お仕事はじまってます

2022.01.08

年の暮れからの慌ただしさを持ち越してしまったようで年始の挨拶もままならないありさまで、今年がすでに始まっておりました。

6日から始まった今年の私たちの仕事はありがたいことに皆さんからたくさんの声を掛けて頂いていて、仕事初めから忙しくさせて頂いております。

こちらは昨年から引き続き作業しているWさんのキッチン。野副さん、高橋さん設計の空間に納まるのですが、なかなか難解なリクエストを頂いているこのキッチン。留めの見え方や蝶番選びなどなかなか苦労した部分がありますが、ノガミ君がうまく仕上げてくれました。

塗装の色も木地の色に近い感じで仕上げたいということで、ハラキさんに相談して、ちょっとひと手間加えることで塗装していないようでしっかり塗膜が載った仕上がりになりました。

このあと、また複雑な食器棚の制作に取り掛かる予定ですので、また悩ましい日々ですね。

並行してワタナベ君、ヒロセ君もそれぞれ特徴ある洗面台やキッチンに取り掛かっていて、さらにはコバヤシ君も手伝いに来てくれて、年始から賑やかにやっております。

今年もよろしくお願いいたします。

2022.01.08

お知らせが遅れてしまいましたが、いつもより長めのお正月休みをいただいて、フリーハンドイマイも始動し始めています。例年は休業期間中もメールなどのお問い合わせをいただくことがあったのですが、今年は仕事始めと共にお問い合わせいただいているような状況で、皆様にお気遣いをいただいたのかなぁと思っております。

やはりお休み中でもメールをいただくと、返信はしなくても、もう内容は作っておきたいという性分のダイスケさんなので、お母さんのお仏壇の制作に集中することができました。でも、メールが少ないとそれはそれで「仕事がなくなったらどうしよう。」と不安になってしまうのですけれども。もうこれはしょうがないですよね。この仕事を辞める時まで付き合っていくものだと思っております。

そして、皆様からの温かな年賀状をいただきありがとうございました。家具やキッチンを囲んでご家族の皆様で写られているお写真と共にメッセージを添えられていて、とても微笑ましく、ありがたく思いました。皆様のこういう思いに支えられているのだなと感じました。

こんな考えは不謹慎なのかもしれませんが、喪中でしたのでプライベートの年賀状は出せずにいました。でも、こんな時こそ皆様のお元気な様子に励まされるのに、いつも通りにご挨拶を交わせたらなぁと感じました。本当にありがとうございました。

仕事始めが雪の日で、色々なことが起こりそうな予感です。思いがけない、いいこともよくないことも起こると思います。みんなで頑張って乗り切って、1年の終わりに「いい年だったね。」と言えるように過ごしていけたらいいなと思います。

皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

同じリズム

2022.01.05

アイが居るから、と、正月関係なく毎日同じ時間に起きて工房に来ていると日にちがよく分からなくなっちゃうけれど、何となく曜日の空気みたいなものが感じられると、(ああ、今日は水曜日だった)なんて思いながら過ごしていて、アイにご飯、お仏壇、お昼ご飯、お仏壇、アイにご飯、お仏壇、アイにご飯、なんてリズムでいるほうが何だか気持ちが落ち着くように感じてしまうのは、なんとかシンドロームかしらってぶつぶつつぶやきながらどうにか形が見えてきましたね。

あとは休み明けに足りない部材を用意したらできあがりの予定。

明日から仕事初めです。

ダイニングテーブルのメンテナンス

2022.01.05

本当は大掃除の時に合わせて行っていたオイル塗装のダイニングテーブルのメンテナンス。きれいになったテーブルでお節を食べるという流れにしたかったのですが、今年は間に合わず年明けに行ないました。家具屋だってそんな年もあるのです。

一番家族がよく座る場所、キッチンからの動線が一番短い場所ですね。汚れ染みがあるのがおわかりいただけますでしょうか。

テーブル周りを整理してから行いましょう。椅子は外して、周りに水や木の粉が付いたら困るものはどけておきましょう。また、充電式のクリーナーをお使いの方はこの時に充電ができているかも見ておくといいですね。

