2023.10.16
朝からだんだんと雨が強くなり始めた日曜日に杉並のSさんが家具を見にいらしてくださいました。
Sさんは、「杉並モダニズム」のSさんです。
塗装の色をどうするかというところで検討するのです。
「白い感じも良いかなと思いまして。」というご連絡を頂いていて、ホワイト色のオイルを塗るかもしれないということをヒロセ君に話すと、内部はあとから塗装すると作業しづらいということで、あらかじめノーマルクリアで塗装してしまったということで、どうしようかなと思っていたのでした。
また、クルミのような散孔材は色が入るとムラが出やすいので、できればクリアオイルで仕上げる形が一番きれいでしたからそのあたりも悩むところです。
Sさんいらしてくださって、いろいろとお話をすると、白と言うのは全く白く塗りつぶしてしまうイメージだったそうで、たしかにあのSさんのアトリエにはそれも良く合いそうだという話になったのですが、やはり木が好きな方ですので、「やっぱり木の持つそのままの色で仕上げることにしたいと思います。」とお話が落ち着きました。
私たちはオーダー頂いてから作りますので、イメージ通りの形になっているかどうかがはっきり分かるのは届いてからになるのですが、そういうのって楽しみでもありますが、心配になる時もあります。
なるべくそれが分かりやすいようにと、ブログやinstagramなどで表現しているのですが、それでももっとその質感を感じたいという場合はこうして途中の様子を見にいらして頂ければと思います。
Sさんもご自身で写真を撮る仕事をされているので、物作りの楽しさや厳しさをちょっと共有させて頂いて、楽しい時間だったのでした。
2023.10.15
「年の暮れに、手作りのものに触れながら1年を振り返っていたら、いつの間にか夕暮れの時間になってしまったね。」そんな時間を過ごしてもらえたら、と思い3年前までは毎年開催していたイベント「クレミル」。
「今年はクレミルやりますか?」と、時々ご質問を頂くのですが、今年もまだ開催しないかなあ、と思っております。
ただ、楽しい暮らしかたのきっかけ作りが提供できるような機会は、不定期になってしまいますが、季節を問わずタイミングを見ながら開いてゆけたら良いなと考えております。
また、今までマーケットにご参加くださった作家さんで、「ここでワークショップなどを開きたい。」など、このショールームをご活用頂けますようでしたらぜひお気軽にご連絡を頂けたらうれしいです。ショールームの打ち合わせ予約が入っていない日でしたらいつでも開けることができますので。
また、ショールームの見学はいつでも受け付けておりますので、どうぞお気軽にメールでお問い合わせ頂けたらうれしく思います。
2023.10.14
「今度は夏が始まる頃に庭でバーベキューなどをやろうか。」なんて話していたのが前回の1月の食事会の時でしたね。
衝撃的なワタナベ君の姿がいまだ目に焼き付いている(みんなが帰ってしまっても我が家の玄関でこんこんと眠り続けて、夕方に帰宅した娘たちからもどうしたのってビックリされながら彼をまたいで家の中に入っていったのです)あの時から早くも9か月が経とうとしておりました。
初夏を通り越し秋が深まり始めるこの時期になりまして、やっとみんなの気持ちもひと段落しまして、私たちの仕事の区切りも7月末ですので、その慰労を兼ねてみんなで小さな庭を囲んでご飯を食べる時間を持つことができました。
皆さん、楽しい時間をありがとうございました。(楽しんでもらえたかな。)
お酒を飲んでしまうと、もう写真を撮っている余裕がないもので、準備していた煮込みの写真を載せておきます・・。
以下の文章は、お酒に飲まれることなく、(もともと彼女のほうがお酒は格段に強いのです)きちんと動画を撮り続けてインスタグラムに挙げていたアキコの文章でございます。
・・・昨日のヒロセ君の日報には、「15時〜社長宅にてBBQ」と書いてあります。
