オーダーキッチン「クルミを使ったキッチンのご紹介」
2019.09.08
先日お伺いしたOさんのキッチンもそうですが、ここ最近はクルミ材の表情がとても良いですね。、とご相談頂くことが増えてきました。
私たちの展示室である打ち合わせで使用しているテーブルもクルミ材で作っていますので、実際に使っている様子がよく分かって、その表情も良くて、好まれる方々が増えてきているのかもしれません。
今まで作らせて頂いたキッチンの製作例の中でも、クルミを使ったキッチンや食器棚などの家具たちがとても人気があるので、写真で見るだけでもそのやさしい表情が皆さんの気持ちのなかにその良さが伝わる樹種なのでしょう。
クルミってどんな木なの?
皆さんがよく耳にするブラックウォールナットという木は同じクルミ材ですが、こちらはもともと濃茶の木肌を持った材で無塗装の状態だとチョコレートアイスクリームのような色あいをしております。
それがオイルを塗ると、いつもよく見る黒に近い色に変わっていきます。
ただこの材は、紫外線の影響で年々色が抜けていき、4~5年もすると淡いクルミの色に近づいていく、そういう性質の樹種です。
そして、最近人気があるクルミ材は、もう少し色が淡くてこちらは使っていると少しずつ色が濃くなっていきます。
導管(木の水分・腰部鵜を通す道)が木の年輪に沿って並んでいる環孔材と違って、木の内部全体的に導管が通っている散孔材なので、同じくブラックチェリー、アルダー、カバ、のように木目が細く見えて、表面の凹凸も少ないため、とてもやさしい表情に見える樹種のひとつです。
その中でもクルミは時々黒いシミのような小さな節があったり、心材のオレンジっぽい部分と辺材の黄緑っぽい部分がとても自然な様子(というか、なんというか言葉にしづらい部分です。)が好まれていて、最近家具にする機会が増えてきました。
クルミの無垢材を多く使った制作例
【豊かな色】
キッチンとして作る時は、ワークトップにはステンレスのほかに人工大理石を使う方も多く、コーリアンでいうと濃色の「ラバロック」や「コンクリート」と合わせることも多く、「美しいという印象」というよりは「少し癖があって使い込まれていく様子がよく分かる印象」に仕上がる様子が好まれているのかなと思えます。
ただ、クルミは無垢材と突板とで印象が変わることがあるのがちょっと難しいところ。
無垢材は、写真で見て頂いているように褐色と黄緑色っぽい色の材が多いのですが、突板になるともう少し赤みが強くてカバのように見えたり、ブラックウォールナットのように見えたりとバラつきが多いのですが、突板屋さんに注文すると少し赤みがあるクルミになることが多く、突板屋さんもいろんな単板(突板の基になるうすい無垢材)を持っていることは少ないので思っている色よりも少し違うこともあったりして。
でも、突板にしても無垢にしてもそういう色や木目との出会いは一期一会ですので、巡りあいと思って楽しんで頂けると私たちとしてもうれしく思います。
クルミの突板を多く使った制作例
【はじまりは半円形】
【ラフラフ】