私のアトリエ、まずはテレビボード
「シナのテレビボードのオーダー」
海老名 イマイ邸
design:akiko/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:iku nogami
painting:iku nogami
テレビボードを紹介しましょう。
ひと昔前はテレビボードというと壁一面にしっかりした家具を作ることが多かったのですが、ここ最近はテレビというと部屋のすこし際に寄った位置でどこかおしとやかに佇んでいるような印象を受けるのです。昔みたいに部屋の真ん中にでんと構えて家族みんながテレビを囲むという過ごし方も少なくなってきて、各々で、スマートフォンだったり、パソコンだったりといろんな方法でいろんな映像を見られる時代になってきました。レンタルビデオショップに行ってお気に入りの映画を繰り返し見ることも少なくなり、それを再生したり録画したりするビデオデッキなども持たずに映画がケーブルの中を伝ってテレビ画面にやってきてしまう時代になりました。
そうなると、大きなテレビボードが必要というご家庭は少なくなってくるのではないでしょうか。
私たちも同じでテレビ自体はそれほど大きなものを必要としていなくて、(それでも40インチという今までの暮らしでは思いもよらない大きさです。)その下にしまう機器類もわずかです。
それならコンパクトで佇まいの良いボードを作りたいと思いまして、機能重視というよりは美しいかたちを自分なりにあれこれ悩んでみたのです。
自分が子供の頃はよくテレビを見たものでした。
そして、ゲーム機なんてちょうどはやり始めた頃でした。
赤白のファミリーコンピュータと青白のぴゅうたJrの2つのゲーム機が当時戸塚の西友に買い物に連れて行ってもらった時に売っていたのですね。どちらのゲームが楽しいかなんてよく分からずに、誕生日プレゼントとして選んだのは青白のほうでした。しばらく荒いドットのゲームを楽しんでおりましたが、赤白のほうがどんどん楽しいゲームを発売してくるではないですか。
あの時は本当に悔しかったですね。それからゲームはつまらなくなってしばらくして飽きてしまって、テレビばっかり見ていたような気がします。
子供の頃に見た番組というのはよく覚えていて、今でもよく思い出すのがドリフターズがクリスマスにコントをする番組でした。あの番組がテレビから流れていて、小さな団地の今には母が飾ってくれた電飾がちかちか瞬いて、父はいつも仕事が遅くてまだ戻らず(その頃はまだ家具屋さんではなかったのです。)、弟と3人でクリスマスケーキを食べたことをよく思い出します。
そういうふうにいろんな番組からよみがえる子供の頃の思い出も、今の視聴するスタイルでは多様すぎて思い出も複雑になっちゃうのかなあ。
そんなことを思ったりします。
話がずれましたが、テレビボード。設置する場所はもともと福原さんと相談して、階段の下に置こうという予定でした。
ですので、踏板しかない階段の隙間からテレビボードが目に入ってくるので、そういう上から見た時もきれいな形にしたいなあというのも私の気持ちのひとつでした。
以前の住まいで使っていたテレビ台は高さがかなり低くて、家族みんなはその高さになれていたので、あまり背の高くなく、幅のそれほど大きな印象を受けない程度のつつましやかな形を目指したのです。
制作を担当してくれたノガミ君には細かい作業ばかりで大変な思いをさせてしまいましたがおかげさまで良いかたちになりました。
格子扉のシナのテレビボード
価格:350,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は10,000円から)
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