我が家のメンテナンスセットです。使い古したキッチンスポンジとふきん、体洗う時使っているアイゲン石鹼、3Mさんの400番紙やすり、フォレストさんの蜜蝋WAXです。
まず汚れを落とすので、石鹸をつけて泡立てたスポンジで洗ってしまいます。(あとで洗剤成分をしっかりと取らないと変色することがあるので、本当はここまで洗っちゃうのはNGなのですが、我が家はきれいさ優先ということで・・)
固く絞ったふきんで拭き取ります。汚れが落ちているのが分かりますね。ふきんをゆすいで拭き取る作業を3回ほど繰り返すとふきんに汚れがつかなくなりました。
石鹸では落ちなかったつるつるした汚れが残りました。今はもう何の汚れかわからないので、こういう汚れは紙ヤスリで落とします。
400番の紙ヤスリだと落ち切らなかったので320番でかけたら落ちました。
この時に凹みなどの傷の有無も確認しましょう。私は傷の部位に輪ゴムを置いて目印にしています。どこだかわからなくなってしまうので。そしてそのまま熱湯をかければお湯の広がりも防げていいですよ。ただ栗材は固くて熱湯をかけるだけではビクともしなかったので、濡れふきんの上からアイロンをかける方法で直しました。やはり樹種によって硬さが違うのですね。
その後ヤスリがけです。木目に沿ってシャコシャコかけました。反対の手で表面を触りながらざらざらしなくなりすべすべになるまでやります。だいたい一か所20回上下する感じでしょうか。左側くらいになるとシャコシャコ言わなくなるので新しいものに交換していました。

水を使った後から1時間ほど経って表面が乾いた触り心地になってからWAXがけをしました。

ヤスリがけが終わり表面の木くずを掃除機で吸い取ります。その後WAXがけです。Forestさんの蜜蝋WAXは冬でもワセリンくらいの固さなので塗りやすくて助かります。
塗り残しがないか光の角度で確認しながら行います。
忘れてはいけないのが側面です。ここも合わせてしましょう。

メンテナンス終了です。日が暮れてしまいましたが、きれいになりました。我が家のテーブルは栗材なのですが、タンニンを多く含むということで、だんだん褐色化してきている気がします。いい色です。

この後夕食の時にハルが「お!テーブルすべすべだ。」と気づいてくれました。

メンテナンスは心地よく使っていくために必要だとはわかっていても、しなくても使えているし、と始めるまでが面倒に感じることもあります。でも、「あ~、やっぱり違うわ。前より気持ちがいいわ。」と実感できるとまたそれが味わいたくなって続けられますよね。興味のある方で、オイル塗装のテーブルやデスクをお使いの方はぜひ試してみてくださいね。

お正月料理

2022.01.03

今年は喪中なのでお節料理は作らない予定でしたが、家族に食べたいものリクエストを募ると結局お節のメニューになってしまいました。お重に入れずにお気に入りの器によそいました。これなら伊達巻も焼けばよかったと思いました。

倉見の斉藤精肉店さんに注文したお肉で作ったローストビーフもとても美味しく焼けて家族にも好評でよかったです。

今年からお正月メニューに加わったのは、今までイマイの実家でお正月にごちそうになっていた煮豚と煮豆腐です。

イマイのお母さんにごちそうになっていた時に作り方を聞いていたのですが、「私、計量カップとかスプーンとか使わないから。その時の味見てでいいのよ。」という感じっだったので、正確な再現ではないと思いますが、ダイスケさんに美味しいと言ってもらえてよかったです。

私のお正月のメニューは実家で母に作ってもらっていたもの。結婚してイマイ家の味を知り、そのメニューも自分で作るようになって、料理の味はこうして受け継がれていくものなのですね。娘たちもいつか作るようになるのでしょうか。そう考えると食との出会いって面白いものですね。

冬の庭

2022.01.03

冷えるという言葉がぴったりくる冬の朝ですね。

メダカの鉢の浮き草が増えすぎたので、石の器に入れていたのです。

がちがちに凍ってしまっていました。浮き草ちゃん、ごめんなさい。

慌てて日向に移動しました。復活できるのでしょうか…。

もしかしたら今までも凍っていたのかもしれません。家でゆったり過ごす時間がないと見逃してしまっていることがあるのかもしれません。

元日

2022.01.01

昨年の秋に母が亡くなったのです。

遅かれ早かれいつか向こうに旅立つことが命あるものの定めですので、今までたくさんの猫たちがこの工房を訪れては旅立っていく姿を見ていたからか、あれほどふくよかだった母がだんだんと痩せて言葉数も減っていく姿を見ていてもそういうものだと思えて、なくなった今も悲しいというよりは、そういう道程だったのだと思えております。

今では向こうできっと私たちのことを、「しっかり頑張んなさいよ。」といつもの通り叱咤激励してくれているのだと思うのですが、それもまた私たちの独りよがりな思いですので、きっと向こうで元気にしていると願っております。

