handicraft
「ナラ板目無垢材とステンレスバイブレーションのオーダーキッチン」
中野 H様
design: Hさん
planning: daisuke imai
producer: tsuyoshi kawaguchi
painting: Hさん
ある日、お電話を頂きました。
シンプルなキッチンを考えていると言うHさんからでした。ある程度お話をさせて頂き、あらためてメールを送って頂いたのでした。
「先ほどはお電話にてありがとうございました。
希望するオーダーキッチンは、ステンレス天板を木のフレームで支えるような、シンプルなものを基本に、その中に食器洗い乾燥機と縦一列分の引き出し(上段は包丁などを入れられる普通の引き出し、その下にスパイスラック希望)、鍋等を置ける棚板2段(上段はワイヤーシェルフにつかわれるようなもの、下段はステンレス板)を入れ込みたいです。
また実は以前のキッチンのレンジフードのみ残っておりそのまま使用したいのですが、それがキッチンが来る予定の場所の向かって右端から250mmのところから、600mmぶんついています。ですので自動的にその下にコンロがくる形になるかと思います。
その他、下にまとめます。
○サイズは幅2400mm、奥行き650mm、高さ850mm
○壁付けI型
○天板はステンレス。SUS304のバイブレーション仕上げ。ステンレスの厚み1.2mm
○その他の部分はナラ無垢材(構造的に無理がある部分は、無垢でなくてもよいです)
○導入予定機器:
GAGGENAUのIHクッキングヒーター(CL261-112)
Panasonicの食器洗浄機(NP-45MD5W)
TOTOの水栓(TKN34PBS)
組立費用、運搬費も含め、見積もりをお出しいただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。」
と言うものでした。
キッチン本体を無垢材で製作すると言うのは、覚悟が入ります。木は必ず動くものでして、湿気や乾燥の影響を受けても動かなかったらそれは木とは言えないです。そんなわけで、水場で無垢材を使って箱を作ることにはなかなか覚悟が入るのです。
しかもキッチンとなると、その場所に造り付けになってしまうわけだし、もし、経年変化で歪みが大きく出てきたら、どう対応するべきか、なかなか悩ましところなのでした。
ですが、そのようなリスクも説明させて頂いた上で、Hさんはそれでも、無垢の豊かな表情に憧れて、了承してくださったのでした。もともとがセルフビルドを目指したキッチンと言うことでしたので、多少の困難は自分たちで何とかすると言う気持ちを持って望んでいらしたので、今回はほとんどを無垢材で製作することにしたのでした。唯一、合板を用いたのは、必ず汚れやシミがつくであろうと思われるボトルラックの部分だけです。それ以外は、テーブルの脚部を作るようなシンプルな構造で組んでいきました。
Hさんの希望としては、素材感が良く現れる形にしたい、と言うことでした。当初は奥様と打合せを進めていたこのキッチンですが、ご主人もだんだんとそのキッチンに魅力を感じてくださって、最後にはご主人の意見で天板は5mmのステンレスバイブレーション仕上げの無垢板を載せたとても存在感のあるキッチンとなったのでした。総無垢で、さらにステンレスも無垢と言うかなりの重量になったこのキッチン。初めての試みで、うまくいかなかった部分もいくつかあり大変苦労もしましたが、このナラの表情を見ると本当にうれしくなります。今後の家具作りの良い勉強になりました。
天板 | ステンレスバイブレーション無垢t=5mm |
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扉・前板 | ナラ板目無垢材 |
本体外側 | ナラ板目無垢材 |
本体内側 | ナラ板目無垢材 |
塗装 | ワックス仕上げ(Hさんが施工) |
ナラ板目無垢材とステンレスバイブレーションのオーダーキッチン
価格:520,000円(制作費、塗装はお客様施工、設備機器は別途)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は40,000円から、取付施工費は80,000円から)