丘から望めば
「ホワイトアッシュとブラックEP塗装仕上げの扉とステンレスヘアラインのオーダーキッチン」
川崎 Y様
design: ica associates
planning: ica associates/daisuke imai
producer: tsuyoshi kawaguchi
painting: tsuyoshi kawaguchi/daisuke imai
icaaさんから新たにキッチン製作のご依頼を頂いたのでした。
独創的なデザインのキッチンです。素材のイメージとして、icaaさんのスタジオに設置されている黒とタモのコントラストのあるキッチンをベースに、そのイメージから、木部分をもう少し色みの明るいホワイトアッシュを使うことにし、扉などの表面材にはエマルジョンペイント仕上げを採用したのでした。
エマルジョンペイント(通称EP塗装)とは、一般的に言われているペンキ仕上げですね。今回は黒のツヤ消しで仕上げています。ローラーで仕上げているのでとても上品な感じに仕上がりました。ペンキ仕上げなんてって、施工するまでは自分も簡単な仕上げと思っていたのですが、外壁塗装のプロである弟のイマイユウスケの指導を受けながら、いろいろと学んでいくとやはり奥が深い。きれいにハケ跡を残さず塗る方法や、ローラー跡もあまり目立たせない方法など、いろいろと施工しながら学んでいき、丁寧に仕上げることで、均質なマットな仕上がりにできるのです。
でも、ツヤ消しは、こすっているとツヤが出てきちゃうのです。それはそれで使い込んでいくとどんな表情になるかが楽しみなのです。
また、写真を見ると分かるのですが、この壁面収納の一番右は本棚になっています。その本棚は背板がなく、壁が現れていますね。どのように施工したかは、フフフッ、秘密です。
この背板を隠すデザインと、本棚の棚1枚1枚がとても大きいために、工場で組んで持ってくることができずに、ここで組み立てることになったと言うあたりがなかなか大変だったのでした。
さらにさらに、ここに運び入れるのもひと苦労なのでした。
このYさんの立地は、とてもステキなところで、川崎の街の中なのに小高い丘があるのです。丘と言うか小山のような場所です。車も入りにくいし、歩いて上ると息が切れてしまうくらい。
でも、その眺望は魅力的で、この家を設計したicaaの石子さんはまるで空に浮いているようなデザインでリビングを仕上げています。そのため、エントランスからリビングまでのアクセスがとてもとても大変なのでした。
さきほどの大きな本棚は、2階のエントランスからクランク状になった廊下からの搬入は難しいため、一度下の階に外から下ろすのですが、それが普通のワンフロアよりも下がっていて、さらに階段がないため室内から1階の外に出て、そこで降りてきた家具を受け取って、そこから2階のバルコニーに上げるという、まるでゲームのような作業を繰り返してようやくこの全てが搬入できたのでした。
でも、ふと一息つくと見えるここからの眺めは、その苦労もさっぱり消してくれるほどです。
まるですてきな舞台のようなキッチンになったのです。
天板 | ステンレスヘアライン/ホワイトアッシュ板目突板練り付け |
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扉・前板 | ホワイトアッシュ板目突板練り付け/シナ合板EP塗装仕上げマットブラック |
本体外側 | ホワイトアッシュ板目突板練り付け/シナ合板EP塗装仕上げマットブラック |
本体内側 | ポリエステル化粧板「ホワイト」 |
塗装 | ワトコオイル塗装「ホワイト/」EP塗装マットブラック |
ホワイトアッシュとブラックEP塗装仕上げの扉とステンレスヘアラインのオーダーキッチン
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