ナラの節アリ材とシーザーストーンを使ったキッチン

2016.08.04

2016080400220160804003続いて本日は鎌倉の笹目町。
バックパネルの扉のナラの使い方と珍しく白いシーザーストーンが印象的なセパレートのOさんのキッチン。icaaさんからご依頼頂いたキッチンです。

海岸線は夏真っ盛りだし、すぐそばは長谷の大仏様がいらっしゃるし、2階のアクセスはどうなっているか分からない部分があるし、といろんな不安を抱えながら出発。まだ車は思ったほど混みあっていなくて、2階へも階段のスペースが広かったから、無事屋内から搬入できてひと安心。シーザーストーンはほぼ天然石に近いので、やたら重いのです。もし、ロープでで荷揚げだったらもっと大変だったでしょう。
それでも、Tシャツと手拭いをぎゅっと絞ると、バシャバシャ汗が垂れるくらい。
ばてないようにしないとね。
搬入と段取りを終えて、あとは製作を担当したコバヤシ君に監督をしてもらって、ノガミ君、ナカガワ君、カイ君と一緒に設置に入り、私は一足先に会社に戻ります。
会社では、先に夏季休暇を取っていたカナイ君が今日から仕事に戻って、日取り黙々と作業をしておりました。
みんながこうして頑張ってくれるおかげで、いろいろな皆さんからお声掛け頂けているのです。
ありがたいです。
今週はあとひと現場あって、ちょっと遠い沼津です。
そして、来週は逗子と鎌倉と藤沢。

ヤバいぜ、ぶっ倒れないようにしないと。

クルミのキッチン

2016.08.03

お施主さんでもあり、建築士さんでもあり、監督さんでもあるYさんのクルミのキッチン。しばらく、ショールームのちびっ子部屋に保管しておりましたが、本日ようやく設置できました!
今月下旬には器具付けして完成した姿が見せられる予定。
楽しみです。
さて、今週から逗子、鎌倉と立て続けにキッチンの設置工事が始まります。お天気も良さそうだし頑張ります!

31年目

2016.08.02

今年の8月で私たちフリーハンドイマイは、父が一人で始めた「フリーハンド・イマイ」から30周年を迎えました。(会社になったのはそれからしばらく経ってからのこと。)
また、昔に書いたお話を長々書きましょう。興味がある人は読んでもらえたらうれしいです。

私がこの仕事を手伝い始めたのが19歳になった冬でした。年末に忙しいから手伝ってくれ、と父に言われて始めたのがきっかけです。
父は私が中学時代に体を壊して、もっと規則正しいリズムでできる仕事をということで、一念発起しもともと好きだった木の仕事を始めたのです。
でも、創業した頃はちょうどバブルの時期でして、心を落ち着けて家具を作るというよりも立て続けに入ってくるお店の什器作りの仕事に追われる毎日で、私が仕事を手伝い始めた頃もまだまだその流れは続いており、物を作る楽しい反面、できあがっては数年で壊されていくようなスクラップアンドビルドの流れの中では、これが良いことなのかどうかと少し淋しく感じていた頃でした。
まだ、個々の人たちから家具のオーダーが来ると言う時代ではなく、家具を作ってもらう、ということがとてもとてもめずらしい時代だったのです。
その頃、私たちはお店の家具作りからマンションに住む人たち向けに家具を作るという仕事の流れが変わっていったのでした。
そこでは、家具を作る以外にいろいろな人たちとお話しするという一番苦手なことを学んでいったのでした。
でも、みなさんとお話しするにつれて、家具を好みの形に作ることがあまりに不自由なのだなということを感じていました。ある程度決まった枠の中からしか選べない自由、反対に自由すぎて何を選んでいくことが良いかを導けないもどかしさ。
そういったことをそういう場で一つずつ覚えていって、家具を作るだけではなく、その形を表現することも学んだのでした。
でもね、自分ではああしたい、こうしたい、と思っていてもその通りにならないこともあります。
2000年頃だったでしょうか。
家具の依頼があまり来なくなってしまったのです。ちょうどそういう時代だったこともあって、取引先の皆さんも手を持てあますようになって私たちのところに仕事を出すほどでもなくなってしまったのです。
当時の父は相当苦労したことと思います。今でこそその気持ちが何となく分かるようになりましたが、当時の私にはその時の父の気持ちは良く分かりませんでした。(笑)
そこで、「時間があるなら、今度友達に頼もうと思っていたホームページを作ってみよう。」と思ったのでした。
その当時はNHKをつけると、「初心者でもできるホームページの作成講座」と言うような番組をやっていて、女性が二人でタグについてとても丁寧に解説していたりと言うような時代だったのですが、見ていてもよく分かりません。
そこで本屋さんで、「初心者でも分かる~」という本を1冊買って、まずはその通りにやってみます。
英語が並んだ画面をみつめて、きっと難しいのだろうと思っていたのですが、始めてみると意外とそれが面白くて、まるで自分で雑誌を作っているかのよう。
仕事が終わる20時ごろからパソコンに向かって写真を載せては文章を書いてを繰り返し、気に入らなければまた編集してを繰り返して、最初のホームページができました。
また「メールはこちら」とかがキラキラ点滅していたり、「back」とか「next」がピカピカ動いていた時代で、写真も30kb以上だと重くて誰も見ない、なんて言われていた時代です。
「写真が重いとページの表示が遅いのか・・、それなら文章を書いてみよう。」
そう思ったのでした。
当時のリフォームとか、建築の広告とかって「施工前」と「施工後」の写真を2枚並べて、「こんなにきれいになります!」みたいな表現が多かったのですが、「それは、新しいものを作ればどの場所もきれいに見えるよね。」って思えて、見ていてもそれほどいいなあって思えなかったのです。
じゃあどうしよう、と思いまして、それなら自分の記録、日記のように書いてみようと思いまして、その方と出会って、どんな風に思ってどんな家具を作ったというのを自分の見たままで書いていったのでした。
「これほど文章が多いとみんな読まないんじゃない。」と両親からは細かい字に目を細めながらそう言われたのですが、その他にうまい表現の方法が見つからないので、その形を続けていくと、ある時にFAXが届きました。
ホームページの「ご相談フォーム」の部分をプリントアウトして、そこに細かく家具の希望内容を書いてFAXしてくださったのでした。
うれしかったなあ。
正直な気持ち、家具のオーダーをもらうんだって思って作ったページではなく、自分の記録と雑誌のように何だかきれいに写真集が作れることが楽しくて(仕事と思わずに)やっていたわけですので、ああ、本当に依頼が来たんだあ、と不思議な気持ちでした。
その方は埼玉の八潮のCさん。写真が小さすぎて今では製作例に使えなくなってしまいましたが、その時の書類はきちんと今でも取ってあります。
メールやFAXでたどたどしくやり取りして、初めてお会いする方のところに一人で採寸に行って、そして当時のスタッフと二人で納品して。今までにないくらいドキドキしておりました。
その頃からマンション向けの家具作りも本格的になって、一人一人のオーダーに応えて作るスタイルになってきて、県内、都内から遠方のマンションまで出掛けては皆さんの形を具体化していくことを学び、それと並行してホームページでは、今まで作った家具をその家具にまつわる皆さんとのドラマをどうにかうまく表現して、家具を作ることがもっと気軽にできるようにと思いながらやってきたのでした。