そういう慌ただしさの年末を迎える中で、「そうだお墓だ、やれ仏壇だ。」という話になりまして、「仏壇はダイスケがつくるのだろう。」と父、「それならうちも作ってもらおうかな。」とユウ(弟です)にも言われたものですから、告別式も終わって少し気持ちが落ち着いたところで、工房の裏の材が寝っ転がっているところからゴソゴソと、私がこの仕事を始める前からここに置いてあっただろうヒノキとマツを引っ張り出してきました。お母ちゃんには言い方が良くないかもしれないけれど、なかなか仕事で使わない材を寝かせておいてももったいないからそれで作ってしまおうと。

それから、約1ヶ月後に、今年は早々と仕事納めすることができましたので、その翌日からひたすら頑張るのですが、何しろ今はみんなに家具制作を任せていて、自分はもっぱら家具の形を考えるほうの日々でしたので、こうして作り始めてみるとおもしろい以上に大変。

普段みんなにどれだけ大変な形を任せていたかを今さらながらしみじみ感じつつ私と(時々)アキコと(時々)アイ(猫です)は作業を進めるのでした。ひとまず昨日でおおよその形がまとまって、今日はあまり音が出せないのでひと休みしまして、また明日から作業再開。

そのようななかで、アキコが年末にはお母ちゃん直伝のカレーと、昨晩は煮豚をこしらえてくれていまして、それを頂きながら無事に新しい一年を迎えることができました。

今年も皆健やかに頑張ってまいります。

お仏壇の制作

2022.01.01

年末年始のお休み中、工房ではお仏壇の制作が進んでいます。お家のことをする合間に磨くお手伝いをしにいきました。
今回は、完成形のイメージは作ってありますが、工房にある木材を整理した時に出てきた檜と松の板を使っての制作なので、材料を採れる範囲で大きさや形を決めていったそうです。
会長は格子の扉がいいというリクエスト通りで、弟さんの家の分と我が家の分はフラットな板扉にする予定でしたが足りなさそうなので框扉にすることになりました。
今ある材料を生かすデザインがあるなんて、昔の方々の知恵は素晴らしいなと再認識しました。大きさが決まってから年明けに注文する材料もあるのでお休み中には完成しないのですが、なるべく進めておこうとダイスケさんが日々頑張ってくれています。ありがとう。

偲ぶ

2021.12.29

(告別式の日の空の写真と、お葬式までの間にダイスケさんと三日間用意したお団子とご飯。本当はダイスケさんのおいしいおにぎり食べさせてあげたかったな。)

今年あった大きなことは、今井のお母さんが亡くなられたことでした。地元の方々には伝わっていたようで、弔問に来てくださりありがとうございました。
個人的なことなので、会社としてどうすれば正解なのかはわかりませんが、2014年から退職されていましたし、会社としては喪中とせずに新年を迎えるとこに致しました。

今思い返せば昨年の今頃から兆候はあったのかもしれません。「お正月のお料理、今年からなくてもいいかしら。お茶するだけで。」とお話があったのです。そうだよね、たくさんのお料理用意するの疲れちゃうますし、「わかりました。顔合わせられればいいので大丈夫です。」と伝え気にしていなかったのです。お元気でしたし。70代になれば、自然と行動もゆっくりになりますし、言い間違えもありますし、年齢的に自然なことだと思っていました。お化粧もされなくなりました。
できることとできないことが出てくるようになったとお話を聞いても、病気とは思わず、老化の一つで自然なことだと思っていました。
「お母さんがやっぱりちょっとおかしいんだよね。」とお父さんからお話があったのは8月頃でした。
認知症でしょうか、受診してみましょうとお話をしてから、実際に病院にかかるまでには時間が必要でした。「そうだね、じゃあ認知症外来に予約とって連れて行こうかな。」ととんとん拍子にはいかないのですね。当人同士が受け入れるまでに、症状の悪化など、次の決定的な事実が必要だったようです。
日常生活の自立が困難となり病院に受診に行くと、脳の難病という診断を受けました。早い人で余命1ヶ月の病気なのでそのつもりで生活したほうがいいですとのことでした。衝撃的でした。
在宅で一緒に過ごすために、地域包括支援センターの方に相談して介護認定を申請して、訪問看護・介護サービスの申し込みをしたり、色々な方々に動いていただきました。ありがとうございました。
サービスが受けられるまでの間は、弟さんご夫婦と自分達で手分けをして動いていきました。そして、担当の先生からお話にあった通り約1ヶ月後11月上旬に亡くなられてしまいました。73歳でした。介護申請の認定通知が来たのはその後でした。
あっという間の出来事で、心が追いつくまで間もなく次はお葬式・告別式、お墓を探さなくてはと悲しむ間も無くやらなければならないことの連続で、ご家族が亡くなられた方々のお気持ちがわかりました。とても忙しいのですね。
先日無事四十九日を終えることができて、ひと段落することができました。
会長も悲しみの中ひとりで動くことは年齢的にも無理なので、会社を留守にすることが多かったのですが、ノガミ君を始めスタッフのみんなが「大丈夫です。」と送り出してくれたので、とても助かりました。心強かったです。
会社は関係ないからと、ダイスケさんは手を止めることなく働き続けていました。お正月休みに入った今はお仏壇を作っています。「ダイスケ相変わらずね。」とお母さんも思われているでしょう。
思い返すと後悔することは色々とありますが、お母さんとの時間ができるわけではないですし、亡くなる時まで教えていただいたことを大事にして、過ごしていきたいと思います。