7月の決算の後、1年間の働き方と結果を振り返りながら食事をしたいねと話していて、ダイスケさん念願の自宅の庭でみんなとご飯を食べました。(ご近所さん、我慢をしていただいてすみませんでした。)
時々真面目なお話、あとはダイスケさんの思い出話を交えた独り言のようなお話をしながら、炭の火が消え冷えた頃にお開きになりました。
今朝お庭を見ると細いカニの殻がひとつ落ちていて微笑ましかったです。
工房に来ると、いつも通り木工機械をウンウン鳴らしながらみんなの作業をしています。変わらないようでこうして進んでいるのだなと感じました。
今年度後半も引き続き頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。
2023.10.14
暮らし始めて5年目になる我が家。
新しかった家の印象も、悪く言えば汚れてきたのか、よく言えば馴染んできたのか、でも、居心地のいい感じになってきたなと思っています。この家での暮らしを体が覚えてきたのでしょう。
食器棚の手掛けは舟形の掘り込み加工のものにしました。シナ材は木の中でも柔らかい方の樹種になります。
全員右利きで、家族みんなが毎日一度は開ける引き戸は向かって右側のグラスが入っている場所です。
ちなみに左側の様子はこちら。傷のつき方が違いますね。
我が家は、シナの無垢材の框扉の部分手掛けがありますので、磨いて直していきます。
お客様のデザインによっては、突板に掘り込み取っ手を付けている場合もありますので、「自分で磨いても大丈夫かな?」と不安に感じる方は、確認しますので、ご連絡くださいね。
まず、紙やすりで磨いていきます。
爪を立てて手掛けを使っていたのか、ボコボコしていたので3Mの320番と400番の紙やすりで磨いていきました。
この時に、気を付けていただきたいのが、紙やすりも面でかけていただきたいです。
ペーパーのままですと、指の力加減で平面が崩れて見た目が変わってしまいますので。
6×10cm厚み1.5cmくらいの板に紙やすりを貼って使っていただけると作業もしやすく、磨きで平面が崩れることはないと思われます。
筋のような跡が残っていますが、触れると凹みはなくなりましたので、蜜蝋を塗っていきます。
かさかさ凸凹していた面が整うと、見た目のそうですが触った印象も良くなるので、気持ちがよいですね。これからも気づいた時には磨いていこうと思います。
次回はダイスケさんに方法を確認して掘り込みの中まで磨きたいと思います。
工房で制作中当時のIさんのキッチン吊戸棚の写真をお借りしました。美しいですね。
突板の扉に手掛けの部分だけ無垢材を使用したり、また無垢材の扉でもその部分が異なる樹種で、より硬い樹種が使われたりしているのは、見た目のデザインだけでなく、長く使っていくことを見据えてのことなのだなと、自分の暮らしを通して実感しています。
こういうことがわかると面白いですね。50歳近くになりましたが、世の中にはまだまだ知らないことがたくさんあるのだなと、きっと死ぬまで勉強なのだなと思っています。
2023.10.11
Sさんのブラックチェリーのキッチンを納品した後にご挨拶にお伺いした時に、ベッドフレームと階段の下に置くキャビネットの相談を頂いていたのです。
ベッドフレームはその後しばらくしてサクラ材を使って作らせて頂いたのでしたが、キャビネットのお話はしばらく保留となっていました。
いよいよ、「イマイさん、お願いします。」と真夏に差し掛かり始めたころにご連絡を頂いていたのですが、このところ慌ただしくしておりましたためにようやく暑さが落ち着いてきたこの頃に取り掛かることができたのです。さわやかな湿り気の少ない風が抜けるこの季節は家具を作るのにとても良い頃です。
シンプルな形なのですが、板同士がけっこう複雑に入り組んでいるので、ヒロセ君も頭を悩ませながらきれいに組んでいってくれています。
2023.10.10
うさぎパンさんのキッチンは今から14年前に作らせて頂きました。
今でもこよなく愛して使ってくださるそのキッチン。
「biscotti」鵠沼 T様