そうして、インターネットで家具の相談が気軽にできる時代がいよいよやってきました。
ちょうど、私が夜間学校に行っていた頃(私がこの仕事を始めて数年が経った頃で、まだホームページを作っていなかった頃です。)に、目黒通りにいろいろな家具屋さんが並びはじめて、徐々に家具や建築が身近になり、その波が私たちのような小さな木工所にも届いたのでした。
今までは家具と言うと、食器棚やリビングに壁面収納を作ったり、ダイニングテーブルを作ったり、と言う依頼が多かったのですが、2005年に「キッチンを作ってほしい。」と言う相談を頂いたのでした。
「キッチン?」
キッチンは、キッチンメーカーが作るものとばかり思いこんでいた私にいろいろと教えてくださったKさん。この方がいて今の私たちがあるといっても良いくらい。(笑)
その方のキッチンは「海の近く、ソラの近く」でご紹介しているキッチンです。
私はどちらかと言うと怖がりなので、「キッチンなんてできないよ」って思っていたのですが、Kさんの強い思いを聞いていた父は、「よし、やろう!」と即決!
それからが大変でした。ステンレスはどこで手に入れたらよいか、木を使ったキッチンは大丈夫なのか、組み込む機器類はどうしたら良いのか、分からないことだらけ。
でもKさんも一緒に考えて下さり、工務店さんもこのしどろもどろな若者にとても親身に向き合ってくださいまして、(今思うと、監督さんにも設備屋さんにもかなり無理を言っていたなあ。)どうにかその魅力的なキッチンが完成したのでした。
そして、とても喜んでくださったKさんがいろいろな方々にお話を届けてくださったのです。
「Kさんのキッチン見ました。すてきですね、同じようなスタイルで作ってください。」と言うお話をそれからたくさん頂いたのです。
どうしたらもっとうまく「キッチンを作るという仕事」を続けていけるのか・・、スタッフ皆と思案しながら、工務店さんにも怒られながら、ひとつずつ学んでいって、今のフリーハンドイマイがここにあります。
私たちがこの先どうなっていくのか、どうしていきたいのか、それは私自身大きな展望と言うものは決めておりませんし、求めておりません。
ただ、この先も私たちを必要としてくれる人が居てくれる、とそう思っております。
そう思っていてくださる皆さんがいる限りは、この道をしっかりと歩き続けようと、そう考えております。
今までも、これからも、皆様よろしくお願いしたします。

ナラとステンレスのアイランドキッチンとコンロのある背面収納

2016.07.30

20160730007201607300062016073000420160730005午後からは内田雄介さんにお声掛け頂いて、先日モダンリビング賞!を頂いたZさんのキッチンの写真を撮らせて頂きにお邪魔してきました。
お引き渡しから半年ほど経ってしまいましたがようやくその使っている様子を見させて頂くことができました。うれしい!
オイル塗装は奥様が、壁の塗装はご主人が、という自分たちで作り上げたこの空間は、内田さんの設計した空気とそこかしこにとても気持ち良く混じり合っていてとても優しい印象。
あらためてオイル塗装やステンレスの天板のお手入れの仕方などをご説明させて頂き、この後もZさんご家族の手で、より気持ち良く磨かれたキッチンになっていくのだなあとしみじみ思ったのでした。
ありがとうございました。
また、時間を作ってお邪魔させて頂きます。

ナラとステンレスのキッチンカウンター

2016.07.30

20160730002梅雨明け最初の週末で、海へと続く道の途中にあるNさんの家の前の通りはきっと行楽の人たちで賑わってしまうだろうから、手早く荷揚げしないといけない、という不安は当たることなく静かな土曜日の朝がそこにはありました。
それなのに、荷揚げ前からすでに汗がにじんでおりましたので、これ以上ポタポタしないように手早く行動。
万が一階段から入らない場合は、バルコニーから揚げようと覚悟しておりましたが、どうにか汗もポタポタすることなく、家具も無事搬入できました。
まだ小さなお兄ちゃん、そしてこれから生まれてくる赤ちゃんがキッチンでいたずらしないようにと、ちょうど良い位置を決めたところで、私は先に会社に戻らせて頂きました。
「次はこのおなかの子が生まれて暮らしが落ち着いたら、ぜひ写真を撮りにいらして下さいね。」

ぜひ、お邪魔させて頂きます。
その時を楽しみにしております!

クルミのキッチンやバックカウンター、下駄箱たち

2016.07.28

201607280022016072800320160728004ご新居の工事のさなかに、大病を患って入院されたご主人。何があったのだろう・・、となかなか奥様にもお声掛けできずにおりましたが、ようやくご挨拶にお伺いする機会ができました。
昨年の暮れにお会いした時はふっくら(笑)していらっしゃった体がスマートになられて、食事も運動もきちんと取る生活をされていて、自宅療養しているというご主人は思いっきり主夫として頑張っていらっしゃったのでした。
「妻には申し訳なくて・・。だからできることは自分でやらないとね。でもいよいよ来月から仕事復帰です。」と晴れやかな笑顔。
とても助かりにくい病気から戻った方とは思えないくらい!
気づきにくいことですが、やはりきちんと毎日が無事に気分良く過ごせることが一番ありがたいことなのですね。

また、次にお会いできる時を楽しみにしております。
ごきげんよう!

ロートアイアンのツマミ

2016.07.27

2016072700220160727003KUMA鍛鉄工房の熊田さんにまた新たにツマミを作って頂いたのです。節アリのナラ材でテレエビボードを作っているのですが、その形に似合うようなシンプルだけれどどこか手の跡が残る表情のものを使ってみたかったのです。
お施主様は気に入って頂けるかどうか。設計事務所さんからのお仕事で、「お客様からお任せしますと言って頂けたので。」と言われているのですが、いつもは皆さんのイメージを形にすることがお仕事ですが、こういった自分で自分の形を決めるのはなかなか不慣れで。
気に入ってもらえたらうれしいなあ。

真鍮のパーツを見に

2016.07.25

国際連合大学前で開催されるマーケットにかなぐやさんが出展されるというお話を、先日キッチンを作らせて頂いたお客様でもあるHさん(Hさんとかなぐやのオーナーの太田さんは同級生)から聞きまして、ぜひあらためて拝見したいと思いまして、アキコと一緒にチアキを連れて出掛けてきたのです。ハルカはお友達とお祭りへ。

やはり美しいです。
これから家具に取り入れていきたいかたちでした。ご一緒にいらっしゃったガラス作家の丸岡さんにもすてきなお話を聞かせて頂いて。私の知っているガラスだけじゃなくもっといろいろな見せ方があって、ガラスの可能性ってもっといろいろありそうってワクワクさせてもらいました。
そのあともSIWAさん、工芸青花さんなどワクワクするようなクラフトマーケットと、フレッシュな野菜やスパイスが並ぶフードマーケットが魅力的に隣り合うこの広場。久しぶりにお店を出す側ではなく見る側として楽しませてもらいました。
「お姉ちゃんも来てたらきっと楽しめたのにね。」
「チィちゃん、お姉ちゃんと来たかった?」

帰りにフリッツハンセンさんのお店にご挨拶させて頂き、ケアホルムのおそろしく力強いデザインのテーブルたちをまじまじと拝見させて頂き、いろいろと勉強になった1日だったのです。

そして、夕方からはえびな市民まつりへ。
先に出掛けたハルカと待ち合わせるも友達を見つけてはすぐに飛び出していってしまう。
だんだんと自分たちよりも友人と過ごす時間が長くなっていくのでしょう。
自分たちはいつまでもハルカも一緒に、って思っていても、彼女は彼女の時間があって。
何となく自分がぎこちなくなって淋しいなって思う時も出てくるのでしょう。

「いつかきっと君も恋におちるだろう つないだお手々を振り払うように」

くるりがそう言っていました。

アウトセットの引き戸のある吊戸棚

2016.07.23

今日は、カナイ君とノガミ君に浦和のSさんのところまで出掛けてもらい、依頼されていた吊戸棚を設置してきました。
なかなか作る機会のないアウトセットの引き戸で、さらにそのパーツもオリジナルで製作。
塗装後もとてもスムーズに動いてきちんと止まるし、引き戸用のレールにアルミのパーツを使わないで、ナラ材そのままで仕上げる形にしましたのでとても良い印象です。

とても良い勉強になった今回の形。今後の家具作りに生かしてゆけたらもっと形の幅が広がるよね。楽しみです。

Sさん、今日はありがとうございました。

クルミとアイアンのラウンドテーブル

2016.07.21

201607210012016072100320160721004クルミを使ったラウンドテーブルのご依頼を頂いていたのです。今回はいつもよりも少し小ぶりな1,100mmのサイズで。クルミ特有の少しラフな表情とアイアンと言う組み合わせでも、良い感じに上品にまとめることができました。
このテーブルは、はるか遠くの大阪松原市のKさんのもとに行くのです。
いってらっしゃい。