このような経緯で、あまりに急なことだったのでお伝えすることが追いつかず、日ごろお世話になっている皆様には失礼なことがあったかもしれません。何卒ご理解いただければと思います。
年末年始ご家族揃って過ごされる方々が多いことと思います。その時間を大切になさってくださいね。私もそうしたいと思います。

年末年始の休業期間のお知らせ

2021.12.25

私達は12月26日日曜日~1月5日水曜日の間、年末年始のお休みをいただきます。

家具やキッチンについてのご相談・お問い合わせ・キッチンカタログの請求・木製雑貨のご注文についてのメール・お電話等のお返事に関しましても、全て1月6日木曜日から順次対応させていただきます。ご了承ください。

皆様どうぞよろしくお願いいたします。

ブラックチェリーのウッドパーテーションの納品

2021.12.24

再び山梨へ。

前回倒壊してしまったウッドパーテーションを再加工して納品させて頂きました。

この構造がなかなか難しくて、それぞれの材をワイヤーでつないでいるのですが、1本1本をつないでいるわけではないので、緩みが集中してしまったりしてグラつきが取れなかったのです。

また、構造上フラットな板の状態から円柱状に可動させると、材のそれぞれが円の軌跡状に動くわけではないので、物理的に考えるとフラットな状態よりも円柱状にした時のほうがワイヤーの長さが必要になるはずなのに、反対にワイヤーが緩んでしまうのでした。

フラットな状態では自立しないので、当然波打った形状で自立させるのですが、その状態でワイヤーのテンションを掛けるとフラットな状態にした時に木やワイヤーにストレスがかかって破断しちゃう。

あれこれみんなで悩みまして、ワイヤーの端部にスプリングを装着することでテンションを調整できるようにして、さらにぐらつきを無くすため、そして目隠しのために両端部は稼働しないでその形のまま固定されたパーテーションを追加で作らせて頂くことに。

両端のS字とフラットなパネルだけはこの形のままで、それに挟まれたパーテーション部分はどのような形にも変形させられます。

作り慣れない形というのはいつも大変なのでございます。

これでかなりガッチリとしてかたちになりました。

良かったよかった。

最近も山梨県内で大きな地震がありました。寝室のパーテーションということで、寝ている時にグラつきがあっては危ないので、このような形に辿り着くことができてほっとしております。

Oさんにも「完璧ですね。」とお褒めの言葉を頂き胸を撫で下ろしたのです。

今回の納品の時に追加でご依頼頂いていたチェストも一緒にお持ちしました。

コンクリートでできた階段の下に合うように、ということでなかなか採寸が難しいところもありましたが、無事に設置完了。

ブラックウォールナットで作った三角形の引き出しなのです。

カバの講演台

2021.12.22

珍しい形を作らせて頂きました。

講演台です。ただ、ちょっと工夫があるのは高さが変わる講演台です。

カバの柾目材を使って五分ツヤで仕上げています。昇降装置をぎらぎらと見せたくなくて落ち着いた印象になるように仕上げたのです。

数年前まで娘が通う学校の役員をしていたものですから、こういう演題の前に立つと「次はPTA会長の言葉です。」と体育館の向こう端で司会をしている教頭先生の顔が浮かびます。

昔から人前で話すことなんて自分の性分ではないと思っていたのにいつの間にかそういう素晴らしい場所で子供たちに話ができる機会を得ていたことが懐かしくありがたく思い浮かびます。

だけどこういう演題の前に立つとやっぱりドキドキするのです。

校長先生たちは私よりも背丈がこじんまりした方が多かったので、そのあとに私が壇上に立つとちょっとマイクが低かったりして、それでももう右脚と右手が一緒に出ちゃうような状態なので、マイクの高さなんて変えられないものでして、ちょっと猫背になりながらバクバク心臓の音を聞きながら自分の声はきちんとみんなに届いているのだろうか、なんて思いながらお話したことを思い出すのです。