「長年愛用していたオーブンの調子がいよいよ悪くなっちゃって、とうとう買い替えることにしたのですが、今までのものと同じように高い温度が出るというのでこのオーブンにしたのだけれど、ちょっと大きくて。」
ということで、家電収納部を少し作り替えることにしたのです。
ついでに散らかりがちになっていたルーターやパソコンの置き場も整理しましょう、ということで、今日はアキコと二人でお邪魔させて頂き、私はこまごまと温かい日差しの下で作業をさせて頂き、彼女はうさぎパンさんと一緒にキッチンのお手入れをしながらの時間でした。
「イマイさん、カレーでよかったら食べていって。」ということで、何て言ってたっけかな、キュウリと豆で作るお団子が入ったスパイシーなカレーに炒めたお芋とタピオカとゴロっとして濃い味付けされた揚げナスが添えられたご飯を頂きました。
まるで仕事をしに来ているというよりもいつもこの人のインド料理をご馳走になりに来ているみたいです。
2023.10.08
葉山の心地よい小高い丘に建つHさんの2階のキッチンにセパレートオーダーキッチンを設置した制作例を掲載しました。
もし、お時間ございましたらご覧くださいませ。
「さりげない仕草で」葉山 H様
2023.10.07
15年前にテレビボードを作らせて頂いたKさんからご相談を頂いていて完成した食器棚。
今回はタケイシさんが制作を担当しました。食器棚と一緒にシステムキッチンの表面材も同じセンに揃えたいというお話を頂きましたので、あわせて作らせて頂きました。だんだんとできることが増えてくると、任されることも複雑になってくるのですが、きちんと彼女なりの取り組み方でよい形を作れるようになってきたのはうれしいことです。
実はこのシステムキッチンの表面材の交換というのは、なんとなく制作するのはシンプルに見えても交換する作業は大変でして、調整がしづらいスライドレールが使われていたりすると、微調整に時間がかかるので、昨日もベテランのノガミ君が交換作業を担ってくれたのですが、食器棚の設置よりもこちらのほうがなかなか手ごわかったようで、やはり想定以上に苦労しながらの作業だったのでした。
夜7時過ぎまでお邪魔させて頂いて無事に設置が完了。テレビボードのような色に焼けていくまでまたしばらく時間が掛かりますが、楽しんで使って頂けるとうれしいです。
2023.10.04
7月末の上棟後に伺わせて頂いた時にはこのスケジュールで間に合うだろうかと心配していたFさんのキッチンも無事に本日すべてが完了。あとは今月下旬のお引き渡し後にオイル塗装の方法をお伝えしたらすべてが完了の予定。
また10月末あたりから皆さんのところに家具を届ける日が続きそうですが、ひとまずここで小休止ということで、下旬頃までは通常の制作のスケジュールで作業が進められそうです。
ノガミ君も気持ちが落ち着いたからか、「自宅の家具作りを再開させてください。」とみんなが仕事を上がった後にいそいそと作業し始めました。
「実は俺も工房を少し使わせてください。」と助っ人として参加してくれている元スタッフのコバヤシ君も何か試みがあるようで、ノガミ君と一緒に何やら作業をしておりました。
芸術の秋なのです。
2023.10.04
HITOMAさんから頂いたコの字型のキッチン。昨日無事に設置が完了しました。
今回難しかったのが、ご主人が直接仕入れた食洗機とIHヒーターの組み込み。日本国内仕様ではないものですので、なにしろ施工説明書が無いのでどうにか国内仕様のマニュアルを見ながら設置をしたのでした。このあとの電気屋さんが大変そうですが、よろしくお願いいたします。
もう一つがサッシに飲み込ませるステンレスの天板。搬入が可能ならコの字一体で作りたかったかな、なんて思っていましたが、飲み込ませることを思うとL型とI型の2分割にしておいて正解でした。
これからタイルが敷かれて、壁が仕上がっていって、そのあとにキッチンの塗装をTさんが行なって完成となります。
