お仏壇のオーダー「ブラックウォールナットのお仏壇」
2019.03.15
ご新居の建築に合わせて、製作を進めてきたお仏壇、閉めたお時の扉の印象と照明を隠している欄間の印象を合わせて、とても静かな形になりました。全体はブラックウォールナットを使っておりますが、背面のみセンを使って心象がさわやかになるようにと考えております。
さあ、まもなく納品です。
あとはかなぐやさんのつまみが届くのを待つばかり。
2019.03.15
ご新居の建築に合わせて、製作を進めてきたお仏壇、閉めたお時の扉の印象と照明を隠している欄間の印象を合わせて、とても静かな形になりました。全体はブラックウォールナットを使っておりますが、背面のみセンを使って心象がさわやかになるようにと考えております。
さあ、まもなく納品です。
あとはかなぐやさんのつまみが届くのを待つばかり。
2019.03.14
北鎌倉のHさんの現場を後にして、続いては長谷の大仏様の横を通り抜けて、材木座のTさんの現場に。
4月の頭にキッチンの設置に入らせて頂くのですが、カイ君に「扉の座掘りの位置はどうしましょうか。」と言われて、うっかり交換する扉の蝶番の位置を測っていなかったことに気づいて、現場に立ち寄らせて頂きました。
こちらも築30年(くらいだったかな)の板張りの趣ある住宅で、玄関を移動したり、バルコニーを回収したりする中で、キッチンも新しく作らせて頂いております。
皆さん作業中でしたので、ササっと寸法を測らせて頂いて、現場を後にします。
そのあとは、昨日急にご連絡を頂いて、今日、無事にお引渡しとなる逗子のSさんのところに伺うことに。この逗子のあたりはお客様が多く、歩いて数分のところに、ああ懐かしい「サイコロ」のNさんの家だ、後ろを振り返ると、昨年にキッチンを作らせて頂いたAさんの家だ、上を見上げると少し懐かしい「山の上の劇場」のMさんの家だ、などなど思い出深い町なのです。
Sさんのところにつくとちょうどお引渡しの説明の最中で、その中に私も混じって、キッチンの使い方や食洗機の使い方をご説明してきました。
本当は使い始めてからのほうが具体的なことを説明しやすいので、それに次回写真も撮らせて頂きたいので、お引越しされましたらお邪魔しますね。
その時が楽しみです。
と、皆さんにごあいさつした後に、加賀妻さんの事務所によって資料を渡して、無事に会社に戻ってまいりました。
忙しいなあって思うけれど、こうして皆さんとのつながりがあって今があるので、大変ですがうれしい毎日です。
気づきづらいかもしれないけれど、日々をきちんと過ごせることがそれだけで十分幸せなのです。
2019.03.14
今日はなかなか忙しい一日となりました。
ヴィンテージの家具を取り扱うHさんとHさんと私たちをつないでくださった岩淵さんとで、あれこれ考えてできたキッチンの設置工事でした。
Hさんのイメージとしては、「ルドルフ・シンドラー邸のキッチンのような印象を持たせたいのです。」というお話で、初めて見る柔らかく温かみのあるキッチンの写真を参考に、夜のデニーズでおじさん3人であれこれ思いを巡らせてできあがった形です。
まだ、ここからオーブンや洗濯機や壁付けの水栓がつくので、雰囲気はぐっと変わってくるはず。壁も塗られてくるとこの空間が一気にHさんのカラーになってくるのでしょうから、その時が楽しみです。
この建物自体も黒川紀章さんのお弟子さんが設計された住宅ですので、キッチンの雰囲気に負けずにとても魅力的な空間なのです。
次回はこのキッチンにオイルフィニッシュの方法をお伝えするときにお邪魔します。
楽しみにしております。
私は、コバヤシ君、ノガミ君、ワタナベ君の3人に作業を託して、先に出発します。
2019.03.12
屋根から滴り落ちてくる雨粒の様子が見られるというのもよいものです。
ここからの眺めが想像以上に気持ちよくて、子供達には良い場所になってくれるかな。
いろいろ考えてくださる福原さんや、とても丁寧に仕事をしてくださる近藤さんやみなさんのおかげで、少しずつ形になってきました。
大変ご苦労されていることと思いますが、とても楽しみです。
2019.03.12
そうですね、昨日は卒業式でした。
壁がビュウビュウ、雨がザアザアと、晴れの舞台にはなかなか厳しい朝を迎えたのでした。
でもね、式が始まる5分前くらいには、体育館の隙間から見える空が青くなっていくのが分かりました。