あの時話した言葉は今でもなかなか自分の中で好きな話でして、またまたここに載せてみます。

もし、興味があれば読んでもらえたらうれしいなあ。

2015年3月20日「今日は卒業式でした。

2019年3月12日「卒業式

2019年4月6日「入学式でした。

2020年3月11日「おめでとう、ハルカ。

すてきなかんじ

2021.12.21

そして工房に戻ると、この形ができあがっていました。

「どう?」とちょっと心配げに尋ねると、「いやあ、だいぶしっかりしました。」とみんなの心強い返事。

実は前回納品してしばらく使って頂いてたら倒れちゃったのです。

「中のワイヤーがちぎれてしまったので、見てもらえますか。」と言われて、中のワイヤーが見える?ってことは大きく壊れてしまったかな‥、と見に行くとやはり大きく壊れてしまっていたのでした。

ワイヤーのテンションを上げてもグラつきを完全に抑えることができなかった上にカーペット式の寝室でしたので、まずは使って頂きながら、という形で納品したのですがやっぱり倒れてしまいました。

あれから数日後に山梨県で大きな地震がありましたね。寝室で使うパーテーションですので、かえってすぐに壊れてしまって幸いだったのかもしれません・・。

そこで、どうやったら強度を上げられるかを再度みんなと頭を突き合わせながら考えまして、このような形になりました。

固定された両翼部分と、ワイヤーによりテンションを掛けられるような工夫をして、外から見えないけれど、内部はかなり手の込んだ構造になっていて、これでひと安心です。

あとはOさんが「美しい。」とおっしゃってくださった緩やかなカーブを描けるように明日再度検討して、いよいよあさって納品です。

良いクリスマスプレゼントになりますように。

今日も山梨

2021.12.21

実は昨日も山梨県まで出掛けておりました。

河口湖の南に新居を建てたHさんのところにキッチンを設置したのですが、オイル塗装はHさんご家族で、ということで塗装方法をお伝えに出かけていたのでした。

あちらは歩道にうっすら雪が積もっていて、須走からの道路は白んだ様子で、ところどころ陽が差さないあたりは凍結していましたね。

日曜日にアキコと二人でくたびれながらタイヤを変えておいた甲斐があるというものです。

まだ小さなお嬢さんも「てつだう!」って楽しそうに言っていたので、きっときれいに仕上がるでしょう。

引き出しの外し方、表面の研磨の方法、1回目と2回目の塗装の方法、引き出しの取り付け方をお伝えしてその日は戻ってきたのでした。

またお住まいになられてからご挨拶にお伺いしますね。

壁のタイルもこれからということで、すべてが納まるとどのような印象になるのか楽しみです。

そして、本日は笛吹川が流れる静かな町並みの中に建つOさんのところへ。

1年ちょっと振りですね。

お引越し後にお伺いできていなかったので、今日の機会を楽しみしておりました。とともに、やはり無垢材の動きが出て少しメンテナンスが必要になったので、そのお手入れも兼ねて、ぜひ一度拝見させて頂きたいと思っていたというアキコと二人で伺ってきました。

「節のある素材って、もっと荒々しく見えてしまうと思っていたけれど、こういう落ち着いた印象になるのはOさんのお人柄なのかも。」とアキコ。

そうね、暮らす人を家は表すものね。きっとそうなのだと思います。

お手入れ完了後にご主人がお茶を入れてくださいます。

週末はキッチンによく立つということで、いろいろとうれしそうに使い勝手を話してくださいました。

ちょうど昨年ショールームを改装し終わった頃にキッチンを見に来て下さった時もご主人お一人で来るくらい熱い思いがありましたものね。

どうにも無垢材は動きが出ますので、また何かあればいつでもご連絡くださいね。

今週は山梨県ウィーク。明後日もまたこの近くまでやってくるのです。

クリーム色のキッチン

2021.12.17

どうにか完了。

2階の腰高窓から搬入するという不安でずっとドキドキしておりまして、先日の市原のKさんもバルコニーでしたがその上に梁があるバルコニーでしたので、まるで今日のデモンストレーションのように感じていたのですが、やはり本番はひと味違うね。

お天気予報を眺めるとなるべく遅いスタートにしたいところでしたが、今日中に終わらせないといけないという難題を頂いていたので、お天気お姉さんが「通勤通学の時間帯はザアザアです。」なんて気持ちが沈む声を背中に受けながら、エエイ、なるようになるさということで、なるようになりました。

到着が早かったのが幸いして、目の前の道の渋滞が始まる前に荷下ろしだけ終えて、雨脚が強くなる中、ヒロセ君とコバヤシ君とで足場を部分的に崩しながらどうにか荷揚げ完了。

