家具を身近に感じられるように
2020.06.13
おおよそ形が決まったらできればスケッチを描いて皆さんにお伝えするようにしています。
図面を見せても分かりづらい部分って多いですので。
以前にも書いたかもしれませんが、一時期はパソコンでパースを描くほうが良いと思っておりました。
そこで、いつも使っているCAD(私はJWを使っています。)についている2.5次元というのをしばらく使っていたことがありました。
そのうちにもっとリアルの表現できるものに挑戦してみようかな、なんて思っておりましたが、何だか覚えることが多くて難しくってね。だんだんと遠ざかってしまっていたのです。
でもそのうちに、手で描くことで伝わることはけして少なくないのだと気づいたのでした。
それを福原さんにも教わったことがあります。まだ私たちが学校を出てまもなくの頃だったでしょうか。
彼の仕事を手伝わせてもらえることになった時に、洗面台の図面を手書きで書いていたのです。
おお、手描きだ、なんて思ったのですが、彼が描く線が自由なのです。
太い線は影やエッジになり、細い線がジョイントになる。
強弱がついた線が陰影になって行くと、洗面台の図は一枚の絵になっていました。
線は自由に走り、いつの間にか家具になってゆくのです。
私が心掛けているのは、二点透視で描くこと。
一点透視で物事を見られる場所って、線路の上とか、北海道の長い直線道路とか、とても限られているように思えて、普段の日常の視点には二点のほうが近いだろうなと思っているのです。
(つい先日は三点透視の絵もここに載せました。気づいた方いらっしゃいますか。)
いつも見ている感じで見られるようなスケッチ。それが良いなと思っています。
先日のT-SITEでのイベントの時に、雰囲気のあるおじさま(と言っても私とそれほど年は変わらないと思えました)が長い時間ブースに居てくれて、家具を見ながらスケッチを見ていってくださったのでした。
なかなか雰囲気があって声が掛けづらいなと思っていた(私は小心者なのです)ので、アキコが挨拶に声を掛けると「いやあ、すてきなスケッチです。」そう言ってくださったのでした。
「しっかり合っているんですね。」と。
そういうふうに感想を言って頂けたことなんて今までなかったので、とてもうれしくなったのです。
「実はイマイさんのファンなのですよ。」
おじさまからそう言ってもらえることもとてもうれしくてね。
そう、今回のこのスケッチはちょっとずれちゃったかもしれませんが、なるべく寸法の感覚が揃うように心がけているのです。
これは460ミリの奥行で、これは1500ミリの幅でって。
感覚が見合っていればきちんと使いやすい形が見えてきます。