それに伴ってお日様が顔を出すと、体育館の天井がパチパチ鳴り出しました。一緒にみんなを祝ってくれているのかい。
あいさつが苦手な私でも、みんなに伝えたいなって思っていることはあるわけで、一夜漬けで頭のなかに擦り込んだ言葉たちは、天井のパチパチとともに見事に頭から抜けていったのでした・・。
私が今年この役目を任された時は、節目のあいさつにはそれぞれテーマを考えておりました。
「感謝」「本当のこと」「コミュニケーション」です。
体育祭では、言葉が回りませんでしたが、どうにか感謝を伝えることができたのではないかと思っております。もし、興味がありましたら9月16日の記事を読んでくださいね。
卒業式では、これから大きくなっていく子供たちに「本当のこと」を忘れないでほしいなっていうことを伝えたかったのです。
そのお話。
・・・「モモ」の中に出てくる時間どろぼうは皆さんご存知でしょうか。
町の人たちをあれこれ説き伏せては、時間の無駄をなくして、もっと自分の時間に余裕を作ろうと吹き込む人たちです。
「無駄な話はしない」「つまらないお稽古事はしない」「物思いにふけらない」ほかにもいろいろ吹き込んでいきます。
「こういうことに使った時間を節約すれば、もっと将来の時間に余裕が生まれますよ。」、時間どろぼうはそういいます。
その話を聞いた住民たちは、自分たちはなんて無駄に時間を過ごしていたのだって思いこんでしまうのです。これだけの時間があればこんなことができたのに・・。
このこんなことはいつの間にか忘れ去られてしまって、ひたすらみんなは時間を貯めることだけを考えるようになってしまうのでした。
毎日、機械的に画一的に物事をこなしていくうちに、町からは笑い声がなくなり、みんなどこか不機嫌でくたびれた、とげとげしい目つきをした怒りっぽい顔になっていってしまうのです。
でも、最後にはモモがみんなの時間を取り戻してくれて良い結果になるのですが、私はこれを読んでこう思ったのです。
「時間の余裕を作るのはよいことだと思うのですが、時間の余裕を作ることだけに満足してしまって、その時間を何に使いたかったのかを忘れてしまってはいけないって。」
これは時間以外にも当てはまるのではないかって思うのです。
例えば、勉強だって、良い点を取るために勉強するのではなくて、その勉強で得た知識を使って世の中でどのように活躍したいのか。
例えば、この先就職したら、もちろんお給料をもらうために頑張って働くのだけれど、そのお給料でもらったお金で何を成し遂げたいのか、もしくはその仕事をすることで身に着けた技術で自分に何ができるのか。
時間を節約して余裕を作ることも、テストで良い点を取ることも、たくさんお金を稼ぐことも、それだけで満足するのではなくって、それが最終目標ではなくって、それらは自分が目指した夢を実現させるための目標のひとつなのだってことを、みんなが大きくなっても忘れずにいてほしいなって思います。
そして、もしこの先自分が立ち止まってしまいそうなときは、自分が考えていた目標を思い出して、この先の夢に近づくことができるように少しずつ前に進んでいってほしいと思います・・。
そんなお話をさせて頂いたのですが、やっぱりいまだに人前で話すことが苦手なものでして、この話の5ミリも伝えられたかどうだかわかりません。
でも、帰る道すがら、幾人かの皆さんにまたモモが読みたくなりましたって言ってもらえたのでよかったのかな。
会場の後ろで座っていた2年生のハルカも「うん、よかったと思うよ。」と言ってもらえたのでマル。
2019.03.09
今回作らせて頂いたのは、オール無垢材のベッドです。
部材は全部で20個あり、部材総数は180本もあるので、製材するのも多くの時間がかかりました。
フレームはSさんのご要望というホワイトアッシュを使い、スノコ部分はバスウッドで製作しています。
そのフレームの組み立てにはフェスツールのドミノジョイントと、ラメロのビスケットジョイントを併用しています。
ベッド自体が大きなものなので、ジョイント加工をした後のクランプを使って接着、圧締しての組立作業にはかなりの場所が必要になるため、この工房で効率良く5人が作業できる工程や動線を考えながらの作業はいろいろ悩むところがありました。
そして、その接着の部分ですが、フレームの上に載せる幅の広い3枚接ぎの天板の接ぎ合わせにはビスケットジョイントを使っています。