みんなびっしょりですが、無事に上がってよかったよかった。

間もなくやんじゃった雨を恨めしそうに眺めながらいよいよ作業開始。

「イマイさん、なるべくキッチンを今日から使わせてあげたいのです。」と監督のMさん。その考えはとてもすてきですが、まわりを後回しにしてキッチン周りだけ仕上げて頂いているおかげで、なかなか窮屈です。

まずはレンジフードから決めたところで、あとはヒロセ君とコバヤシ君にお任せです。

今月はコバヤシ君には7日間も手伝いに来てもらっていて、こうしてうちから出て行った後でもつながりが持てるのはとても心強い。

夕方から設備屋さんとガス屋さんが来るって言うのでなかなかタイトなスケジュールの中夕方無事に終えたという報告が入ってきました。

どうにか間に合って良かったよ。

今回は側面と背面は塗装で仕上げています。白というわけではなく、ベージュのようなくすんだホワイト。落ち着いた印象です。

もともとコストのこともあってメラミンで仕上げる予定でしたが、サイズがメラミンの規格以上になってしまったので、塗装で仕上げることにしたいのですが、角の印象が柔らかく仕上がるので、塗装にして正解でした。

そのため、分割して作るとつなぎ目が出ちゃって興ざめなので、一体で作ったところで搬入がなかなか大変だったのでした。

そのホワイトと取っ手のナラ材のバランスがとても良くて、またキッチンを使い始めた頃にお邪魔させて頂きますね。

ホワイトオークのI型キッチンとカウンター

2021.12.15

昨日と今日の二日間で市原のKさんの現場にキッチンを取り付けに出かけておりました。

今回は壁付けのキッチンとダイニングとキッチンを仕切るペニンシュラタイプの食器カウンターという組み合わせ。

設置自体は、ヒロセ君が工房で一度仮組しているので、順調に進むと思っておりますが、心配なのはお天気でした。

Kさんのキッチンは2階なのですが、階段からの搬入は難しそうだったので、バルコニーからの荷揚げになると考えていたのです。でも当日の予報はちょうど搬入する時間だけなぜか雨・・。私かワタナベ君かヒロセ君か、助っ人のコバヤシ君か、雨男が居るのかもしれない・・。

道中降ったりやんだり、遠くの空に青空が出ているのを恨めしそうに眺めながら、現場に到着したのでした。ある程度は濡れる想定で、ぐるぐると養生してきたのでいざ覚悟を決めて作業を始めましたら、うまい具合に雨が上がってくれて、一番大変だった食器カウンターもみんなで頭を悩ませ足場を部分的に崩して、と時間が掛かったのですが、雨に降られずに済んだのでした。

なぜ、食器カウンターが時間が掛かったのかというと、今回は大きさの割に分割しないで1本で作ったからなのです。いつもはこのくらいの大きさだといくつかに分けてキャビネットを作って、現地で組み立てていくのですが、今回バックパネルとサイドパネルが留で仕上がっているので、現場で組むよりも工房で固めてきた方がきれいに仕上がると踏んで1本にまとめてきたのです。

でも、そうなると冷蔵庫よりも大きいサイズですから、そのままじゃ上がらないもので、いろいろ頭をひねって、階下で荷物を受けているコバヤシ君に汗も垂れちゃったりしながら、どうにか無事に搬入を終えて、設置も完了することができたのでした。

キッチンに立つと、そのバルコニーから遠く田園が望める間取りはとても心地良いです。

完成した頃にまたご挨拶にお伺いさせて頂きますね。

コツコツと

2021.12.12

アキコが出がけ間際に撮ってくれたのね。

最近はいろいろと慌ただしくて、土日も工房を閉めておけないため、平日みんなが工房に居てくれる時に休みをもらうのですが、朝と晩はアイがご飯を待っているので、圏央道の下を走る静かな道を自転車に乗ったり、ジョギングしたりして出掛けるわけです。

ちょっとしたエクササイズですね。

それで昼前に一度家に戻ってくるのですが、我が家も2年半経つといろいろと手を加える部分も出てきたりします。

先日のタオル掛けのことのように、使ってみないと分からない部分っていろいろとあるのです。

キッチンの框扉なんて今年の夏でも相変わらず膨らんで召し合わせの部分が擦っていたので削り合わせたり、(ようやく最近落ち着いてきたかな。)洗面所のタイルの目地が少しだけ変色していた部分を削り取って目地を埋め直したり、寝室の建具は風通し良いようにと思って開けておくと、お互い反っちゃって動いて閉まりにくくなっちゃったり、玄関扉が重いからかラッチがかからなくなっちゃって、蝶番のビスを変えてみたり、階段の踏み板がパキッとなるようになったりと、シンプルで自然な素材がそのまま使われている作りは、使われている環境の影響をそのまま素直に表してくれるので、やはり手間暇を掛けながら一緒にこの場所に住んでいくのだなあと実感するのです。