反町や白楽、菊名や大倉山は今まで下車したことがあったのですが、このTさんの新居が建つ妙蓮寺は初めて下車する駅だったのですが、降りた途端に素敵でした。ちょうど夕方の雨の降り始め時でしたが、丘の上から何か楽しそうに降りてくる学生たちと目抜き通りは素敵な商店街。むかし懐かしい思わず入りたくなる本屋さん「石堂書店」さんと、向かいにとても魅力的なたたずまいの本屋さん。調べると、「本屋・生活綴方」さんという本屋さん。
子供のころは本屋さんが好きでね、小学校の低学年の頃だったかな、いちょう団地の少し先に行くとOKストアがあって、そこは小さい時分は母との買い物じゃないと行くことがない特別な場所で、団地という生活の輪から飛び出たところにある世界でした。
そのOKの向かいが日用品のお店になっていて、その2階に上がると、理容室やおもちゃ屋さんや本屋さんがあったんです。ちょうど2階の真ん中がゲームセンターのようになっていて、みんなファンタジーゾーンやスペースハリアーなんかをやっていたっけ。そこを通り抜けると古いラワンの匂いがするような本屋さんがあって、そこでジャッキーチェンの映画本(小さくてすごく分厚い本)が売っていて、お小遣いを貯めてそれを買いに来たのを思い出しました。あとは土曜日に早売りされるジャンプはここに買いに来たっけ。
2023.10.02
6年前に作らせて頂いたブラックチェリーの赤と背板が深い緑色のクリスマスカラーが特徴の本棚。
その本棚をご依頼くださったFさんがお引っ越しするということで、その新しい場所に合わせて本棚を一度引き取らせて頂き、再度仕上げが必要な部分を加工して、取り外しの際に壊さないといけなかった隙間を調整材を作り直したりして、無事にご新居に設置完了。
今度は新しい間取りの関係でリビングではなく洋室に置かれることになりましたが、Fさんの書斎として活躍するのです。
Fさん、クレミルにも何度もいらしてくださって、家具のオーナーさんというよりはもう少し近い距離でお付き合いさせて頂いていて、再び新しい暮らしのお手伝いができたことをうれしく思うのです。家具作りで始まるご縁があるというのはとてもすてきなこと。
2023.09.30
逗子のIさんのL型キッチンもようやく形になってきました。今回はナラのランダム張りの突板を使ったキッチンです。
天板はIさんが切望されているL型一体のステンレスカウンター。2階の窓からの搬入になるのですが、それがうまくいくかどうかが当初からの心配でもありますが、ぜひともキレイに納めたい。ヒロセ君もとても丁寧に仕上げてくれていて、10月下旬の設置がドキドキしますが楽しみであります。
2023.09.30
17年前に家具を作らせて頂いたEさんからあらためてお声掛け頂きまして、今回ご新居にその時の家具と新しい家具が仲良く並ぶ空間を作らせて頂きました。
もしよかったらご覧くださいませ。
「また逢う日まで」藤沢 Eさん
2023.09.27
スタッフのみんなに、会社をより良くしていくための意見を聞くたびに毎回リクエストがあった「横切り盤を新しくする」こと。
ダイスケさんが入社当時からこの横切り盤があって、その時も会長は中古で購入したと言っていたそうで、機械を納品してくれた鈴木さんに聞いてみると40年ほどに作られたものだそうでなんともベテランな機械なのです。
古くなると、独特の癖が出てくるようで、その都度調整しながら使っていたのですが、その頻度が増してきていて、ここ数年みんなは不便を感じているようでした。
特に軸を傾斜させて切るとなぜか直角に切れにくくなっちゃって、いつも微妙に調整しながら精度を保って作り上げてくれていたので、みんなの努力には感謝しています。
木工機械は高価なものなので、「いいよ、変えちゃう?」なんてわけにはいかないのですが、今回補助金の審査が通ったので、めでたく入れ替えられることになったのです!ありがとうございます!
これで今まで治具を都度調整しながらやっていた留め加工もスムーズにできるようになってみんなが作りやすくなるはず!
加工に時間がかからないようになれば、コストダウンも図れるはずです!という希望を抱きながら、新しい機械と共にこれからも頑張っていきたいと思います!