フレーム同士の接合でほぞ組が必要となる部分には、今回はかなりガッチリ効かせることができるドミノジョイントで組み立てて、フレームと天板は現地まで分割して運べるようにフレームとビスにて固定する形にしています。
本当でしたら、天板もフレームも固めてしまいたかったのですが、社長から今回の搬入が2階への荷揚げになると聞いていたので、すべて組んでしまうとかなりの重量になってしまうこともあり、分割できるようにしました。
複雑な部分も多く最初は不安もありましたが、無事に完成したので安心しました。
納品も何事もなく終わり、S様にも喜んで頂けて良かったです。
2019.03.06
今年に入っていろいろなクリエイティブな皆さんからお声掛け頂く機会が多くて、楽しみでありますが、大変緊張している毎日です。
そのようななか、先日設置させて頂いたリビングの家具を拝見させて頂くために久しぶりにSさんにお会いしてきたのです。
残念ながらご主人はお仕事でお会いできませんでしたが、奥様とお話ししてゆったりとした気持ちを頂いてきました。
1年半前に食器棚を作らせて頂いたのが始まりですが、それまでにいろいろなメーカーの家具を見て回ったのだそうですが、微妙にサイズや仕上げがしっくりこなくて、探すことに疲れてしまっていたのだということでした。
そういう時にお声掛けくださったのですが、そのせいか、そこかしこにいろいろなものが置かれていて、そのものの色でこの場所全体がにぎやかになっている印象を受けたのです。
それから、食器棚と今回のリビングの家具が置かれてひと段落したのですが、あの時の印象と比べると大きく変わりました。
形と色がまとまることでキッチンとリビングの住み分けができて、この大きなひとつの空間にメリハリが出てとても表情豊かになったのでした。
ありがとうございました、Sさん。
またご主人ともお会いできる時を楽しみにしております。
2019.03.06
1月、2月と作りためていた家具の設置工事が今月になってバタバタと動き出します。
まずは、平成建設さんの現場で熱海に来ております。
ちょっと変わったキッチンで、モールテックスという左官塗材で仕上げるのです。
以前にも何度か「モールテックス仕上げのキッチンはできますか。」という相談を頂いたことがあります。
最近はキッチンの仕上げでモールテックスという言葉を聞くので、私たち家具屋でもできるものだと思われそうですが、残念ながら今のところ私たちは行なっておりません。
講習を受ければ誰にでもできる施工方法なのかもしれないですし、そういうふうに仕上がっているところも見たことがありますが、やっぱり左官屋さんが培ってきた技術と比べると、仕上がりは違うのです。
手の跡が残る良い仕事というのは、その技術的な下地があってこそきちんとした手の跡が残せるものですから、にわかに覚えた技術を披露して手の跡を残すと言うのは、本当に手の跡が残っちゃっうわけですからなかなか覚悟がいるわけです。
例えば、よし、車の免許を取ろうと思うわけです。免許さえ取れれば、運転はきっとうまくなっているはずって、なぜかそう思ってしまうことってあるのです。
でも、実際車の免許を取っても、F1レーサーのように車の運転に精通した達人になっているわけはなく、それがようやくスタート地点でして、きちんと道路に出て繰り返し運転をすることで少しずつ技術が上達していくわけです。
お施主さんが自分たちで施工して、塗りムラが出たり、凸凹になるのはよいのです。それこそ手の跡であって、その人の表情ですので。
私たちが行なうということは、そのお金を頂いて仕事をさせて頂くことですので、やはり半端に引き受けるのは怖いのですが、話が飛んで先日オービタルサンダーを使って、自分でステンレスに表情をつけてみたのです。やれ何番のやすりだとどうなる、何番だとこうなる、なんて試していたら、やっぱり物を作るって楽しいよねっていう思いをあらためて覚えまして。そのようなわけで、よい伝達者さんのもとで学ばせて頂く機会や時間がありましたら、いつか試してみたいなあと思うのです。
2019.03.04
「ねぇ、すみませんっていうのやめてよ。」
いつもより少し強い口調で母から言われたのです。
2人の娘の成長を祝うべき日なのに、今年は引っ越しでお雛様を飾ることができず。
ひな祭り当日もハルカのテストと部活の送り迎えに付きっきりで、まったく何もできなかったのです。
