版画美術館へ

2021.07.15

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ふと目をやると、ここのタイルの入隅と出隅の納まりが美しいことに今気が付きました。
暇があれば美術館に出入りするのが好きで、今日は版画美術館へ。
このところ打ち合わせの移動中に読んでいる本が戦前戦中の京都や銀座の町並みが良く出てくるお話を読んでいるとその生き生きとしたその様子に憧れてしまって、さらにはその時代の好きな川瀬巴水さんの版画も展示されているということで楽しみに出かけてきたのです。
でも浮世絵っていうと今まであまり興味はなかったのですが、広重、清親、巴水の3人の画家が描くその当時の生活風俗の様子にクスっとさせられたり、ほろッときたり、まさしくその絵の中で生き生きした様子が描かれていてこれはおもしろいと思ったのでした。
今回は風景にスポットを当てていたので、当時の風俗と言いうよりは風景の中にいる人々のささやかな様子が見られて楽しかったのです。
江の島、ズッシリした藤沢遊行寺、品川、おもちゃのような箱根、不忍池に猿橋など身近な場所の当時の様子が生き生きしていた。
その情景とは別に、広重の描く茶屋の重なりが望遠レンズ越しに見たように圧縮されて大きな塊のように見える様子や、三人が描く空気遠近法(恥ずかしながら初めて聞きまして)の美しい様子など、巴水の夜などその見せ方の魅力に囚われて、行ったり来たり楽しい時間でした。
私の住む町海老名もだんだんと大きくなっていく様子に魅力はあるのですが、美術館ができたらうれしいなあ。

そういえば、専門学校時代の最後の課題は、家具屋のくせに建築の課題をやっておりました。
その頃は寒川の実家住まいでしたが、相模国分寺がある町ということで海老名にスポットを当てて、ちょうど農業高校の前の田んぼを使って、そこに塔、金堂、講堂、僧房の配置に合わせて、4つの建物を作り、見た目は田んぼのような原っぱで、地下に潜る階段を行くと中が美術館になっているという海老名市立美術館を作る、なんて課題をやっておりました。
当時はパソコンもろくに使えないので、A3のケント紙に直に作図して、歯ブラシと金網を使ってスパッタリングでざらついた芝生を描いたりして、仕事をしながらも何だか楽しく頑張っていたような。
いつか自分のまちにそういうすてきな文化施設ができると良いなあと願っているのです。