ウェブサイト更新

2016.07.21

宙に浮いたようなステンレスカウンターのあるナラのキッチン緑に囲まれた気持ちの良い土地に建つお二人の作ったメロディのような家、Mさんの製作例と、

築30年以上の集合住宅のリビングをクルミの木と白い塗装でリフォーム懐かしい形のマンションの一室を住む人の色で見事に彩ることができたYさんの製作例と、

コーリアンと節アリオーク材を使ったアイランドキッチン乾いた心地良い風が吹き抜けるスタジオのようなリビングでお料理教室を始めるMさんのために作ったキッチンの製作例の3つを掲載しました。

もし、よろしければご覧になってください。

懐かしくも新たな気持ちで

2016.08.11

「ナラ節アリ材とステンレスヘアラインのオーダーキッチン」

浦和 K様

design:Kさん
planning:daisuke imai
producer:kouhei kobayashi
painting:kouhei kobayashi

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

リビングから見たキッチンの様子。茅ヶ崎のKさんの間取りをひっくり返したようなこの空間のレイアウトがどこか懐かしいのでした。

私たちが現在の木製オーダーキッチンを作るきっかけを与えてくださったのが、茅ヶ崎のKさんと言うお客様でした。
海の近く、ソラの近く」のKさんです。
2005年のことでしたので今から11年前のことです。当時はまだオーダーキッチンと言う言葉も定着していないし、木でキッチンを作るっていうことはイレギュラーなことだと思っておりました。
とてもスタイリッシュに気とステンレスを使ってキッチンを作る作家さんもいらっしゃいましたが、私たちには縁がないことと思っておりました。
何故なら、キッチンはキッチンだと思っていたからです。
キッチンが家具だよって今ならそう言えるのですが、当時はキッチンは家に最初から備わっているもの、すなわち「設備」と言うものと思っておりました。
組み込まれる機器のことも全く知らないし、水を使う場所で木を用いる仕事なんて、どちらかと言うと遠回りしていたくらいです。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

キッチンバックパネルの印象。今回のサイドパネルとバックパネルにナラの節アリ材を使っています。木目の良く通った斑のあるきれいなナラ材とはまた違ったとても味わい深い表情です。

それが、その茅ヶ崎のKさん、ある日突然(私が留守の時に)ショールームにやってきて、キッチンを作ってくれる家具屋さんを探しているのですって、まだ現役で頑張っていた父に相談したのでした。
それがもうあと1ヶ月で新居の工事が始まってしまうのだそうで、あとから聞いた話では、お願いしていた家具屋さんに急にキャンセルさせられてしまったのだそうです。
それは大変なことだと思いましたが、未経験の私たちにきちんとしたものができるのか確信もないまま、「お手伝いできることはお引受け致します。」と、父はどこかためらう部分もあったのでしょうけれど、このまま見過ごすのはいけないと思ったのだそうです。
当時の私たちスタッフは、「あら、また社長が難題持ってきたね・・。」と言う感じでした。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

バルコニー側から見た様子。バックパネルとサイドパネルをステンレスカウンターから少し立ち上げるデザインは、茅ヶ崎のKさんのスタイルをそのまま受け継いでいます。

それからKさんのお引き渡しまでは大変でしたね。未経験なものでひたすら勉強。機器についての勉強。キッチンの素材選びの勉強。ステンレスカウンターなんてどうするんだ・・。現場でのアクシデント・・。いろいろありましたが、Kさんも工務店さんもとても親身になってくださって、みんなで作り上げた最初にキッチンと私は今でもうれしく思っております。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

シンクもオーソドックスな形。あの頃と変わったのは、四隅のアールを20Rにしたことでしょうか。

当時、(今は削除してしまったようですが)このKさんの家作りの記録が、ネットでとても評価されて、日本全国いろいろな人たちがこのブログを見ていたのです。
いろんな雑誌に取り上げられたり、テレビのCMにもリビングでロケが行なわれたり、それは大変に賑わいでした。
そのブログや雑誌を見た皆さんが、「Kさんのようなキッチンを作りたいのです。」と私たちの声を掛けてくださった皆様。
その皆様に支えられて、今こうしてキッチンを作るメーカーのひとつとしてここに居ることができるのです。
本当にありがたいことです。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

食器洗浄機はミーレの45cmのタイプ。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

食器洗浄機の扉を全開にしたところ。

そして、そのKさんの高校時代のご友人(だったかな)で、Kさんのブログにもちょくちょく名前が出ていたKさん。私もそのブログをよく読んでいたので、変わったニックネームの人だってずっと思っていたのです。
その人からメールを頂けるとは思ってもいませんでした。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

こちらは、最初のお問い合わせでKさんから頂いていたスケッチ。

「こんにちは。初めてメールさせていただきます、Kと申します。
茅ケ崎のKさんの友人です。Kさんのおうちでキッチンを見て、一緒に料理をしたりして、使わせていただいていたので、家を新築する時があったら是非イマイさんのキッチンを・・・とひそかに思っておりました。
このたび、土地を購入し、建築家さんと契約をしたところです。さいたま市ということで、だいぶ距離があるところの土地を購入したので、今回イマイさんのキッチンをオーダーできるのかどうかといったご相談です。
プランもまだ全く決まってな状態ですが10月には完成を目標にかかげています。
前回の打ち合わせではキッチンをイマイさんで、という話を建築家さんにさせていただきました。
もちろんOKだったのですが、さいたま市なので、まず、距離的にOKなのか、もしOKであればどんな進め方になるのか、打合せなどは?といった話になりました。
予算もまだ未確定ですが、予算的には余裕のある感じではなく若干厳しいものもありそうなので、そこらへんもご相談したいところです。
オーダーキッチンならば、Kさんのキッチンのようなステンレストップの木張りにとても憧れています。
もしさいたま市でも可能であれば、だいたいの寸法をご連絡し、どのくらいの予算でできあがるのか、その予算でいけそうなのか検討させていただきたいと思っています。
よろしくお願いいたします。 」

これほどうれしいメールはありませんでした。

茅ヶ崎のKさんはお仕事の関係であのお家はしばらくの間貸してしまって、海外でご活躍されているのでこのKさんのお話を聞いたらどう感じてもらえるかな。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

ガスコンロは、リンナイのデリシア。

Kさんとのやり取りはどこか懐かしくとてもうれしいものでした。
プランは、当時の茅ヶ崎のKさんのプランに近い形で、今回はバックカウンターも一緒に作らせて頂けることに。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

こちらはバックカウンターの扉の中の様子。内部は掃除がしやすいようにポリエステル化粧板を使いました。

いつも思うことなのですが、私は皆さんから見ると専門家のようです。
こういう言い方は変なのですが、自宅は普通のマンションなので(今のところは)、またキッチンもマンションの購入決定時期が遅かったため、仕様変更できないとても標準的なシステムキッチン。引き出しの使い勝手などに不便があったり、構造が弱い部分もありますが、14年経つ今も大きく壊れることなく使えております。料理は時間のできた週末に手の込んでいないものを作るくらいですし、洗いものはそれほど嫌いではありませんが、食器洗浄機も使ったことない。
自分自身にとってはいまだオーダーキッチンは未経験なのですが、今まで皆さんのキッチンを作らせて頂いた中で学んだいろいろなことを自分の中で混ぜ合わせて自分らしく、みなさんらしい形であるように提示しながら仕事をしてきました。
でも、「プロの目から見て、ここはどう思われますか。」って聞かれちゃうと、照れますね。
こんな自分がプロフェッショナルなのかなって。
まだまだ思い至らない点は本当に数多くありますが、使っていってくださる皆さんが後ろから見守ってくださっていることが分かるのが大きな支えであり、プロって思っていいんだって自信につながっております。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