横切り盤と共に「超仕上げ」と呼ばれる鉋盤も「使っていないので。」ということで、引き取ってもらいました。フリーハンドイマイが始まった時は、店舗の什器や、新築マンション向けの家具を何十台っもまとめて制作するという仕事が多かったのでよく使っていたのですが、今はオーダーキッチンや家具がメインになって手鉋で仕上げることが多くなったので、出番がなくなってしまったとのことですこし寂しいのですが、今までお世話になりました。
いつも木工機械のことでお世話になっている鈴木機械さん、暑い中ありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
2023.09.26
先日次女チイの中学校の合唱祭がありました。
中学校のイベントで観覧できるのを楽しみにしているイベントのひとつなのですが、コロナ禍の影響で、チイの合唱祭は中学3年生でやっと会場に見に行くことができた最初で最後の合唱祭となりました。
チイと接する時は家の中なので、どうしてもまだいろいろ役割を担えないのではないかと思ってみてしまうのですが、もう14歳、中学3年生になるのです。こういう偏見はいけませんよね。
今回、ポスターと楽譜の表紙のイラストを描く係、合唱のパートリーダーの役割を務めて挑んだようでした。
(誰もやる人がいなくて決まらなかったからやることになったそうですが…。
ハルは自ら立候補するタイプ。姉妹で経緯は異なりますが、役を務めたことは同じ。
姉妹でもこういう違い、おもしろいですね。)
課題曲は「あなたへ」。歌詞を読んでいるだけでも胸にこみあげてくるものを感じるすてきな曲ですね。
楽譜の表紙の絵を見せてくれて、
私「この子の左手は…」
チイ「歌詞の中に、握り合えない手と手、というところがあって、どうしてなのかわからなかったのだけど、絵に表したくて。」
胸に響いた文章を絵にしたようでした。
課題をもらわなければ考えて絵を描くこともなかったわけで、いい機会になったようでした。
中学校の評議員を務めているダイスケさんと見に行く予定でしたが、予定が変わっていけなくなってしまったので、母を誘って観に行きましたが、チイの初めて見る姿に感動したようでした。
そしてチイのクラスが最優秀賞をいただくことができて、本人も喜びが増したようでした。
よい思い出がまたひとつ増えたのでした。
2023.09.24
Hさんのキッチンとリビング収納との再会 今日はダイスケさんと静岡まで。 約1年2ヶ月ぶりにHさんのキッチンの様子を拝見させていただきました。
Hさんのキッチンに採用したレンジフードは低めの天井で同時給排が行なえるタイプということで、富士工業の担当者さんとダイスケさんが相談して、集合住宅用のものをアレンジして設置しています。
当時、そのフードを初めて採用することになったわけですが、今回別のお客様にも同じタイプのものを使うことになった時に、「そういえばあの時初めて使ったHさんのフードはきちんと設置できて使えているだろうかと。」と、いまさらながらつぶやいたのでした。ダイスケさん・・。
そこで、今日はその確認にお伺いしてきたのです。
設置方法も使用方法も問題なく行なえていて、キッチンのそのほかの部分も特に不具合なく使って頂けているとのことでひと安心。
ご家族揃っての休日にお時間をいただきましてすみませんでした、Hさん。ご協力くださいまして本当にありがとうございました。
日当たりがよくお庭の植物が生き生きしているHさんのお宅。
リビング収納の天板には奥様がコレクションされた様々な素材のすてきなオブジェが置かれているのですが、位置を変えると、日焼けの跡ができてしまったり、引っ掻き傷がついてしまったり、ということでせっかくですのでメンテナンスを。320番〜400番の紙やすりを使い蜜蝋を塗ると、跡がほとんど目立たなくなり触り心地もすべすべになりました。 日焼けや引っ掻き傷も暮らしの跡だと思っています。それを直しながら、その人だけの家具になっていくと思います。
こうして、暮らしの様子を拝見させて頂くことで私たちの家具がそういう存在になっていっている様子を知ることができてうれしい時間なのです。
