Yさんのナラ柾目の食器棚
2021.10.02
「イマイさんにとってはそれほどめずらしい形ではないかもしれないけれど、設えてもらうというのは本当に心地良いです。」
相変わらずさばさばしたYさんの笑顔。
まるで親戚の姉さんのうちに遊びに来たような感じですが、ここは柏です。
Yさんには、ナラの柾目材とステンレスを使った食器棚と下駄箱を作らせて頂きました。
たしかに珍しい素材の使い方ではなく、作り方も複雑というわけではありません。
でも、いつかどこかで見ていたような形で、家具の形もYさんご夫婦の佇まいもとても身近に感じさせてくださる何かがあるのでしょうね。
そういうふうに気の合う家具にすることができたというのは本当にうれしいことです。
あとでYさんが、こういう言葉をプレゼントしてくださいました。
柳宗悦さんの言葉です。
「工藝は伴侶であり、兄弟や姉妹である。共に一家で朝な夕なを送るのである。そうして吾々の労を助け、用を悦び、生活を温めてくれる。それらの者に取り囲まれて、この世の1日が暮れる。」
うれしいですね。
「工藝」とまで言われるととても恐縮してしまいますが、日用使いの家具を常日頃から作りたいと考えているものですから、とてもうれしい言葉です。
良い形は使いやすい形です。
使いやすい形は、いかにその人の暮らしに馴染んでいるかです。
いかにその人の暮らしに馴染んでいるかを知ろうとするには、その人とよくお話をして、その人のことを知ることです。
言葉にすると簡単なことですけれど、なかなか難しかったりします。
こうして、家具を使っている様子を拝見させて頂くこともその人を知るとても大切なこと。
そして、こういう気持ちも頂けてうれしいのです。
Yさんありがとうございました。