でも実家に帰ると、4人用のダイニングテーブルの上いっぱいに6人分の美味しそうなお祝いの夕ご飯ができていました、
「チイちゃんと一緒に作ったのよ。」と。
なんてありがたいことなのだろう。
実家に来てからできていないことばかりで、甘えてしまっている現実が情けないと思うことばかり。
自分では言ってるつもりはなかったのですが、思いが口から出ていたようです。
「何も謝るようなことはないでしょう。あなたはこどもの世話をしているのだし、できる人がやればいいことなのだから。すみませんって、言われるの嫌なのだけど。」
母に注意されましたが、久しぶりで、懐かしくて、なんだかうれしかったのです。
状況は考えずに、家族6人がそろってお祝いの日が迎えられたことを喜ぼうと思いました。
私にとっては特別で幸せな桃の節句になりました。
これからは、「ありがとう。」と言おうと思います。
2019.03.01
「よし、庭でご飯を食べたい。」と思い立ってから動きだした家つくりですが、設計をしてくれる古い友人である福原さんと一緒に建ててくれるところを探していた施工会社さんが急に請けてもらうことが難しくなってしまったのが昨年の7月。
おぉ、この16年を暮らした思い出深いこの場所を手放すことはすでに2月末で決まっているのに、どうしましょう。
そのように困っていたところを助けてくださったのが、加賀妻工務店さんでした。
以前に数回お仕事で関わらせてもらっていて、いつか家具を作らせてもらいたいなあと思っていた工務店さんでしたので、とてもうれしくてドキドキしながらお願いの電話をしておりました。
だって「自社設計」と謳っている工務店さんに他の設計士さんで家を建てたいとは言いづらい部分がありましたので。
快く引き受けてくださったのですが、やっぱりそのころからでは、この場所を出ていく時期には間に合わなくって。
特に福原さんの設計ですので。(笑)
3月からの約2ヶ月間は、レンタルスペースを借りて荷物の保管して実家に居候をさせてもらいつつ、近くに駐車場を借りて車と電車の二便に分かれてハルとチィは少し距離のあるところからの通学・・・。
ふーっ・・・。
お家作りっていろいろあるものですね。
家族みんなで頑張って乗り切りたいと思います。
2019.02.23
Nさんのリビングボードの製作を担当しました。
今回吊戸棚にはフリーストップステーという金物を使用しています。今までは、ソフトダウンステーと言って、開けた時は90度でストップして、閉める時は扉から手を離すとゆっくりと自然と閉まる金物を使っていたのですが、このゆっくりしまう動作が行なわれるためにステーの閉まる側にバネが入っているのです。家具を使われるお客さんは女性が多いからか、最初の開ける時にそのバネの重さがストレスになってしまう(毎日の開け閉めで腕が疲れるということでした。)、という話を社長からよく聞いていて、今回はその代替案として、(というかこちらをこれからはメインに使っていくそうです。)フリーストップステーが採用されています。
これは、開ける時はかなり細かく多段階で開けておけて、閉める時は最後まで自分の手で閉める必要がありますが、動作も軽くストレスがほとんどくなく使えるステーなのです。
今回可動範囲を社長がちょっと見落としていたようで、ステーの可動方法を確認したところ、一番上のダボ穴に干渉してしまう事が分かったので一段減らして製作しました。
「すみません・・。」(イマイダイスケ)
フラットな引き戸は、最近取り入れた手掛けの見せ方をしています。突板で作る引き戸なので手掛けの部分を掘り込むとランバーが出てきてしまうため、無垢を埋め込むようにするのですが、その無垢があまり目立たないように見せる納め方です。
以前、ここに居たオークアレイの村上さんと社長であれこれ悩みながら決めた方法だそうです。
格子の引き戸はほぞ組みで製作して、手掛けを突板の引き戸と揃えて、戸車も注意しながら仕込んでいます。戸車ですが、今回のように比較的大きな引き戸になる時は戸の下に車をつけることが多いです。
動きがかなり軽くなりますので。そして、通常はこの戸車のために家具の地板にアルミのレールを埋めるのですが、今回のNさんのように木の持つ表情を生かす仕上げの時はレールは使わないで、無垢材をそのまま掘り込んで敷居にしています。