引き出しの様子、その1。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

引き出しの様子、その2。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

引き出しの様子、その3。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

引き出しの様子、その4。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

引き出しの様子、その5。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

引き出しの様子、その6。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

引き出しの様子、その7。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

引き出しの様子、その8。

節アリオーク材とステンレスを使ったペニンシュラキッチンとバックカウンター

引き出しの様子、その9。

Kさんとのやり取りの中でも、いろいろな相談をされました。家具の構造上のことではなく、キッチンの使い勝手のことについて。きっとそれはKさん自身が知っていることだと思うのですが、私がすべきことはそれに気づかせてあげることなのだと、打ち合わせをしていると思うのです。それができることがプロなのかなって何となく思うのです。
引き出しを胴のように使ったら良いのか、食器洗浄機は自分の立つ位置のどちらが良いのか、キッチンとバックカウンターとの間の距離はどのくらいが良いのか、きっといつもの感覚では分かっているけれど、それを新しい暮らしにどういうスケールで組み込んでいくのか、そういう分かっていることをきちんとあらためて知って頂くことで、使いやすい形に成っていくのではないかと思っております。
こうして考えた形は、特に何か大きな特徴があるという形ではないのですが、Kさんにとってしっくりくる形となったのです。

そして、それがきちんと納まるように現地でKさんと設計士さんと工務店さんとで打ち合わせです。
新築でさらに2階がキッチンとなるといろいろな問題が起きやすく、今回の現場でも配管の取り回しがちょっと複雑になりそうで、床を転がす形で配管することになり、最下段の引き出しは奥行を小さくして配管が通せるような構造にすることになりました。でも、問題はここだけ。あとはすんなり納まりそうです。
今回の現場では、他の業者さんとの関わりが少ない、ということで、工事の最後のほう(クリーニングが入る前後)に施工させて頂くことになりました。

そして、施工当日。最初にご相談頂いていたのは2月の寒い頃でした。そしてこの日も1月と言う冬の真っただ中。
少し前の天気予報から心配していたのですが、浦和のほうは空気がたまりやすいからなのか、他よりも湿気などの影響を受けるようでして、先日降った雪がここではまだたくさん残っていたのです。
会社のある神奈川ではだいぶ溶けていたので、ちょっとビックリ。その雪の影響かほかの業者さんの工事もかなり立て込んでいて、さてどうしよう・・。
と、ちょっと不安な面持ちでいたのを察してくれたのがか、工務店さんに電気屋さんにと業者さんが気を使ってくださって、雪が残る庭からバルコニーに揚げる道を開けてくださって、どうにか無事搬入完了。
工場で一度仮組みしているので、搬入さえ無事に終われば、現場で組み上げるのは慣れた手つきです。
こうして無事に設置を終えて、Kさんのキッチンは完了したのでした。

「土曜日は遠路遥々ありがとうございました。
キッチンのお手入れ方法、そしてダイニングテーブルの修理までしていただき、本当にありがとうございました。
ブログも早速拝見させていただきました。
とても素敵に写真をとってくださり嬉しい限りです。本当に念願かなってのキッチンなので、愛着が日に日に増していく日々です。
また今後新居に家具が必要になった際は、イマイさんに絶対お願いしようと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。
それでは今回は本当にありがとうございました。
連絡遅くなり申し訳ありません。」

そう、ダイニングテーブルは、DIY好きな茅ヶ崎のKさんのご主人からプレゼントされたものだそうで。天板の裏を見ると、当時私がアドバイスした通りにきちんと組み立てられていました。ただ、その脚のネジが緩んでしまっていたようで、今回しっかり止めることで無事解決。こうしてみんな住む場所が違ってもいつまでもつながっていられることはとてもありがたいことなのです。

キッチン仕上
天板 ステンレスヘアライン
扉・前板 ナラ板目突板練り付け
本体外側 ナラ板目突板練り付け/ナラ節アリ無垢材
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 ワトコオイル塗装「ナチュラル」
バックカウンター仕上
天板 ナラ板目無垢材
扉・前板 ナラ板目突板練り付け
本体外側 ナラ板目突板練り付け
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 ワトコオイル塗装「ナチュラル」

ナラ節アリ材とステンレスヘアラインのオーダーキッチン

価格:840,000円(制作費・塗装費、設備機器は別途)

ナラ板目材壁付けのバックカウンター

価格:420,000円(制作費・塗装費、設備機器は別途)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は50,000円から、取付施工費は120,000円から)

カジュアル

2016.07.21

「ナラ節アリ材とコーリアンのオーダーキッチン」

鵠沼 M様

design:Mさん
planning:daisuke imai
producer:kouhei kobayashi
painting:kouhei kobayashi

コーリアンと節アリオーク材を使ったアイランドキッチン

リビングからキッチンを見た様子。

節のあるナラ材と人工大理石の組み合わせのキッチンか・・。どんな感じになるのだろう。
Mさんとお話を進めていくにつれて、まとまってきた素材の印象。今までにない形になりそうでしたので、楽しみであると同時に不安でもあったのでした。

コーリアンと節アリオーク材を使ったアイランドキッチン

キッチンに立って見た時の様子。

「はじめまして。WEBで拝見し初めてメールさせていただきます。
現在、横浜市港南区で賃貸マンションに住んでおりますが湘南地域あたりで戸建住宅を検討しています。
とは言いましても、まだ検討し始めたばかりで、土地から探して新築を建てるか、中古物件を購入してリノベーションするか、ハウスメーカーにするか、建築事務所を探すかさえも決まっていません。
ただ、キッチンだけはどうしてもこだわりがあってオーダーキッチンにしたいと考えています。
いずれは、料理教室ができたらいいなと思っていますので、キッチンと同じ材質の6人掛け程度のテーブルも検討しています。
製作例を何度も拝見して、とても素敵で理想的なキッチンがたくさんあってカタログをお送りいただければと思いご連絡させていただきました。
どうぞよろしくお願いいたします。」

コーリアンと節アリオーク材を使ったアイランドキッチン

ダイニング側から見た時の様子。

そのキッチンカタログは、みなさんにお渡ししております。
ここから近くに住んでいらっしゃる方でも、北海道や沖縄など私たちが実際にキッチンを作って届けることができない地域の皆様にも今後の参考になれば良いなと思って。

コーリアンと節アリオーク材を使ったアイランドキッチン

ガスコンロはリンナイのデリシア。

どのあたりの地域まで対応するのですか、ってよく聞かれるのですが、それは私たちが通える距離がひとつの基準になります。
キッチンも家具もやっぱり道具なのです。使っていればくたびれるし、それ以上になると壊れちゃうことだってあります。ついた汚れが落ちづらかったり、木の表面がガサガサになることもあります。
そうなった時に、「じゃあ、今度お伺いしますね。」って言って気軽に伺える距離でなくてはいけないなぁと思っているのです。
うちのキッチンは絶対に壊れないし、新しいままでずっと使い続けられますっていうものではありませんので。(笑)

コーリアンと節アリオーク材を使ったアイランドキッチン

今回、シンク下は、ゴミ箱1台が置けるスペースを設けて、他はこのように収納にしています。スライドテーブルにして、奥のものも引き出して取り出せるように工夫しているのです。

そうなった時に、交通費がたくさん掛かって、修理費用が大きくなっちゃったら、私たちにとっても大変ですし、使う人にとってはもっと大変なことです。
工務店さんが地元に根付いて仕事をしているように、家具も本来は自転車でみんなのおうちに通えるくらいの距離感だったら、すごく良いのでしょうけれどなかなかそうはいきません。
だから、私たちが車で3~4時間くらいで通える距離までがとても良い距離だと感じているのです。
それ以上遠くになってしまう皆様には、このカタログを参考にして頂いてお近くの家具屋さんを訪ねてもらえるとうれしいなと思っているのです。

