか、という良いアイデアをだしてくれました。
これにすれば蟻溝加工より早く加工出来て、クランプと同じように圧着する力を加えながら接着剤で固定することが出来ます。
先程、家具造りにアイデアは必要とか偉そうに書いてしまいましたが今回のアイデアは人の知恵を借りました(笑)
いいんです。人脈も家具造りに大切なことです!
とにかく他にも色々な仕掛けがありますから、それぞれに工夫を凝らして造った家具です。
あとは猫ちゃんが気に入って遊んでくれるかが心配でしたが、後日にちゃんと遊んでくれていると聞いてとても安心しました。
猫と建築社さんのInstagramで動画がアップされています。
よかったら覗いてみてください。
2023.08.02
今年2回目の梅シロップが出来上がりました。
1キロずつ分けて冷凍してあるので、あと3回くらいは楽しめそうです。
お世話になっているKさんが毎年たくさんくださるのでとてもありがたいのです。
夕方、瓶に移す作業をしていると色合いが美しかったので撮りました。
暑いのは苦手ですが、こんなにきれいな色合いを見せてくれる陽射しは、ありがたいなと思うのです。
2023.08.01
先日納品したKさんの1回の書籍棚。頭よりも上の棚板には、地震の時でも本が不用意に落ちてこないような落下防止の工夫をしてもらえますか、とKさんから言われていたので、小口のナラ無垢材を少し立ち上がりをつけた形で作ったのですが、「少しぼってり見えてしまうことと、もし可能ならその落下防止のものが本の出し入れの時に邪魔にならないように取り外しできるようにできたらうれしいのですが。」と言われて、追加加工して納品した棚板。
オーダーキッチンやオーダー家具というのはその都度初めて作り出す形が多いので、なかなか現物で表せない部分もあるため、その表せない部分をきちんと説明できるようにすることが私の務めでもあるのですが、その表現しきれていなかったようでKさんすみません。
そこで今回は、ステンレスパイプをまげてこの字型のパーツを作り、棚板にそれより大きなパイプの埋め込んでそこに差し込む形にしました。
棚板に開けた穴に差し込むだけでも良いのですが、抜き差ししているうちに堅木でもだんだんと穴のふちが崩れていくかもしれないので、念のための予防です。
こうして、あらためてKさんにとって使いやすい形にすることができました。
2023.07.30
暑い日が続いていますね。旗竿地で日陰の我が家、苔がグランドカバーになっている庭でさえ茶色くなってしまうほどの連日の暑さですから、毎日夕方水撒きしていかないとすべてが枯れてしまいそうで心配になります。
先日、早く帰宅したダイスケさんが水撒きをしてくれました。
以前は17時頃涼しい風が吹き始めていた気がするのですが、今は18時から19時の間にしています。
写真1枚目が東側、2枚目が西側玄関です。
そう、ご覧の通りもじゃもじゃです、笑。でもこの感じ好きなのです。
水撒きしていると、カナヘビの赤ちゃんが走って行ったり、ダンゴムシもクモもタニシもメダカもヤモリもみんな一緒にいる感じ。
そして、水撒きの後は、風がさらに涼やかに感じて気持ちがいいです。
この風を、ここにいる生き物たちと共有できていたらうれしいなと日々思うのです。
2023.07.29
テントラインさんからお声掛け頂き、作らせて頂いたチェリーのペニンシュラキッチンと背面食器棚。
今日はそのリノベーション工事が完了しての検査の日でした。
緑の小道も気持ちは涼やかになりますが、なにしろ暑いですね。現地に到着するころにはシャツの色が半分くらい変わってしまうくらいでしたがとても心地よくキッチンをお引き渡すことができました。
今回は、クライアントのTさんがご自身で用意されていたミーレの食洗機とIHヒーターとオーブンをうまく組み込めるようにというところからやり取りを重ねてこの形が生まれました。
約1か月前に設置工事に伺った時から早くも良い色に変わり始めております。
まずは、最初に使うときの諸注意だけご説明して、あとは徐々にこちらに荷物を運びこむのだということで、こちらでの暮らしが始まったタイミングで、実際に汚れ始めるステンレスのやチェリーの表面のお手入れの方法などをご説明しにお伺いしますね。
良い日でした、ありがとうございました。
2023.07.28
ハル「今日用事ないんだよね。なんか作ろうかな。この桃使っていいの?」という朝の会話。
夕方帰宅すると、「まるごと桃タルト」が出来上がっていました。
「ダマンド食べれないから(ナッツアレルギーなので。)下はチーズタルトにして。
中はカスタードじゃなくて紅茶クリームにしてみた。ゼラチンなかったから寒天でナパージュしたの。種をきれいにくり抜くのって難しいね。」
私はこんなお菓子作ったことないのですが…。味も後味すっきりでおいしい、すごい。
普段からお菓子作りが好きで動画などよく見ているのですが、
cottaのレシピを見ていたら出てきて作りたくなったとのことでした。
「うちセルクルないじゃん。牛乳パック切ってアルミホイル巻いて作ってやってみたらできたよ。」と話していて、私なら道具がそろわない時点でやる気が失せるのですが、作ってまでやるなんて、意欲が素晴らしいなと感心してしまいました。
親バカ投稿失礼しました。
夏休みですね。
2023.07.28
ショールームの下足入れが風通し良い形になりましたが、なにしろ通り抜けるのは熱風ですが、そういえば昨夕はヒグラシが鳴いていましたっけ。
2023.07.27
「風がうたう」のSさんのところに小さなテーブルとチェアを作らせて頂いてから2年半が経っていましたね。
ずっと使えるものを考えていて、とうれしいメールを頂いていて、ようやく形がまとまったので、久しぶりにお邪魔してきました。
このあたり、お客様であり、学校の先生であるKさんからのお声掛けで、10年前にとある小学校で授業をさせてもらったのです。
あの子たちがもう22歳かあ。
よかったらその時のお話を。昔のブログなので、リンク切れなどありますが・・。
前にも読んだよ、イマイさん、という方は読み飛ばしてくださいね(笑)
2013年11月19日「自由な手たち木工教室、現る」
2013年12月7日「図工の授業3回目」
2014年1月22日「ビバ、ものづくり!その3」
2014年2月18日「ビバ、ものづくり!最終章」
「こんにちは、Sさん。ご無沙汰しております。」
皆さんお元気そうです。
Sさんとわが家は家を建てたのがどちらも加賀妻さんで、ちょうど近い時期に建てたものですので家作りのお話でいろいろと意見交換をしていたのは懐かしい思い出です。
今日は会えませんでしたが、お孫さんもだいぶ大きくなったのではないかしら。
テレビボードのお話がまとまったところで、テーブルの写真を撮らせて頂きました。テーブルも椅子もカウンターも5年経って深い飴色になっておりました。
ちょっとざらつくところ、黒く鉄焼けしたところはお手入れの方法をお伝えして、次回納品にお伺いする時にはあわせてメンテナンスもしてみますね。
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