比較的堅い木を使って作ることが多い家具ですので、(今回のナラも堅いです。)敷居がすり減ることもないですし、印象もかなりすっきりします。
中段の棚は、配線の取り回しがしやすいように、ひな壇で隠れる部分を開口としました。
このひな壇がなぜあるのかというと、今回は家具を新しくするだけで仕上げたかったので、以前既存の家具がついていた時の壁の下地が出てしまうということで、その部分を隠すためのデザインだそうです。
また、ひな壇の延長のように見える両端のサイドパネルは、壁の両端にぴったりとついています。そのままスムーズに設置できれば一番なのですが、通常は壁にも動きがあるので、多少の逃げが必要です。そこで仕上がりでは21㎜厚に見せる部分を、現場で入らなかった時加工ができるようにパネル自体を18㎜で作って、木口部分だけ21mmにみせて3mmの削り代を作っておく形で、現場の歪みに対応しました。
形が複雑で細かい加工も多かったのですが、無事に形になって良かったです。
2019.02.23
今回の家具は、既存の家具を取り外して、そこに新しい家具を納めるというものでした。
窓枠に合わせて柱を立てたり壁から出ているガス管の位置を開口にしたりと、ちょっとしたリフォームのような感じでしたので、思うように形にしやすい新築と違って、その設置場所の状況に合わせる加工も多く、取付がうまくいくのか心配なところもありました。
実際に取付に行くとやはり細かい調整も必要で、まずは既存の家具を解体することに少し手間取ってしまいました。私たちが作る家具は、基本的にあとからお部屋に付けることが多いため、何かあった時も取り外せるように作っています。お引越しで家具を持っていきたいってお客様もいらっしゃいましたし。でも一般的に造り付け家具となると、その言葉通りに造り付けてしまっていることが多く、今回のNさんのこの家具もどこのビスを外せば家具が取り外せるのかがが分かりづらくて、実際には仕上げ材をはがさないとビスが出てこない部分もあったりして、この場所で組み立てて、この場所で仕上げたのだということがよく分かりました。ですので、外すためには玄能で叩いて仕上げ材をはがして壊さなければ外せなくて、少し淋しくなる作業を繰り返しながら解体していったのでした。
そして、いよいよ新しい家具の据え付けですが、今回は壁がS1工法(というのだそうです。)といって、コンクリートに直接断熱材のスタイロフォームが貼られている構造でしたので、家具を固定する下地を作らなければならず、また、壁と床の水平垂直が出にくい部分があったりして、組み上げては微調整をするために下ろして、という作業を繰り返しまして、だいぶ時間はかかってしまってNさんには遅くまで気を使わせてしまったのですが、どうにか無事にきれいに納めることができました。
今回のダイニングの家具設置の5日後には、リビングボードの取付があって実際に使用し始めたダイニングボードの様子を見ることができたのですが、まるで以前からそこにあったかのようにNさんの家や生活に馴染んでいるように見えて、うれしく思いました。
2019.02.20
昨晩、NHKのEテレ「趣味どきっ!」という番組で、建築家 中村好文さんが考える台所の形が紹介されていました。
無駄のないシンプルな形ですてきだったのですが、何よりも、建築家さん自身が、「これが使いやすいんですよ。」とお話されながらお料理をする姿はとてもすてきで、説得力があるなと思いました。
ちなみに、イマイダイスケも時間があるときはお料理をしてくれます。彼が作るハンバーグとマカロニサラダはおいしいです。
大きすぎるだろうというサイズ感と、ちょっと焦げてる玉ねぎの香ばしさと、塩抜きしたキュウリと玉ねぎが「水絞りすぎなのでは…」という位シナシナでマヨネーズたっぷりなのがポイントです。(笑)
写真はMさんのキッチンです。Mさんご夫妻もとてもお料理が上手な方々で、中村さんのように引き出しにお皿を立てて入れる形を考えられていました。
「残念。見逃してしまったよ!」という方は、再放送があるそうです。 → こちら
2019.02.18
先日、設置が終わったNさんのところにお邪魔してきました。あのあと、奥様から「イマイさん、すみません・・。うっかりコーキングしてくれた部分を触ってしまって・・。」ということで、コーキングの道具とカメラも持って伺ってきました。朝はあんなに寒かったのに日がきちんと差し込む十時にもなると、この山あいの静かな通りも春の風が吹き抜けるような気持ちの良い時期になりましたね。