コーリアンと節アリオーク材を使ったアイランドキッチン

アイランドキッチンやペニンシュラキッチンには、ほぼ必ずつけている家電のためのコンセント。JIMBOのNKシリーズを使うことが多く、今回はコーリアンのカウンターに合わせてホワイトカラー。

そして、Mさんのご新居を建てる場所は藤沢ということで、私たちの工房の近くになります。このくらいの距離だと何かあってもすぐに駆け付けられますね。さっそく準備をしてカタログをお送りしました。

コーリアンと節アリオーク材を使ったアイランドキッチン

こちらはパッと見ると何だか分からない部分。実はワイングラスなどの背の高いものをしまうための深い大きな2杯の引き出しなのです。

それから、4か月後・・。
「カタログをお送り頂いてから随分と時間が経ちましたが、できましたら一度お伺いして見積もりをお願いしたいと思っています。
先日、土地の契約決済が終わり、工務店も決まり、設計もだんだん現実的になっている状態です。
メーカーのシステムキッチンも色々と検討したのですが、やはり何だか違う。。。感じです。」
と言うメールを頂いたのでした。
計画は未定ということだったので、カタログをお送りしたまでで、いつかお声掛け頂けたらうれしいなあと何となしに考えていたのですが、これほど早くお声掛け頂けるとは、大変ありがたく思っております。

コーリアンと節アリオーク材を使ったアイランドキッチン

水栓は、LIXILのナビッシュを採用。シンクは、吉本産業のハイパーシンクと言う人工大理石のシンクをデュポンのコーリアンカウンターとシームレスにくっつけてスッキリと仕上げています。

そして、さっそくMさんがこちらにいらして頂けることになったのでした。
いろいろとお話を聞かせて頂くと、Mさんはどこか乾いた風が吹き抜けるような印象のキッチンをイメージされていたのです。
キッチンの木目は塗りつぶして使っているうちに色褪せていく感じ。なかなか良い印象です。
それがお話を重ねるうちに、ペンキ仕上げから節のあるナラ材を使う形に、イメージが変わっていきました。そこに人工大理石の天板を載せて。
どんな形になるか楽しみではありますが、不安ももちろんありました。

コーリアンと節アリオーク材を使ったアイランドキッチン

食器洗浄機はガゲナウ社の製品。

節アリ材を使うということは、突き板ではなかなか表現できないものなので、無垢材を主に使った形でキッチンを作っていくのですが、無垢材ですからもちろん木は動きます。
特にこの湘南地域は、みなさんが思っている以上に湿度が高い地域です。
今までも梅雨の時期になるといつの間にか扉の表面がうっすらと白くなっていて何かと思って拭き取ってみるとカビだったり、家を建築しているそばから家の角が黒ずんできたり、パネルが思っている以上に伸びてしまってカウンターを押し戻して変形させてしまったり、と言うお話を頂いていろいろ頭を悩ませることが多かったのです。
Mさんのところでは、大きな扉は大きく動いてしまう可能性があるので、表と裏に厚み5mmくらいの無垢を使って内部に合板を使うハイブリッドな作りにしたのですが、あとの引き出しの前板やキャビネットの外部はほぼ無垢材。動かないといいな。

コーリアンと節アリオーク材を使ったアイランドキッチン

引き出しの様子。ハンドルはKAWAJUNのアルミに黒塗装してあるすっきりとしたタイプのものを採用。


コーリアンと節アリオーク材を使ったアイランドキッチン

スライドレールは底付けのソフトクローズレールを採用。レールが見えないので、引き出した時の印象がとてもすっきりです。

さいわい、Mさんの家は川からは近かったのですが、海から少し離れていたことと、風通しの良い間取りだったこともあって大きな動きが出ることなくお引き渡しすることができたのでした。
それも、今回初めてお世話になったビルダーであるハウスゼロさんの考えた気持ちの良い間取りが良い結果を生んでくれたのだと思います。適度に乾いた風が抜けるこの場所に立つとホッと安心したのでした。

コーリアンと節アリオーク材を使ったアイランドキッチン

お料理教室をするので、もちろんガスオーブンも導入。コンロもオーブンもリンナイと同一メーカーじゃないと組み込めないので、コンビネーションオーブンの導入したい方はご注意くださいね。

そのハウスゼロのオーナーの大浦さんは、その風貌もそうですが、どちらかというと建築士さんというよりは親方という感じ。(笑)
最初に現場で打ち合わせた時も墨つぼで床に住み出ししてくれた姿は、まさに親方。
私はいつも初めてお会いするビルダーさんたちが多いので、いつも最初のご挨拶の時は何となく身構えてしまうことが多いのですが、大浦さんのオープンな印象はとても頼もしく、各業者さんとの連携もうまく取ってくださってとても気持ちよくお仕事をさせていただくことができたのでした。

株式会社 Houseゼロ
http://www.house-zero.com/

コーリアンと節アリオーク材を使ったアイランドキッチン

コンロの隣は調味料用の引き出しとボトル用の引き出し。

お引き渡し後、しばらくしましてから、Mさんのキッチンの様子を見せていただきにお邪魔致しました。
「イマイさん、私また仕事を復帰するので、もう少し落ち着いたら教室を始める準備をしたいと思います。その時はまたお声かけしますので遊びにいらしてくださいね。」とおっしゃっていたのですが、時間が経つのは早いものです。
いつの間にかその教室がオープンしていたのです。

コーリアンと節アリオーク材を使ったアイランドキッチン

ちょっと納まりが難しかった部分。コンロの左隣にこのようにパンたちをしまうための棚を細か打入れたスペースが下半分にあって、上半分はシンク側から使える引き出しになっているのです。このあたりが組み立て方の構造上、もっとも木が動くかもなあ、とちょっと心配。

「ご無沙汰しております。
ゴールデンウィークも終わり、日中はすっかり夏の日差しですね。そろそろワンコの散歩も厳しい今日この頃です。時々、今井さんのFacebookに登場する素敵なキッチン達を拝見していますが他人事ながら何だかワクワクします。
自分もあんな素敵なキッチンを作っていただいておきながらまた新しいのを見ると「いいないいな~」っと思うものです(笑)
さて、恥ずかしながらご報告を。
自宅キッチンでの料理教室をOPENしました。まだまだ、お友達が生徒様っというレベルですが何とか頑張ってゆこうと思っております。
もし、機会があれば身にいらして下さいね。
よろしくお願いいたします。」

さてどんな教室になっているか今から楽しみです。実は今度お邪魔させていただくのです。

&mando
https://mand2016.jimdo.com/

お会いできるのを楽しみにしております。

コーリアンと節アリオーク材を使ったアイランドキッチン

リビング側の大きな扉を開けると、引き出しなどにはしまえない大型のものがたくさん入っています。ここは掃除しやすいように内部は白いポリエステル化粧板を使っています。ちなみにリビング側ということで、ハンドルなどをつけないですっ切る見えるように、プッシュ式の扉にしています。


コーリアンと節アリオーク材を使ったアイランドキッチン

背の高いワイングラスをしまう引き出し。

キッチン仕上
天板 人工大理石 デュポンコーリアン「グレイシアホワイト」、人工大理石シンク 吉本産業HS800
扉・前板 ナラ節アリ無垢材
本体外側 ナラ節アリ無垢材
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 ワトコオイル塗装「ナチュラル」(Mさんが施工)

ナラ節アリ材とコーリアンのアイランド型オーダーキッチン

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。

そのひとの色

2016.07.21

「ホワイトウレタン塗装とクルミの食器棚のオーダー」

高井戸 Y様

design:Yさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:yasukazu kanai
painting:harak tosou/yasukazu kanai

