晩酌

「アルダー材のちゃぶ台のオーダー」

寒川 T様

design:daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:tsuyoshi kawaguchi
painting:tsuyoshi kawaguchi

アルダーの折りたたみテーブル

天板は、完全な楕円ではなく、少しゆるい四角と言った印象にしました。

前回、ベビーダンスと授乳用のスツールを作ったお茶のまるしげのあかねさんに「次は座卓をオーダーしたいと考えているのです。」と言われていまして、ようやく作る機会ができました。
あかねさんもご主人もいつものように、ほぼ形についてはお任せです。ただひとつ、「普段折り畳んでしまえるように、ちゃぶ台のような感じにしたいのです。」とのこと。
うーんどうしようかなあ。
まずはちゃぶ台の考察。温故知新。
よく出来ているんですよね、昔の家具って。
○折り畳まれた脚を起こしてその脚を固定する幕板をパタパタと起こす。幕板は摩擦が大きすぎてパタパタと起こす動きが堅くなると、食事の支度をする女性では扱いにくいので必要な部分だけが脚と接するように幕板の設置面に傾斜がついている。
○脚は起こした幕板によってしっかりと固定されるような位置に無ければいけない、じゃないと使っていてグラグラし過ぎてしまうから。
○また脚も長すぎる(天板面までの高さが高すぎる)とやはり脚のグラグラ感が大きく感じてしまう。
○天板は、女性でも転がしてしまいやすいように円形をしている(一説)
などなど・・。
そういう優れた点を踏まえて、製作を担当した河口君と一緒にどうしたらよい状態になるかを探りながら作っていきます。昔ながらの形そのままでは面白みがないと思い、見た目のバランスを考えながら、ちゃぶ台の機能が活かせる形に。結果として、良いバランスの家具となりました。
「できあがりを楽しみにしていたんですよ。特に主人はいつも仕事から戻ると、あっちのダイニングテーブルじゃなくて、ここに座ってお酒を飲みながらゆっくりと食事をするのが好きで。だから、イマイさんの座卓ができたらここで晩酌できるのが楽しみだって言っていたんです。」
お酒を楽しむご主人の姿が浮かぶようなうれしい言葉。
「イマイさん、実は次は父がほしいと言っているものがあるんです・・・。」
楽しみです。

アルダーの折りたたみテーブル

角は丸く。あまり丸くしすぎると形に緊張感がなくなってしまうように思えましたので、バランス良く面を取りました。

アルダーの折りたたみテーブル

折り畳んだ時の印象。

アルダーの折りたたみテーブル

脚を開くとこのような感じ。実際に作ってみると、良く考えられた構造だと言うことが良く分かります。

アルダーの折りたたみテーブル

幕板のデザインと「かんざし」という角の接着を補強する部材の印象。

アルダーの折りたたみ式ちゃぶ台

価格:190,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は9,000円から)

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