「おはようございます、Nさん。」
ご主人もお休みの本日はちょうど洗車をされていたのでした。
「あっ、イマイさん。おはようございます。」Nさんとお話ししていると、近所のお兄さんと話しているような親近感を覚えます。心地よい日です。
コーキングはどうやら少し乾き始めていた時に触れてしまったようで、すこしボコボコとなっていましたが、上から新たにクリアを盛り付けて、鉄定規でしごくと(私たちはへらを使わないで鉄定規を使うことが多いのです。)きれいになりました。大掛かりにならなくてひと安心。
「それでは、写真を撮らせてくださいね。」
と一人パシャパシャとやっていると、「イマイさん、この家具の中で鳴らす音がとても良い具合なんです。」と、前回打ち合わせの時に見せて頂いていたご友人が製作されているというスピーカーを鳴らしてくださいました。
タグチクラフテックさんの「LITTLE BEL」という無指向性スピーカーで、うまい具合に家具も鳴っているようでして、音がとても良く伸びて、この小さなユニットから出ているとは思えないほど豊かに音が流れています。
振り返るとコのリビングの家具と向かい合うのがダイニングの家具で、Nさんとも話していたのですが、収納のボリュームの割に部屋が重く感じなくて、かえって明るく見えるのでした。
「イマイさん、ここも良くてね。」とご主人が宙に浮いた棚の奥のブラインドを開けてくれました。
「この向こうに少し背の高い緑を置きたいなって思っているのです。」と奥様。
なるほど、窓越しに気持ち良い色が入ってくるのか。
今回は、既存の家具の解体から行なわせて頂いて、他に内装工事の方々を呼ぶことなしに私たちだけできれいに工事を終えなければいけなかったので、いつものように家具を作るだけではないため、それなりに緊張した内容ではありましたが、まるで今差し込んでいる暖かな日差しのようにNさんご家族のおおらかな気持ちを頂いて、とても気分よく仕事をさせて頂けました。
おかげさまでとても良い空間になりましたし、これからももっともっと良い場所になっていくはずで、それをまた見させて頂ける日が楽しみなのです。
写真たちは、今回いくつか珍しい納めかたをした部分の写真です。
写真を撮りながら、Nさんにいろいろと難しかった部分などご説明。
「そうなっているのでしたか。いやあ、僕はね、ここはすごいなって気づいていたんだよ。」とご主人がうれしそうに奥様に。
「夜一人でお酒飲みながら、ここはどうなっているんだろうってね。」
「へえ~。」って奥様もうれしそう。
2019.02.17
本日は午前と午後で2組のお客様が新しい暮らしに合わせたキッチンのご相談に来てくださいました。
皆様も同じようにお家づくりをされているのだなと思うと、より近く感じられて、「お互いに頑張りましょうね。」という気持ちでコーヒーを入れさせていただきました。
こんな機会もないですから、私達のお家づくりのお話を少しづつ書かせていただこうと思います。
今の住居はマンションです。(写真は暮らし始めた頃の子供が生まれる前の我が家のインテリア。家電に時代を感じますね。笑)
結婚当初は賃貸アパートに住んでいて、家賃と同じくらいの負担で新築のマンションはないかな?と探し、約1年後今の場所に引っ越しました。
この場所を選んだ理由は、お互いの実家のちょうど真ん中辺りの地域だからということ。
この家を選んだのは、当時私は電車通勤で看護師をしていたので、通勤に便利な場所に建っていることという点で選びました。
今年で、17年目。
2人の娘に恵まれて、こども達も1日中出かけても自分の足で歩けるようになってきたところで、ふと考えたのです。
これからの自分たちの生活はどうなっていくのだろう。
今のペースで仕事をしていけるのは何歳までだろう。
向こう10年は今のペースでやっていけるのかな、皆様から声がかかる限りはやってゆきたい。
キッチンを作り始めて14年目。オーダーキッチンを作る家具屋も珍しくなくなってきました。その後は違う形を取らなくてはならないかもしれないし、そうせざるおえなくなるのかもしれない…。
そうやっていろいろ考えた時に、家を建てるのは今かもしれないと考え始めました。
家を建てる。
どこに、誰に、建ててもらいたいのか。
どんな家がいいのか?
