会えていると思う

2020.10.03

そもそも今日は定休日なので、四街道から戻ると工房はひっそりしたままでした。
「ただいま。」
2階に上がる戸を開けると、アイが迎えてくれた。
今朝のアイのご飯を父に頼んでおいたのだけれど、どうやら外には出してもらえなかったらしいね。
いつものラフな格好じゃない私を見て、(なんだよ、おじさん。)って顔してみているけれど、「アイ。」って呼んだらいつもの私だと気が付いたらしい。
ひと通り裏庭で遊ぶようなので(土の上でゴロゴロしちゃっているよ。)彼を一人置いたまま、2階に上がり事務所の戸を開けて(彼はここから出入りする)一息ついた。

「東一番丁、ブラザー軒。硝子暖簾がキラキラ波うち、あたりいちめん氷を噛む音。」
「ぼく」は「おやじ」と「妹」に会えてうれしそうに氷を噛んでいるように聞こえたんだ。

自分には誰か会いたい人が居るかな。静かな工房を見ているとふと思った。
やっぱり猫たちかなあ。
私が父が始めたこの仕事を手伝い始めてから工房にはほぼ猫が居た。
古い工房の時なんて、いっときは13匹も出入りしていたよね。
みんなどっか行っちゃったし、今はあまり野良さんが良く思われなくなってきていることもあって、それほど多くは見かけないなあ。
時々来る強そうなブチと、アイとおんなじ真っ白なヒト、くらいしか見かけなくなっちゃった。
あと、時々フトシ(だろうか)も見かけるね。
でも、毎朝みんなに挨拶しているから、みんなには相変わらず会えていると思う。みんな元気でやっていると思う。
独りよがりだけれどそう思っています。