最後の仕上げ
「ナラ板目材とステンレスヘアラインのオーダーキッチン」
逗子 M様
design:Mさん
planning:daisuke imai
producer:masakane murakami
painting:Mさん
茅ヶ崎のベストホームさんからの大変久しぶりにご相談を頂いたのです。ベストホームさんは地元でのお仕事が多いので、どちらかと言うと海に近い地域で家を作られることが多いのですが、今回のMさんのお宅も逗子ということで、海のそばです。いろいろと考えながら作らないとね。
まずは基本的なご要望をうかがって原案を作って検討して頂きました。それからしばらくして、担当の五十嵐さんからご連絡があって、私たちのところにMさんが見学に来て下さることに。ありがとうございます。
キッチン作りは、今まではどちらかと言うとその家に住まれる方から直接ご相談を頂くことが多かったので、皆さん私たちのウェブサイトで木のオーダーキッチンってこんな感じっていうのをある程度イメージされていると思うのですが、ハウスビルダーさんや設計事務所さんを通じてご相談される皆さんは、私たちがどのようなものを作っているかご存知無い方も多いのです。それだけに緊張するわけです。
そして、Mさんご家族到着。皆さん、日に焼けて海が似合いそうな笑顔です。
さて、どんな話をしようかな・・。
すると、奥様。
「実はイマイさんのホームページは前から見ていましたよ。」と聞いてなんだかひと安心。
そこで、ウェブサイト内でも触れているのですが、木のキッチンを使う場合の注意点やその良さなどを、実際にキッチンや家具などを触ってもらいながらお話を進めます。特に海に近いので、素材も考えなくてはいけません。それで、いろいろとお話をすると、奥様。
「うん、面白い。」と。
使い手である自分に合わせて、好みの素材を選んで自分のキッチンでの動き方をイメージして、そうして、自分を見つめ直していくと、ひとつの形が生まれるのです。それが面白いのです。
そう思って頂けるとお話しはスムーズに進みます。
そうして、形はまとまり、素材は、無垢材だけではなく、突板(無垢材をうすくスライスして合板に貼った板で、軽くて反りの起きにくい板を作ることができます。)を主に使って作ることに。耐久性が必要なところには無垢材を使って、掃除が必要なところは化粧板を使って。そして、塗装はMさんご自身で。
そう、オイル塗装は自分で塗装できることが大きなメリットです。突板は、無垢材に比べて表面の仕上げ材の厚みがうすいのですが、オイル塗装でもきれいさを保つことができます。我が家のダイニングテーブルなんて、天板にケヤキの突板を使っていて、もう11年も経つのですが、時々こうしてメンテナンスをして使っているだけで結構きれいなのですよ。
参考:「ダイニングテーブルのメンテナンス」
ですので、使いながら自分で育てていくキッチンにしよう、ということでMさんにオイル塗装をして頂くことになりました。
こうして、Mさんのキッチンはできあがりました。と、簡単にお話が終わってしまいましたが、Mさんのご新居のアクセスが大変で、トラックが入れるかどうかだったことや、バルコニーから荷上げしようと考えていたら、足場の解体が大変なことに気付き、急きょヒヤヒヤしながら階段から上げたことなど、いろいろなことがありましたが、これからが一番大事。
私たちの仕事はここまで。ここからがMさんたちの大事なお仕事。
塗装をして、お手入れを続けて、Mさんの暮らしにキッチンが馴染んで、オークが日焼けして色が濃くなって、塗料の油分でツヤが落ち着いて。
数年後、ここがどんな姿になっているのか楽しみです。
お嬢さんがもう少し大きくなったら、きっとお母さんとここでお菓子を作るでしょうし、ご主人も海風を感じながら、ご飯ができる様子を眺めることができるでしょう。
後日お邪魔させて頂いた時に、家の中心にキッチンがある温かさが、そう伝わってきました。
天板 | ステンレスヘアライン |
---|---|
扉・前板 | ナラ板目突板練り付け |
本体外側 | ナラ板目突板練り付け/ナラ板目無垢材 |
本体内側 | ポリエステル化粧板「ホワイト」 |
塗装 | ワトコオイル塗装「ナチュラル」(Mさんが施工) |
天板 | ナラ板目無垢材 |
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扉・前板 | ナラ板目突板練り付け |
本体外側 | ナラ板目突板練り付け |
本体内側 | ポリエステル化粧板「ホワイト」 |
塗装 | ワトコオイル塗装「ナチュラル」(Mさんが施工) |
ナラ板目材とステンレスヘアラインのオーダーキッチン
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