それにしても、庭のおくらや大葉の様子がうらやましいのでした。
(我が家は陽当りが少ない土地でシダやコケだらけの庭ですので。)
2023.09.24
今回はKさんの食器棚と吊戸棚を担当させていただきました。
樹種はメープル材です。 箱部分にはメープルのロータリー挽き突板 前板、扉にはメープル無垢材を使用し、天板はステンレスバイブレーション仕上げの天板で小口に5mm厚の無垢を接着しています。
今回の製作で大変だった点は扉の製作でした。
大まかな製作工程としては、板を粗取し、しばらくの間乾燥させ、その後板を製材し、3枚の板を接着して1枚の接ぎ板を作り、その後、端ばめ加工をした横木と、同じく端ばめ加工をした扉を接着し、手掛け加工するといった流れです。
文章で書くとあっという間に出来てしまいそうな感じなのですが、接着した際の僅かな段差や、機械加工の跡などを鉋で取る作業、端ばめ加工の細かな調整等、製作するとなるとやはり大変な仕事になりました。
無垢材の反りどめの方法として裏側にステンレス製のL字型の反りどめを入れる事もありますが、今回の食器棚では、上部に手掛けが有るデザインでしたので、上下に接着する横木のチカラを借り、端ばめ加工することによって、扉の反りどめになっています。
金具を仕込むより手間はかかってしまいますが、裏面は金具がない為、非常にスッキリしています。 そして、その食器棚の上に付く吊戸棚の戸は、枠のないガラスのみの戸にが入ります。 通常家具を取り付ける際、壁の中の柱に向かってビスどめしていきます。 吊戸棚は透明のガラス戸になっている為、ビスどめするとビスに被せるビスキャップが見えてしまいます。もちろんビスキャップが見えていてもおかしくは無いのですが、今回の吊り戸棚は重量、サイズ、共に大きいものではないのでドッコ(壁に加工した材料をビスどめし、そこへ家具を引っかける方法)で固定する事によりビスを見せない取り付け方法をとっている点もポイントになっています。
取り付け当日は高速道路が通行止になるアクシデントもあり、Kさんのお宅までは下道で行く事に。なんとか予定通りの時刻に到着し、取り付けする事ができました。
設置させて頂いたお部屋には、メープルの家具が他にもある事や、今回製作させて頂いた家具がシンプルでスッキリとした形と言うこともあり、納品させて頂いた家具達はKさんのお宅に元から有ったかのような、ごく自然な雰囲気で仲間入りできたように見えました。 取り付け後は、お部屋に置いてある他のメープルの家具を拝見させてもらいながら、お話しさせて頂き、とても有意義な時間を過ごさせて頂きました。
Kさんありがとうございました。
2023.09.23
所沢のKさんのところにご挨拶に伺ってきました。
納品してから1ヶ月半が経ちましたが、とてもきれいに使ってくださっている様子がよく分かります。
当時、小豆色の冷蔵庫だったのが新しいものに変わっていて、オーブントースターだけがその名残になってしまいました。とKさん。
食器棚が入ることで、少しずつその周りを整えていくことが楽しくなってきたということで、やはり家具って暮らしていくための良い道具なのだなあとあらためて気づかされました。
まだ若々しい色のままですが、これがだんだんと飴色になるその過程を楽しんで使って頂ければと思います。
メープルの家具を数多く作られているサーブさんのデスクやローテーブルと共にこの食器棚とも一緒に年を取っていってくださいね。
2023.09.23
3日間かけて設置作業を行なっていたYさんのキッチンがようやく完了。いろいろなご事情で3ヶ月ほどキッチンを保管していてやっと在るべき場所に置かれることができました。
都内のとても雰囲気のある年経たマンションということで、いろいろな制約が収まりなど難しい部分が多いキッチンでしたがきれいに納まりました。
あとは工務店さんが引き続き仕上げ工事を行なってくださって、この空間ができあがっていくのです。
どんな色の空間になるのかたのしみです。
2023.09.22
昨日の投稿でもお伝えしていましたが、今年度から2日間になったという茅ヶ崎市内の職場体験学習に2名の中学2年生が来てくれていました。木工に興味を持ってくれてありがとうございます!