築30年以上の集合住宅のリビングをクルミの木と白い塗装でリフォーム

お茶の用意をしてくださるYさんをパチリ。今回は正面の収納と、ダイニングテーブル、そして、左に見える格子扉がある収納を作らせて頂きました。

「はじめまして。Yと申します。
壁面収納の設置を考えています。数年前まで兄弟で住んでいたマンションなのですが、現在は一人暮らしで、これから少しずつ家具も自分の好みに変更していこうと思っているところです。
食器、台所回りのものを集めるのが趣味なのですが、食器が収まらなくなってきましたので、これを機にオーダーをと考えています。
チェリー材やクルミ材などは好きなのですが、壁面なのでホワイトにはしたいと思いますが、悩んではいます。
併せてダイニングテーブルもお願いできればと思っています。
製作例の中で気になるのが、大井のH邸の壁面収納です。テーブルは鉄脚の大和T邸のものが気になっています。
自分のイメージしているものが、自分の家に合うかどうかも含めまして一度ご相談に伺えたらと思っています。
平日は仕事もありますので、土日の相談が希望です。
宜しくお願いいたします。」
とYさんからメールを頂きました。

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Yさんから頂いていたスケッチ。

築30年以上の集合住宅のリビングをクルミの木と白い塗装でリフォーム

最初の打ち合わせにいらして頂いた時にお話を進めながら決まっていった形。

一度いらして頂けるということでまずは土日の私の空いている日をお知らせして日程を決めさせて頂きました。
ここ寒川は、神奈川の真ん中あたりなのにJR相模線と言う1時間の数えるほどしか入っていない単線の通る静かな町。Yさんのお住まいは高井戸ですので、スムーズに乗り継いでもそれなりに時間が掛かっちゃうのです。表通りに看板も出していない一本入ったこの通りでも少しの人気があるのはこうして皆さんが訪ねてくださるおかげなのです。とてもうれしくありがたいことです。

築30年以上の集合住宅のリビングをクルミの木と白い塗装でリフォーム

廊下側からリビング全体を見ます。電話台がかなり重要なポイントになっていたのだなあとこの写真を見ると思うのです。

築30年以上の集合住宅のリビングをクルミの木と白い塗装でリフォーム

リビングから全体を見ます。奥の冷蔵庫があるスペースがキッチン。普通の3畳くらいのコンパクトなキッチンなのですが、Yさんの使いやすいようにレイアウトされていて、格好良いのです。

私たちのショールームは2階にあります。ショールームと言うよりは、私たちのキッチンやテーブルやテレビボードが置かれた展示室のような感じなのですが、工房が1階にあって外階段を上がって2階に辿り着くとこじんまりとしたショールームがあるのです。コツコツと階段を上がる音がしてしばらくして顔を見せてくださったのはYさん。こちらを除く姿を見てハッとするくらいおきれいな方で最初は女優さんかと思ってしまいました。(笑)

築30年以上の集合住宅のリビングをクルミの木と白い塗装でリフォーム

炊飯器をしまうワゴン。この写真だと分かりにくいのですが、ステンレスで作ったラインハンドルの表面を少し荒して、塗料が食いつくようにしてから白く塗っているのです。この表情が優しいのです。

そのYさんをお通しした先は、出入り猫たちの取りきれない毛がカーペットに残っていたり、ところどころ片付いていない部分もあったりして、何だか照れくさくなりながら打ち合わせが始まったのでした。

築30年以上の集合住宅のリビングをクルミの木と白い塗装でリフォーム

吊戸棚の中の様子。シナ合板無塗装のまま仕上げ。

最初に頂いていたスケッチを元にお話を進めます。
大井のHさんの家具をイメージされているということで、メールの文面にはホワイトにしたいと書かれていたのを見落として、すべて木で作るものだとばかり思っていたのですが、お話をしてみると、やはり白い印象を大きく持ってきたい、ということで白い色の中に木の色が差し込んでくる形で考えることになったのでした。
白い色と言うと思いつくのは、最も少しを抑えて考えると化粧板を使う形です。その次は白いペンキで塗って仕上げる形。ローラーで塗った時に出る特有の凹凸感はとても優しい感じに仕上がります。
そして、上品に仕上がる白く塗りつぶして、さらにウレタンクリアで仕上げる方法。
おおよそ、この3つの方法があります。

築30年以上の集合住宅のリビングをクルミの木と白い塗装でリフォーム

吊戸棚の上にも物が置けるようにしたのは正解でした。Yさんらしさが良く出ていますね。扉や引き出しはすべてプッシュして開けるタイプにしています。当初は引き出しだけ真鍮磨きのハンドルをつけたら良い印象になるかなと思っていたのですが、Yさんのイメージはすっきりとした印象。すべてプッシュ式にしたので、この家具がとてもさりげない全体像になったのです。

それぞれのメリットデメリット、コストのバランスなどをお伝えして、だんだんと形がまとまっていきます。
そうして、いろいろと悩んだ結果、白い部分はウレタン塗装で仕上げることにして、でもなるべくコストを抑えるために、扉や引き出しの前板と言った正面部分の意ウレタン塗装で仕上げて、キャビネットの周りは化粧板のままで進めることになりました。

築30年以上の集合住宅のリビングをクルミの木と白い塗装でリフォーム

こちらも梁いっぱいまで高さを上げるか迷ったのですが、このくらい空いていて奥行感が出るほうが良いかな。

それでは、木部にはどの樹種を使用しようかと言うところで、またいろいろと悩みます。
私たちのショールームには、大きなダイニングテーブルが2台ありまして、1台は1800mmの長さがあるナラ柾のテーブルで、もう1台は長さ1500mmの長さの標準的なサイズのクルミ板目のテーブルがあります。
最近はクルミのテーブルで打ち合わせることが多く、その場でお話ししていると、そのクルミの表情が好きだ、と言うお客様が多いのです。
そのクルミのテーブルですが、実は水が染みて傷むとこうなるよっていうことが分かりやすいように無垢を桟積みしている時にできてしまった製品にできない材を材木屋さんから取り寄せてわざわざ天板に使ってみたのです。
でも、そのシミを含めてもクルミの表情が好きと言う方が多く、Yさんもクルミの色柄に魅かれた一人でした。
そのようなわけで、ウレタン塗装とクルミを生かした家具の形が大まかに決まったのです。

築30年以上の集合住宅のリビングをクルミの木と白い塗装でリフォーム

Yさんが最初からずっと言っていたのが、ダイニングテーブルと高さを合わせた位置に棚板を配置したいということでした。 すっきりです。

「先日はお忙しい中、お打ち合わせをの時間を作っていただきまして、ありがとうございました。
お話していく中で、イメージが少し形になっていくのがわくわくしてとても楽しかったです。思い切ってご相談に伺ってよかったと思っています。
図案楽しみにしています。
これからもよろしくお願いいたします。」

築30年以上の集合住宅のリビングをクルミの木と白い塗装でリフォーム

テーブルはシンプルな形で。天板だけ厚いほうが良いということで、40mmくらいの厚みに仕上げております。

そして、その後細かい部分について変更を重ねてようやく形が決まったところで一度お伺いすることに。
今回はご依頼頂いていたのは、メインがこの壁面収納。そして、じゅすを合わせてダイニングテーブルもご依頼頂いていたので、そのバランスがお部屋にうまく合うか、ということと設置場所の採寸や搬入経路(特にマンションということでしたので)をきちんと見ておかないといけません。
そして、到着したマンションはどこか懐かしい少し時間が経ったマンション。高井戸にこのような建物があったのだなあ。

築30年以上の集合住宅のリビングをクルミの木と白い塗装でリフォーム

壁面収納の右側の収納内部。扉を開けると可動棚が入っています。「やっとワイングラスをしまうところができました!」とYさん。

さっそくお邪魔させて頂くと、備え付けられている玄関の下駄箱や電話台(むかしのマンションにはよく電話台が備え付けられていましたね。)があります。
玄関はリビングから離れるので、今回は気にならなかったのですが、パッと思ったのがこの電話台でした。壁面収納をつける予定の壁は今は何もないすっきりとした壁なので、この空間にはよく合う家具になりそうでした。間取り上リビングもこじんまりしていましたがYさんのテイストでとても温かみのある印象にまとまっておりました。
キッチンは、独立したレイアウトでしたので、リビングからは目に入らず、実際その日にキッチンを見せて頂いたのですが、「ちょうど明日お花見があって、その準備をしていたのです。」というYさんのキッチンは、古い部分はありましたが、とても良く整理されて使い込まれていてさながら料理の先生のアトリエのよう。
「そうなんです。いつかここでそういう教室が開けたらすてきなだって夢見ているのです。」と楽しそうにお話しするYさん。
その日がいつ来るかな、とても楽しみです。