昨年のお正月頃に色々考え始めたのです。
みんなで意見を出し合いました。
すると、
「庭が欲しいな。庭ができないなら、引っ越さなくてもいいと思ってる。」とダイスケさん。
そんな思いがあったなんて今まで知りませんでした。そして、
「学生の頃からずっと夢に思っていたから、福原さんに建ててもらいたい。この2つが叶わないなら家は建てなくてもいいと思っている。」
そこまで言うのなら、その条件に合う土地を探さなくてはね。
ハルとチイにも聞きました。
「どこでもいいけど、学校が変わるのは嫌だ。」
そりゃそうだ。お父さんとお母さんだって、幼稚園・小学校・中学校で、やっと地域のことがわかり始めて、この地域の先輩方とお父さん・お母さん達とつながりができた。できることなら繋がっていたい。
学区内でお庭が取れそうな、建築条件のない場所、できれば、駅からあまり遠くない場所で、と言う条件で、私たちの土地探しが始まりました。
(不定期更新で続きます…。)
2019.02.16
「こんなに気使って書いて読んでもらえてなかったら、超悲しいんだけど。」
先日、幼稚園へ職場体験に行った長女ハルが、家でお礼状の手紙を書きながら呟いていました。学校から書き方の指導があるようで、それを見ながら書いていました。
そうだね、ちゃんと受け取ってスタッフのみんなで読んでいるよって伝えなきゃね。
今までうちに職場体験に来てくれた子達から届いたお礼状などは全て目を通して取ってあります。
みんなからいただいた感想から次に来る機会があったらこうしていこう、こういうことを伝えようと、と参考にしています。
生徒の立場からの意見はみんなにしか書けないからことだからとても貴重なのです。(私たちの良くない部分もあるだろうけど、みんないいことしか書かないからね。書けないね。本当はそこが知りたいけど。笑)
中には、職場体験を新聞にしてグループ発表する学校もあるようで、そのまま求人票にしたいくらいに書き込まれていてちゃんと見ていてくれたのだなと、うれしかったです。
職場体験に来てくれて、お礼状を書いてくれてありがとう。
「自分の将来進む方向が決まったような感じがしたのでよかったです。いい体験ができました。」という言葉が聞けてがうれしかったです。
そう、「ような感じ」でいいのです。
2019.02.13
木曜日は習い事があって友チョコが渡せない、でも渡したい。という次女チイ。
(長女ハルもう一人で勝手に作れるので。)水曜日と金曜日にお友達に渡したいということで、昨晩ブラウニーを焼いておいて、今日の放課後、ラッピングをしてお友達に渡しに行きました。
私「男の子で、渡したいなって思う子はいないの。」
チイ「いなーい。」
私「チイはどんな子が好きなのだろうね。」
チイ「…お父さんみたいに優しい感じの人がいいな。」
あら。
私「でも、怒ると超恐いよ。おかあさんより恐いよ。」
チイ「…うん。」
そんなの知ってるか。変なやきもちを妬いてしまった。よかったね、おとうさん。
端っこのブラウニーが今日のおやつ、外はザクザク中しっとりでおいしい。
上手に作れたね、チイ。喜んでもらえたらいいね。
2019.02.12
キッチンもいよいよ組みあがってきました。トップはバイブレーションで、表面に見えてくる素材は背面収納と同じくシナとバスウッド。
そして、かなぐやさんのつまみがこの扉にはよく合いそうです。
2019.02.09
今回製作させて頂いたテーブルの一番の特長は、脚がテーパーがついていて上から下にかけて先細りになっている形状です。
製作に取り掛かる前にその意図を聞いたのですが、いつもはテーパーを付ける形の場合は、脚と幕板を面一(ツライチ=平らにすること)にすることが多いのですが、今回はお客様のイメージもあって、脚だけがすっきり見えるような形にしたい、のだそうです。
そこで、今回は幕板を脚よりも少し内側に入れることで脚だけが強調するような形にして、さらにはそのテーパーの加工を脚の上端まで、すなわち天板にくっつく部分まで傾斜させたいということでした。
