Kさんのソファ:スタッフ ヒロセ君の制作日記

2021.07.23

今回はタモ板目材を使ったソファとサイドテーブルを担当させて頂きました。
ソファのサイズは、幅2,555ミリ、高さは705ミリ、奥行は860ミリあります。
横に置くサイドテーブルと合わせると全長3,415ミリになり、すごく幅のある家具になっています。

設置させていただくのは2階のリビングです。
玄関から廊下を通って階段があるため、このソファのサイズや重量を考えると搬入がなかなか困難になりそうという判断でパーツ毎に作って現場で組み立てる事になりました。
横方向に延びる伸びるパーツ(背板や地板など)は、途中で分割されていないために1枚で作らなければなりませんが、制作するための芯材の長さはが2,424ミリ(8尺)+僅かな伸び代しかないため、つないで作らないといけません。
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普段はどこで繋ぐかを気にすることは少ないのですが、ソファは人が座り荷重がかかる物なので、少しでも強度を下げないようにどこで繋げば余計な負担をかけずに 荷重を脚部に逃がせるのか考えながら繋ぎました。
地板は多少寸法の違う18ミリ厚のものが2枚重ねになるのですが、お互いの繋ぎ目を変える事により、現場で組み立てた時により強度を増すことができるような作りにしてあります。
それ以上に今回大変だった部分としては、クッション取り付け後はあまり見えなくなってしまうところなのですが、背もたれになる部分は勾配になっているため、それぞれに貼り付ける突板のお互いの木口面を斜めにカットしないとピッタリに貼ることができません。
計算上5.65°の角度にすれば良いことがわかりましたので、昇降盤と言う機械の鋸刃を斜めに倒し加工するのですが、工房の機会は旧いアナログタイプでメモリがデジタル表示ではないため、細かな角度は5.65°の治具を作り角度を合わせ勾配にします。2枚の突板がピッタリ合うよう仮当てしてペーパーで微調整を繰り返しやるのですが、長さもあるため、なかなかピッタリいかず苦労しました。
そして速乾ボンドと白ボンドを併用し貼り合わせていくのですが、一度貼ると剥がすのが非常に困難なため、貼り合わせは何度やってもすごく緊張する作業です。
こうして、各パーツを仕上げて仮組みをして組立てに問題がないかを確認して完成させることができました。
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そして先日、無事納品させていただきました。
分割しているとは言え、1階から2階へ運ぶのに無事搬入できるか不安のあるところでした。
実際現地を確認すると、事前の打ち合わせ通りに階段部分が吹き抜けていたので、そこから縦方向に荷上げすることができそうです。
そこそこ重量のあるパーツも有り、階段を足場代わりにしての荷揚げなので、少し大変ではありましたが分割していた為スムーズに搬入できたと思います。
現場での組み立ても予定通り進めることができて無事に組みあがり、ひと安心いたしました。
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実は、ソファを組み立てた状態でクッションを置いた様子は今日初めて見たのですが(工場だとクッションがホコリをかぶってしまう為)シンプルだけどすご く存在感のあるソファに仕上がったと思います。
そして設置されたその様子は、Kさんのご新居に早くも馴染んでいるようにも見えました。