築30年以上の集合住宅のリビングをクルミの木と白い塗装でリフォーム

こちらが電話台。壁面収納と印象を合わせるために、クルミの天板を間につけることにして、その天板の高さを壁面収納と揃えることで、まとまりが出るようにしました。

ということでキッチンも魅力があるのに、電話台が気になる・・。どうしよう言おうかな・・。

設置場所の確認などが終わって、大方打ち合わせることも終わりつつある頃、やはりお伝えしました。

「ここに壁面収納が来るとそれはそれで良い印象になると思うのですが、この電話台が目に入るとちぐはぐな感じになってしまいそうで・・。」と。
その電話台は、かつて白かっただろう化粧板でできていて、多少扉もガタついておりました。天板はメラミンを曲げて作るポストフォームカウンターで、昔によく見た作りです。
「私もこれは気にはなっていたのですがどうしたら良いか分からなくて・・。」

築30年以上の集合住宅のリビングをクルミの木と白い塗装でリフォーム

格子扉を開けると、元々ついていたコンセントとインターホンが見えます。そして、ゴチャゴチャになりやすい通信機器類(ルーターやモデムなど)もここに置くことで配線などもすっきりさせることができました。

気になる部分が何点かありました。
電話台自体が傷んでいる様子と、その上についているインターホン。今よく見かけるようなタイプの液晶モニターがあるタイプではなく、壁掛けの電話のような感じで、こちらも時間が立って樹脂が黄ばんできていたのです。
どうにか壁面収納と合わせて整えられるようにしたいなあ。
デザインすることの面白さは、何でも自分の好き勝手に作るのではなく、いくつかの条件(使い勝手や、色柄の好みや、予算など)という制約があるか中で、その人にとって一番良い方法を見付けてあげられるかどうかです。
誰かが言っていました。「デザインすることは整えることだって。」私もそう思います。

電話代はそのまま白く新しくすることもできますが、それだけだと中途半端なまま終わってしまいそうです。
そこで、インターホンの音が聞こえて、さらに電話も中に隠せるように格子の扉をつけた形で天井までの収納にするのはいかがでしょう。そのようにお話をさせて頂いたのでした。

「大変お世話になっております。
図面と見積書拝見いたしました。電話台の収納も、もう今更取り付けないなんてそんなイメージは湧きません(笑)
素敵に仕上がりそうな感じですので、もうこのままのデザインでいいと思っております。
よろしくお願い致します。」

その他に細かい部分をあれこれ迷いながらもようやくYさんの形に辿り着くことができました。
ひと安心です。

築30年以上の集合住宅のリビングをクルミの木と白い塗装でリフォーム

こちらも元々Yさんご家族みなさんで使っていた座卓があったのですが、これがYさん一人でお住まいになると、重いし大きいし、使いにくいと感じていたのです。ただ、良いものでしてまだまだ使えそうでしたので、天板だけを活用して丸くカットし、脚は鉄工のタカハシさんに作ってもらいまして、この宇宙船のようなテーブルが完成。

そして、夏の納品に向けて製作を進めます。白い部分とクルミの組み合わせ、さらには電話台には白い格子扉が来るという、複雑な形ですが、カナイ君が黙々を進めてくれて、無事予定日までには完成。
取付も予想以上に時間がかかってしまいましたが、無事にきれいに設置も完了。

「先日は大変お世話になりました。
日曜日は大変暑い中の作業で大変だったと思うのですが、とても綺麗に設置していただきまして本当にありがとうございました。
自分の想像以上に素敵な空間になって、リビングに入るたびにテンションが上がってしまいます。日曜日は嬉しすぎて、近所の友人を早速招いて、夜まで呑みながらゆったり過ごしました。これからますます人を呼びたくなりそうです。
金額もそんなに安いものではなかったと思いますが、それ以上の満足感だったので改めて今井さんのところにお願いしてよかったです。製作、設置していただいたカナイさんにもよろしくお伝えください。
本当にありがとうございました。」

そしてその後、別のご相談も頂いておりましたのであらためてご挨拶に伺わせて頂くと、Yさんらしい色でしつらえられたリビングになっていて、その部屋の様子が見られてとてもうれしかったのです。
「設置していただいたリビングボードは元々そこにあったかのように馴染んでくれて、毎日座って眺めながらご飯を食べているのですよ。
あのあともたくさん友人や家族が遊びに来てくれるのですが、家具を作ってもらっただけなのにリフォームしたみたいってとても評判が良くて、ありがとうございます。
続いてのローテーブルの加工も楽しみにしていますね。」
と、うれしい感想と、おいしいイチジクのケーキ(だったかな。)まで頂いてしまいまして。

先日の取付の時も素敵なお昼ご飯をご馳走になって、このくらいすてきなお料理ができるのですから、教室を開かれる日も近いのでしょうか。
楽しみにしております、Yさん。

クルミとホワイト塗装のダイニングボード

価格:500,000円(制作費・塗装費)

格子扉の収納

価格:270,000円(制作費・塗装費)

クルミのダイニングテーブル

価格:240,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は30,000円から、取付施工費は70,000円から)

節アリナラ材とステンレスのキッチン

2016.07.19

20160719002201607190032016071900420160719005
今日は、細かいパーツを持ってHさんのところへ再び。
先日雨の中荷揚げしたお天気とは変わって、梅雨明け前なのに真夏のような暑さ。でも、公園の近くに建つこの家は気持ち良い風が吹き抜けるので、どこか心地良いのです。
木にとって湿気は侮れないですからね。
今までも、木が動きすぎちゃって、はめてあったガラスが勝手に割れちゃったことがあったり、木が伸びちゃって、カウンターを上に押し返しちゃったり、いろんなことがありました。
Hさんとそんなお話をしておりました。
無垢の表情は良いというのはもちろんでしょうけれど、成形されていないそのままの木ですから、刈り取って製材されたあとでも動くのです。昔の人々は、その動きを工夫して逃がしたり抑えたりしていました。今の人たちは新たな技術でその動き自体を無くしてしまうこともできるようになりました。どちらの方法にも良い悪いはないと思います。昔があったから今の技術ができあがったのだし、今の技術を知っているから昔に戻りたいと思う気持ちもあるわけだし。
本物とか偽物とか、良い悪いで分けられない奥深さが家具作りのそこかしこにあるのです。それが良いのです。

そして、先日お話しした、Hさんのお友達ということで今回取り入れたかなぐやさんのハンドル。美しいのです。

鶏飯

2016.07.10

家族揃ってご飯が食べられる今日の晩御飯は、おとうさんのリクエストで鶏飯。大好きな奄美大島、また行きたいな。

オークホワイトオイル仕上げのスリムな食器棚

2016.07.07

先日、納品した食器棚。
追加でオープン棚の部分にコボレ止めを取り付けてほしいということでお伺いしてまいりました。
はい、これで完成です。
最初は、家具を注文してくれたお客様だったKさん。その後、お付き合いしていく中で、お客様だった関係が私たちのアドバイザーになってくれたりと、一つのきっかけがとても豊かな関係に広がっていって。
とてもうれしいことです。
3年前に頼んでくださったちょっと変わった収納、そして今回のスリムな食器棚。
家具が私たちをつないでくれます。

それから、ちょっとさみしいお知らせ。
この食器棚でも使っているハンマーでたたいた模様のような揺らぎが特長的なハンマードグラスが今後は入手できなくなりそうです。
人気があったガラスなので、ちょっと残念ですが、この柄に負けないくらいの良い表情のガラスがもっとあるはず。
その時は皆さんと一緒に探しますね。