でもそういう日々の機微が暮らしのおかしみや楽しみだったりして良いところも変なところも含めて暮らしているのだなあと思うのです。

皆さんの暮らしの中でもそういうことってあると思います。これは自分たちで手を加えられるなっていうことだけなら良いのですが、もし、これは困った、というようなことが出てきたら、いつでもご連絡頂ければと思います。

そうしてその間にアキコがベーコンとほうれん草で作ってくれたパスタを食べながら、「ちびっ子たちが居ない空間は静かだなあ。」とか「来年はレモンの実がなると良いね。」とか「タニシたちはどんどん増えていくよ。」なんて話をするわけです。

そうだ、メダカの水を変えなくては。

と、気が付けばそろそろ工房に戻る時間になってしまって、何気なく時間が過ぎていくのです。

でもね、毎日こういう時間だけではないですよ。

先日は、アキコとチアキとSOMPO美術館で巴水さんのすてきな旅の版画を見てきたり、ささやかな毎日なのです。

工房に戻ると、外に出ずっぱりのアイが「遅いよっ」って。

ごめんごめん。

ヌックのような

2021.12.11

今から4年前にキッチンを作らせて頂いたKさん。今回のご相談は、ちょっと変わった間取りの集合住宅でしたので、使い道が曖昧になっていたというこじんまりしたリビング。もともとはダイニングを想定して作られていたのでしょうか、コンパクトな空間なので、思い切ってヌックのような籠れる場所にしたいのです、ということでこのような空間が完成。

ソファのクッションは我が家と同じフジエテキスタイルさんの少し麻が入ったサラッとした触り心地の良い記事を使ってフジタケさんに張ってもらっています。お子さんが何かこぼしちゃっても良いようにカバーリングで縫製してもらって、汚れたらドライクリーニングできるようにしています。

ポイントとなるひじ掛けはさり気ないですが、とても良い印象です。

なかなか築年数の経つ集合住宅でしたので、床と壁の具合をうまく調整しながらの設置となりました。今日はコバヤシ君にも助っ人に入ってもらって、ノガミ君とヒロセ君の3人できれいに仕上げてくれたのです。

タモのアイランドキッチン

2021.12.11

先日お引渡が終わった阿佐ヶ谷のHさんのところに。

設計はオノデザインさんで、前回の「静かな午後」のOさんに続いてお声掛け頂いたのでした。

オノデザインさんの設計は外もうちも優しい印象で、使っている素材の温かさがよく分かるのですが、このHさんのお家は何というかかわいい。

語彙が貧しくていけないのですが、建物のファサードを見た途端に「なんてかわいいのだろう。」と独り言を言ってしまいました。

土のもこもこした外壁のちょっと奥まったところにある玄関がとてもファンタジックで、そこから左手を見ると小さな花や実が付いた植栽があって、こじんまりした通りの途中にある様がよく町に馴染んで見えたのです。

「あっ、イマイさんいらっしゃい。」って玄関からリビングに案内して頂くその道のりも、うーん、かわいい。

キッチンもとても丁寧に使ってくださっていて、心配していたバックパネルとサイドパネルの動きもまだあまり出ていないようです。

オイル塗装のお手入れの方法と、ステンレスのお手入れの方法、浄水器のカートリッジの交換方法などをご説明させて頂いて。

設計の齋藤さんたちもいらしてくださっていて、写真撮らせてください!ってお伝えしたら、3人で、「あらまあ、片づけなくちゃ。」って手を煩わせてしまってすみません。

おかげでHさんの暮らしの空気感がよく分かる写真になりました。

ありがとうございました。

タオル掛けその後

2021.12.11

アキコから前々に言われていたことがあって、小さなことなのですがようやく仕上げました。

以前に彼女が書いていた「タオル掛けの扉にカビが出ていないか確認しましょう。」以来、タオルはいつも洗面台の反対側の縁側に出る勝手口あたりに衣紋掛けに掛かってブラブラしていたのです。

手を拭いても、顔を洗ってもちょっとポタポタしながら拭いていたのでした。

終いには、使う時には隣に畳んで持ってきて、使い終わったら衣紋掛けに干すというなんだか遠回りした使い方になっていたのでした。

もともとキッチンのシンク下のオープンになったところで使う想定で、かなぐやさんに頼んで作ってもらっているこのきれいな形。どうしても洗面で生かしたいってなった時からカビのことは心配だったわけです。

