作り、使い、そして育つ
「収納と一体になったカバのダイニングテーブルのオーダー」
鷺沼 O様
design:Oさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:hidenori terai
painting:haraki tosou
Oさんが上のスケッチを添付してメールを送ってきてくださいました。ダイニングテーブルとそのテーブルにピタッとつけられるカウンター下収納と、そしてダイニングの壁の幅ピッタリに造り付ける食器棚をオーダーで作りたいという内容でした。
まずは、そのメールと一緒にスケッチを頂いていたので、それを元に作図をして概算見積を出してみます。
うん、大きさは大きくても構造はシンプルなのでそんなに難しくなくできそうです。
でも、ひとつだけ気にかかる部分がありました。
塗装の色についてです。
Oさんが希望されているのは赤茶色い仕上がり。オイル塗装仕上げにする場合はもとからこのくらい赤みを持った木はありません。そこでオイル塗装仕上げではなくてウレタン塗装で着色して仕上げるように考えたのですが、かなり塗装費が高くなってしまう。どうしましょう・・。
ひとまず、着色にするとこのくらいの金額でという参考にしてもらって、もし、オイル塗装仕上げやウレタンクリア仕上げでよい場合はもう少しコストダウンできますよ、と言う説明をして、ひとまず「塗装の仕上がり色は置いておいて、製作をお願いします。」と言うことになりました。
そして、Oさんのお宅に採寸と細かい部分の打合わせに伺います。
ところで、Oさんはメールの文章がとてもきちっとされている方でしたので、とても厳しい方なのかな・・、なんてちょっと思っていたのですが、(それでも自転車に乗る格好でお伺いしてしまいましたが・・。)お会いしてみるとまったくその反対で、何と言うか従兄弟のお兄さんと言う印象の方でした。
「実はね、私はゼネコンに勤めているので、こういう世界のお話は分かるんですけれど、やっぱり職人さん大好きなんですよ。呼ばれなくても現場に行っちゃうくらいです。実際に作っている人たちと話ができるのっていいじゃないですか。このソファもね、張り屋さんといろいろ話しながら直接決めて張替えしたんです。オーダーして作る家具ってやはりそういうところが醍醐味だと思うのです。」そう、朗らかに語ってくださいました。
「あいだが入っちゃうっていうのは良くないですね。他のお店にも当たろうと思いましたが、担当してくれる人はお店の人だから、話がちょっとずれちゃったりするのがいやだったんです。」といろいろと打ち合わせの他にお話をさせてもらいました。
何だかとてもうれしくてお話を楽しくさせてくださる方です。
帰り際に「もし、よろしかったら家具の製作期間中に工場まで遊びに来てくださいね。」とお誘いすると、「いいんですか。必ず行きますよ。」とそう楽しそうにおっしゃってくださいました。
それで、結局色は赤みが強くなくても良い雰囲気になりそうなリビングダイニングでしたので、チェリーかカバザクラをウレタンクリアで仕上げることにしたのです。
そして、家具の製作途中に来て頂いて、そして、取り付けも問題なく無事完了。
見学に来てくださった時も、取り付けにお伺いした時も、何よりもOさん本人が一番楽しそうでした。
「私のようなサラリーマンがこういうふうに家具をオーダーすることってかなりの勇気がいるんですよ。だから、なおさらいろいろと相談にのってくれるところじゃなければ気に入らなかったんです。ずっと使い続けていくものだし。」
そうですよね、家具は使わないとただの物でしかないですものね。使い続けることで私たちも家具も良いものに変わり、育っていくのでしょうね。
素敵な家具を作らせてもらうことができてこちらこそうれしい気持ちでいっぱいです。
カバザクラのダイニング壁面収納と収納一体ダイニングテーブル
価格:1,100,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は30,000円から、取付施工費は70,000円から)
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