壁に沿って回り込む食器棚

2016.07.05

201607050012016070500320160705004夏から秋にかけての仕事が慌ただしくなってきまして、急きょ段取りを進めておきたい部分がありまして、柏のNさんの取付はカナイ君とコバヤシ君の二人に任せることに。
今回の食器棚はちょっと変わったかたちです。
当初は、キッチンの真向かいの壁に荻窪のYさんの形をイメージした食器棚を作らせて頂く形で考えていたのですが、お会いしてお話を進めていくと、ちょうどキッチンから外に出られる勝手口のような扉があって、その壁まで家具を添わせて作ることはできますか、と奥様から提案が出たのです。
もちろん、できますよ。
でも、ちょっと難しそうな形状ですね・・。
おそらくレンジフードのダクトの通り道になっていると思われる下がり梁によって天井の一部が変形していて、そこに合わせて高さの違う吊戸棚を付けなくてはいけないこと、カウンターもうまく壁に沿わせてなるべくシンプルな形で固定させなければいけない、といろいろと課題はありましたが、無事に取付が終わったということで、ホッとひと安心。
Nさん、またあらためてご挨拶にお伺いさせて頂ければと思います。
ありがとうございました。

平成建設さんの沼津の現場まで

2016.07.04

今日は、夕方から平成建設さんの現場に打ち合わせに。
沼津に新築されるYさんのご新居にシンプルだけど存在感のあるタモとステンレスを使ったキッチンを作らせて頂くのです。
だんだんと暖かな空気が肌にまとわりつく季節になってきましたが、この辺りは気持ちよく風が抜けるのです。
配管位置とタイルとの納まりを打ち合わせて、9月の設置工事に向けていよいよ動き出します。
昨日は、浦和のご実家から横浜の山手に越す予定のSさんのご実家まで打ち合わせに伺い、だんだんと遠いところから声が掛かる機会が増えてきました。
もし、私たちたちを必要としてくださるのでしたら、どこまでにゆきますよ。
でもね、本当は住んでいる近くに気に入った家具屋さんがあれば、その方にご依頼されるのが一番良いと思うのです。だって何かあったらすぐに来てくれますものね。
それでも、見つからない時はいつでも声を掛けてくださいね。
って言っていたら、大阪にお住いのKさんからお声掛け頂いたのです。
それほど遠距離でも頼んでくださるのだということに、大変ありがたく思っております。
Kさん金曜日お会いしましょう。
楽しみにしております。

チェリーのテレビボード

2016.07.02

20160702001201607020022016070200520160702004久しぶりに厚い板を使った全長2650mmほどの大きなテレビボードを作らせて頂きました。
Kさんから頂いたスケッチを元にできあがった形は、スケッチそのままの通りに仕上がりました。
汗が引かない初夏の好天に恵まれた今日、いよいよその納品でした。
奥様とまだまだ小さなお兄ちゃんは「おぉ。」と喜んで下さり、ご主人もにこやかに家具が設置されていくのを見守ってくださいました。

今回は、アメリカンチェリーの51mmの板を使って42mmの厚みに仕上げて、こげ茶のスピーカーネットと、グレースモークのアクリルがチェリーの色と良く対比していました。
他の樹々に比べて早く日焼けするチェリーは、この日当たりの良いリビングですからあっという間に対比が和らいでまた違った印象を見せてくれるはずです。
また、その時に見せて頂けるのを楽しみにしております。

ありがとうございました。

お守りの灰匙

2016.07.02

「これすてきね。」「かっこいい。」
とマーケットでディスプレイに使っていると必ず声をかけられる銅製の匙。灰匙というものだそうです。
祖母が茶道・華道の師範の腕前を持つ方だったので、亡くなった時に形見分けをしてもらい、私たちの手元に来ました。
ずっと昔から道具として使われていたものが、今現在の感性にも響くものということが、とても素晴らしいことだなといつも感動するのです。これからもマーケットのお守りにしていきます。
そして、そのお守りの効果なのか、「いつか…」と描いたいた夢がひとつ叶う機会がやってきました。
ハンドメイド作品通販・販売サイト「Creema」さんが開催される「Creema ×ISETAN」に参加できることになりました❗️百貨店さんにいつか作品を置いてもらえる日が来たら…と思っていたのですが、ISETAN新宿店さんに置いていただけるなんて‼️本当に嬉しいのです。
9月7日から12日まで伊勢丹新宿店7F催事場にて開催されます。
皆さん是非遊びに来てくださいね。
そして、そのCreemaさんのアウトドア特集ページにiPhonestand「caracol」を取り上げていただいています。ありがとうございます。
http://www.creema.jp/exhibits/pickup/155
ぜひ、ご覧くださいね。

格子柄のあるタモのダイニングボード

2016.06.30

201606300012016063000320160630004Sさんのリビングのリフォームをされていた伊沢工務店の深堀さんは、多摩のNさんのキッチンを作らせて頂いた時の監督さんです。
あの時は、数回お話しできるくらいのチャンスしかなかったのですが、たいへんうれしいことにとても私たちを良く思っていてくださって、今回Sさんから家具の相談が出た時に、「これはイマイさんしか居ないよね。」って声を掛けてくださったのでした。
ありがとうございます。
そして、Sさんと深堀さんを交えて決まった形は、リフォームして入れた建具のデザインを取り入れて全面格子柄に。ちょっと上から見ると引き出しも引き出しに見えない、まるで凹凸のある板だ。
そこをポンと押すと出てくる引き出しを見て、Sさんが「わぁ!」と、うれしそう。
「今度はこのテレビ台かしらね。」とにこやかにそうおっしゃってくださって。
その時が楽しみです。
良いご縁を頂きました。
ありがとうございました。

トイレの白い吊戸棚について考察

2016.06.29

スタジオコンボの茂呂さんとは、十条のYさんの時に知り合ってから、埼玉のFさんの室内設計をお願いしたりと、距離は遠いけれど親しくお付き合いさせて頂いているのです。
その茂呂さんから「トイレの戸棚を作ってもらえますか。」とご依頼を頂いて、本日設置してまいりました。
見た印象はシンプルな吊戸棚です。
ちょっと変わっているのは、左側に換気口があるから扉が管機構に当たらないように扉の幅を左右で変えたところくらい、に見えます。
でもね、シンプルな形でもあれこれ悩みながら作ったのです。

できればシンプルな四角い箱にしたかったのですが、トイレの間取りって、半分近くがトイレのドアを開けると便器が正面にあってこちらを向いているレイアウトが多いのです。トイレという部屋いっぱいに入り口のドアがついているわけではなく、ドアはトイレの室内の幅よりも少し幅が狭い。そうなると、戸棚をつける時に戸棚をヨコにしてトイレに持ち込んで、トイレの中で半回転させるのです。
その時に、設置場所の幅めいいっぱいで作っちゃうと、半回転させようとしてもつっかえちゃう。
戸棚の幅と奥行に対して対角線がトイレの室内の幅を越えるとつっかえちゃうのです。
むかしむかしに、マンション向けのシンプルな戸棚をたくさん作っていた時にこの失敗で20台近く幅を修正直した経験がありまして・・。
ですので、対角線で考えて戸棚の幅を決めると、どうしても設置場所の幅よりも戸棚の幅が小さくなっちゃう。
それで、そこをどう仕上げるのか・・、悩みます。
茂呂さんと決めた方法は、一番手が込んだ仕上げ方法。
上面と下面の隙間を埋めたあとに、正面は扉と同じに見えるようなパーツで端を仕上げるという形です。
普通なら1時間もあれば終わる作業も、このような仕上げでさらに戸建て住宅だと天井に廻り縁が回っているので、その欠き込みなどもあって、一人でモクモクとやっていると3時間近くあっという間に経ってしまう。
シンプルな形でもこれだけの工程を経てようやくすっきりとした形ができあがります。

「妻が帰ってきたら、喜びますよ。イマイさんありがとうございます。」と茂呂さん。

また次回、お仕事でご一緒させて頂ける時が来るのを楽しみに待っています。
これからもよろしくお願いします。