面一にする場合は、脚と幕板をくっつける導突部分は90度の加工でよいのですが、今回の形の場合は幕板の導突部もその傾斜角度に合わせています。
その加工が、通常道突部分は一つの寸法が決まっていればぐるっと加工ができるのですが、傾斜がある場合は、1面ずつ鋸を入れる角度が違ってくるので、ひと手間があり気を使う部分でした。
脚部と幕板をつなぐ四隅は、いつものように隅木で固定してテーブル全体の歪みを防止をして安定性を確保しております。
また、幕板の内側各所に、天板を木駒で固定するための差込用穴の加工をして、その穴に用意した木駒を差し込んで天板を固定する仕組みにしています。これは、天板の伸縮に対応しやすくするための細工で、差込穴と木駒とのクリアランスをとることで季節によって動く天板にストレスを与えないようにしています。
また、細かいディテールとしては、天板は角を10アールで丸くして、天板、脚部共に45度で面寸法3ミリの面取り加工をしています。
なんとなく、少し前のiPhoneのディーテールに近いという感じでしょうか。
2019.02.08
自邸の家具が少しずつ形になってきました。
シナとバスウッドを使った背面収納です。その自邸の確認のために福原さんとかなぐやの太田さんも本日いらしてくださいました。
遠路はるばる訪ねてくださってありがとうございました。
福原さんとかなぐやさんもよくよく聞くとお仕事でのつながりがあったりして、うれしく狭い世の中です。
真鍮の可能性のお話しと福原さんが手がける形の確認をして、すこしずつ我が家が前に進んでいくのが分かります。
ここでは、皆さんに実生活の様子を見て頂きながら、私たちの家具のかたちを見てもらえるような場所にしていきたいのです。
そのためには、私の愛すべき人たちの協力が必要なのです。
2019.02.08
先日、お引越しが終わったというNさんのところにようやくナラ板目材を使った円卓を届けることができました。
肘掛椅子がきちんと入るように足が5本足になっているのが、少し変わった形となっています。
これからNさんがオイルで塗装をして頂いたら完成。
残るは同じくナラ板目の無垢材を使って作った背面収納の扉と引き出しを取り付けるのみ。
大工さんが作った箱に扉と引き出しをつけるのです。
2019.02.07
懐かしく趣のある集合住宅。Kさんのリノベーションはそういうすてきな場所。近くの小道には映画館があって海も波音が聞こえるくらいすぐそばにあって逗子は豊かな場所。
節のあるナラ材を使ったキッチンとアイランドカウンターも表情豊かに仕上がりました。
アイランドカウンターの天板だけは節のある材だと、汚れやゴミがたまっちゃうので、きれいな表情のナラ板目材を使っています。
これからタイルが張られて、低い天井用のレンジフードがついたら完成。
これから陽気が少しずつ良くなってきますね。
2019.02.06
先週に引き続き、本日はNさんのリビングの家具の設置工事です。
前回のダイニングはノガミ君が担当して、今回のリビングはコバヤシ君が担当。
前回の経験を踏まえて、コバヤシ君の用意周到な準備のおかげで、雨模様で作業がしづらい日ではありましたが、古い家具の解体は順調に終わり、設置のほうも予定していたよりもスムーズに進んだのでした。
不思議な形をしているのには訳がありますが、それは今度また別のところでお話ししましょうね。
明日は残作業として、コバヤシ君とワタナベ君とで家具と壁のすき間を塞いだら、作業は完了の予定。
並行してカナイ君、ノガミ君、カイ君は逗子のKさんのところにキッチンの設置に行く予定。私は、根岸の馬の博物館へ今年の作業の打ち合わせ。
みんなで頑張るのです。
2019.02.05
4年前に、ご縁があって蔦谷好位置さんから音響用の基材やレコードを収納する棚をご依頼頂いたのでした。
「この度、この家具を場所を移して使いたいです。」ということで、あのスタジオからはそのままだと搬出できない形でしたので、その移設のお手伝いをしてきました。
棚と一緒に当時お渡ししたあの合板!もきちんと飾ってくださっていて、うれしいではありませんか。
物つくりの大切さを教えてくれた良い時間を思い出しました。