ナラのダイニングテーブルとナラ節アリ突板のカップボード
2018.07.30
新しいのに懐かしいのでした。
Sさんのところにお邪魔させて頂こう、と思って納品の時にみんなが撮ってきてくれた写真のモダンな室内を思い描いていたのですが、リビングに足を踏み入れるとちょっと違ってちょっとうろたえました。
Sさん自身が設計士さんですのでリノベーションしてとても静かで洗練された空間になっていたのですが、なぜか自分が小さな時を思い出したのでした。
築年数がそう思わせたのか、何がそう思わせたのか。
帰り際、マンションには珍しい空間となった長い土間のある前室のような場所で、お兄ちゃんたちが遊んでいました。
「子供たちが遊びに来たら、もうここで遊ばせちゃえば良いかなって思って。」とSさんがはにかみます。
そうか、そうか。
Sさんの家は広いのです。広くてひと間になっているのですが、いつもどこかで誰かの声が聞こえるような空間。自分が子供のころに過ごしたあの団地のように心地良くざわざわしている空間。
子供達にはお母さんの気配が心地良く流れてくるし、お母さんには子供たちの喧騒がきちんと耳に届く家。
みんながみんなでしっかり呼吸している家だ、って感じたのです。
ふふん、とうれしい気持ちで帰ってきたのでした。