「私ね、厚手のタオルを使っていたくて。うすいものなら扉に触れないのだけれどね。このかなぐやさんのタオル掛けをもっと出っ張らせることでできるかな。」そう言われていたのです。

皆さんの家具作りには気持ちを早めて臨むのですが自分のこととなると腰が重かったりするのですが、ようやくできあがり。

もともとかなぐやさんの取ってだと25ミリほどのクリアランスが確保できていたので、そこに20ミリの長さのナラ材を追加しましたので、これなら扉が湿めることは少ないかな。

今度かなぐやさんに相談してみようかなあ。

ベルタゾーニその後

2021.12.10

うっかり書き忘れておりました、ベルタゾーニのオーブンの件。

先日の月曜日にあらためてWさんのところにツナシマ商事の担当さんと一緒にお伺いしたのでした。

今回私たちも初めて導入しましたので、Wさんと一緒に詳しく拝聴。

すると、このオーブンはデザインがとても美しいのですが、使い勝手はとてもアナログというかシンプルでして、シンプルすぎて気が付かなかったなあという思いになったのでした。

そもそもこの機器は、オーブンを使い終わると自然と排熱のファンが止まってしまう仕組みで、止まっちゃうと庫内にこもった熱は排熱スペースからモワモワと上方に向けていくのです。そして、それが思った以上に熱くて、次第に操作ノブやその上の扉も熱くなっていく感じ。

「これだと、危なくないの?」って思ってしまうのも分かります。

それではどうするのかというと、予防するには調理が終わったら、扉を少し開けておくか、もしくは強制的に排熱ファンを回すことで熱がこもるのを防げるのだそうです。話を聞いてみると、「なるほど、それはそうかも。」と思うのですが、丁寧すぎるくらいの日本の家電に慣れていると面食らってしまうくらいシンプルで、私も気が付けなかったのでした・・。

失礼いたしました。

そのようなわけで無事に解決いたしまして、Wさんにすべてお引渡することができたのでした。

いろいろ勉強することばかりでございます。

取って

2021.12.05

白いキッチンって言われた時には、Aさんにとってどうやって私たちの作品らしさを感じてもらえるか悩んだのですが、Aさんの中にその答えはすでにあったのでした。

それが子の取っての印象。

私がむかし娘たちの机を作った時の様子を覚えていてくださって、「その取ってにしたいのです。」とおっしゃってくださったのです。

おかげさまでとても印象の良い形になりそうです。

「娘たちの机のはなし」

自分の机を自分で作る

子ども部屋が完成

学習机をきれいにしましょう。

ホワイトオークのL型キッチン

2021.12.02

またまた山梨県。先日パーテーションを納品したOさんのところから湖を挟んで反対側。

(実はパーテーションは可動部の調整が難しくて、またお伺いする予定があるのですが。)

そして、先日は笛吹市のOさんからもキッチンのメンテナンスの相談があって、中央フリーウェイが身近な毎日です。

今回のHさんのキッチンはL型でさらには両側に壁が立つというレイアウト。そうなると天板はそのまますんなり入らないのです。私はてっきりキャビネットを組んでしまうと天板が入らないだろうと踏んでいて先に天板を入れてから、それを宙に浮かせてその下でキャビネットを組んでいく予定で、さらにはシンク下にワイヤーシェルフが入るというちょっと変わったデザインなので、こういう難解な設置方法しかないと思っていたのですが、ノガミ君が

「多分こちら側はキャビネットを組んでしまっても搬入できるかもしれないです。」ということで工房で試してみたら、どうにかなりそう。

そのようなわけでノガミ君を筆頭にヒロセ君とサポートとして入ってくれたコバヤシ君の3人で作業に向かってもらいました。

作業は順調に進んで、その日のうちにおおかた設置が終わって、コバヤシ君とはそこで別れて二人はそのまま宿を取ってもらって、2日間かけて作業完了。

あとはクリスマスあたりにHさんに塗装をして頂いて終わる予定。

いろいろな形があるのです。

もっさりした質感

2021.11.30

昨日のWさんのスケッチ。

最初、平成さんからご相談頂いて室内の写真が届けられた時に、以前に雑誌で見たルドルフ・シンドラー邸のキッチンのような木や土のにおいが感じられるようなもっさりした感じになったらいいなあって思っていたのです。

石の天板がもっさりしていて、板の導管がそのままよく表れている感じというか・・。

Wさんとお話を進めるうちにもう少しカチッとした静かな姿になりましたが、昨日訪ねた時は、ハワイアンが流れていて、奥様もゆったりしたお話しぶりを聞いていて、静かなたたずまいというよりはこの場所全体がとても生き生きとして心躍るように感じたのでした。