今年は2年目のタケイシさんに指導係を担当してもらいました。
後輩が入ってくる職場でしたら指導する機会ができて、指導することで新たな視点で自分の方法を振り返ることができると思うのですが、うちはそうではないので、申し訳なく感じていたのです。
昨年、寒川市内の中学3年生に向けたダイスケさんの出張授業に同行した経験もあるので、工房にある機械と作業の説明、時間内に作り終えることができて、危険な作業は伴わない範囲の色々な加工を経験できるビスケットジョイントを使ったナラ材のスマホスタンドの制作内容を考えて準備してくれました。体験してもらった内容は、
・突板の家具を作るときに使う芯材のプライを自動鉋盤に通して厚みを揃えていく作業。
・白い化粧板の棚板の木口張りテープの仕上げ磨きをする。
・紙やすりを使った研磨の仕方
・オイル塗装の種類と方法
・ビスケットジョイントの加工方法
・鉋のかけ方
そして、ダイスケさんによる二点透視法を使ったスケッチの書き方を実践してもらいました。
二人とも初めてだというのにスケッチがとても上手で驚きました。
昨日の1日目が納品はじまりでしたが、2日目の内容で、こうして色々な材料が様々な加工を経て形が出来上がり、必要な場所に納められていると理解してもらえたのではないかと思います。
とてもわかりやすい説明で指導係を務めてくれたタケイシさん。
タケイシさん「ノガミさんに教えてもらった通りに伝えられていたと思うのですけど…。」
と自信なさそうに答えていましたが、生徒さんに話している様子から「この人木工が好きなのだな。」という思いを感じられたので、伝わっていたと思いますよ。とてもよかったと思います。お疲れさまでした。
今回生徒さんから初めて受けた質問がありました。
Sさん「お客さんからオーダーを受けて作ったものが違うと言われたことはありましたか?」
いい質問!もちろん、ありますよ。そういう時はお客様に納得したものに仕上がるまで作り直しです。
でも、とてもうれしかったです。
自然の素材を使って、その人の想像する理想の形を考えて、そのイメージを合わせて作る難しさを感じ取ってもらえたのかなと思いました。
体験学習に来てくれた生徒さんにとって、将来家具に全く関係のない職場に勤めることになったとしても、家具がひとつもない家はないと思うので、「どういう風に作られたのかな。」と思い出してくれたらうれしいです。
私たちの工房に職場体験に来てくれてありがとうございました。2日間お疲れさまでした。
(写真撮影と掲載にもご協力いただきありがとうございました。)
2023.09.21
担当者さんと形を考えて作り始めて15年ほど経つ図書館の検索台OPAC 。
今まで100台以上は作ってきまして、全国の図書館に納めさせていただいてます。
今日は初めて会社のある寒川町の図書館に納めさせていただく日でした!
ちなみに今回の台は、図書自動貸し出しの機械を置く台なのだそうです。
こんなに近くに工房があるのに‥と思っていたので、お話をいただいた時には本当にうれしかったです。ありがとうございます!
そして、今日は茅ヶ崎市の中学2年生が2名職場体験に来てくれた日でもありまして、キッチンの取付現場の日と重なってしまったこともあり、来て早々、納品作業に同行してもらいました。(中学校の先生に確認したところ、「工房外の活動でも構いません。」とのことでした。)
「寒川町の図書館だから、利用したことはないよね。」と聞くと、「お家から近くて来やすいので利用したことあります。」と2人とも話していて、茅ヶ崎市の人も利用しているのかとうれしくなりました。
公共で利用する設備も、こうしてひとつひとつ作っている会社があって、それを利用しているとわかると、社会のつながりがわかり見え方が変わってくると思います。
職場体験で納品作業は初めてのことでしたが、生徒さんの同行にも、元請業者さん・図書館の担当者さん、とても温かく見守ってくださいまして、ありがとうございました。
今回からカリキュラムが変わり2日間の体験になったということで、明日は今日の午後から続けての、工房での製作作業を体験してもらおうと思っています。
また明日お伝えします。
2023.09.19
ようやく全体像が表れました。
今日はSさんのお引き渡しです。
「イマイさんのところに伺うまでに3、4年くらいだったかな。いろいろと悩んで、伺った時にはもうお願いしようって心に決めていたのです。」とSさん。うれしい言葉です。
そこから話を聞いていくと、これはもう福原さんに相談に載ってもらうしかない、ということで、彼が空間全体を取りまとめてくれて、Kさんのキッチンの時にご縁が生まれた久保田さんに施工をお願いすることになってすべては良い方向に進んでいったのでした。
「本当にとても素敵なタイミングですてきな形が生まれてうれしかった。」とSさんがおっしゃるように、こういうのって何でしょうね、巡りあわせですかね。
チェリーで囲まれた空間はこうしてできあがったのですが、決して重かったり、木目の印象が強かったりすることなく、清々しい林の中を歩くような感覚。家具をチェリーで作る私たちの仕事はいつものように作っていったわけですが、今回は大工さんが壁面をきれいにチェリーで仕上げていってくれたのです。そのおさまりがとても気持ちよくて、見ていて清々しいのでした。
福原さんの魔法がかけられた空間はこうしてできあがったのです。
2023.09.19
昨日はHさんのお宅へお邪魔してきました。
チェリー材のキッチンとガラス天板の食器棚を作らせていただいたHさんです。
暮らし始められて1年半経ちます。
今回、そのHさんから八角形のまな板の修理の相談を頂いたのでした。
比較的大きなサイズで2枚で接ぎ合わされていた接ぎ面から割れてしまったのだそうです。
まな板は消耗品ですから、そう言うこともあると思います。ただ、5年も使い続けると愛着が湧くもので、捨てるに忍びなくて修理可能かどうかをメーカーさんに確認したら断られてしまったそうです。
そんな折にイマイさんに聞いてみようと思い立ち「イマイさんのところで修理可能でしょうか?」とご連絡を頂いたのでした。
実は修理というと、以前他社さんのテーブルの加工を引き受けたところ、機械が破損してしまうことがありましたので、それ以来、どう作られたかわからない他社さんのものの修理はお断りしておりました。
今回は、Hさんには色々とお世話になったこともあり、まな板サイズでしたら問題ないだろうとのことで承りまして、ノガミ君がとてもきれいに直してくれたのでした。
Hさんにもとても喜んで頂き、そのお礼にと、お食事にご招待いただきました!ありがとうございます!
マンションの一室をリノベーションされたHさんのお宅は、チェリーとガラスと白い塗り壁に囲まれた心地の良い空間で、コレクションされているstaub 鍋を駆使して振る舞われるお料理はどれも美味しく、ダイスケさんと2人でお酒まで頂いてしまい、ホクホクと帰ってきたのでした。
みんなはFさんの取付作業などで頑張ってくれていたのに、すみません!
でも、Hさんからもとても勉強になるお話を聞くことができたりして、たいへん貴重な時間をになりました。
みんなありがとうございます。
そして、Hさん、すてきなおもてなしを本当にありがとうございました!
ごちそうさまでした!
2023.09.17
キッチンを作られて、シンク下を収納スペースにされた方は多いと思います。
シンク下を開けたということは、配管を後ろや横に逃がしている場合が多いので、排水溝から下に流れ落ちるまでに並行な配管の部分(排水トラップから排水パイプの部分)が長くなります。そうすると、粘度の高いものを含む汚水を流した時に詰まりやすくなり、排水溝があふれやすくなります。我が家の場合はカレーや煮豚などをした後が詰まりやすくなります。
我が家のキッチンの排水溝の位置は真ん中にあります。配管は左奥に逃がす形になっています。
この排水溝の位置と、配管の逃がし方も、お客様の間取りと配管の位置、キッチンの形によって異なりますので、シンク下を覗いてみてご確認いただければと思います。もしわからなければ図面をお調べしますのでご連絡くださいね。
シンクのお掃除をするタイミングに合わせて、排水溝の中に割りばしなどの細い棒を入れ、掻き出し、
勢いよく水に流すと詰まりは取れ流れがよくなると思います。
この時にシャワーヘッドが排水口近くまで伸びるとやりやすいと感じましたが、伸びなくても、桶に水をためてから流せば大丈夫です。
我が家は、20㎝の割りばしが曲がる角まで届くちょうどよいサイズでしたが、この長さもキッチンそれぞれですので、試しながらやっていただけたらと思います。気を付けなくてはいけないのが、あまり棒が短く角まで届かないと中に入ったままになって取れなくなってしまいますので、気を付けてください。20㎝以下の割りばしは使わないように目安にしていただければと思います。また、20㎝で突き当りまで届かない場合には長いものに変えた方がよいと思います。
シンクを清潔に保つために排水溝をあふれさせないことは大切なことなのですが、今まで掲載しておりませんでした。「排水溝が溢れやすいな。」と感じ、困っていた方はいらっしゃいませんでしたでしょうか。失礼いたしました。
お掃除するポイントが増え、お手間を取らせてしまいますが、不便を感じた時の対処法がわかれば困らず長く使っていくことができると思いますので、お試しいただければと思います。
よろしくお願いいたします。
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