カモノハシ氏とイヌノミミ氏
「アルダーのダイニングテーブルとチェアのオーダー」
寒川 S様
design:Sさん
planning:daisuke imai
producer:gaku suzuki
painting:gaku suzuki
「もうすぐ新しい家に移るのですが、どこにどうしても伸長式のテーブルを入れたくて、こうして突然伺ってしまったのです。」と言うSさん。
聞くと、とてもご近所にお住まいで、今日もお使いの途中に自転車で寄って下さったのだそうです。
だから、ごめんなさい、最初はご近所のかたがちょっと散歩で立ち寄られただけかと思ってしまいました。
いろいろとお話を聞かせて頂くと、かなり難しそうな形でかなり興味深い形のテーブルを考えていらっしゃったのでした。
「また、新居が完成したら伺いますね。それまでにどんな形にしたら良いかをもう少し考えてみますので。」
と1時間ほどお話をさせて頂いて、その日は帰られたのでした。
それから、しばらく仕事が忙しくなって、Sさんのことを少し忘れかけてしまっていた頃(すみません・・。)、再びお電話を頂いたのでした。
「あっ、そうだ。たしか難しい形のテーブルのSさんだ。」
あの時に聞かせて頂いたデザインは、結局自分の中でうまくまとまっていなくて、難しいなあ、と頭をひねったままだったのでした。
今度は、そのご新居にお邪魔させて頂いて、実際に設置したい場所を見ながらいろいろと打ち合わせていきます。
Sさんのイメージとしては、
できれば、家族で使うときと、お客さんが集まる時でテーブルの長さが変わるようにしたい。
テーブルに座った時にみんなの視線がぶつからないように、天板を変形させたい。
椅子はなるべく軽いほうが良いのです、それ以上に掃除機をかける時に、そのたびに椅子を持ち上げたり、移動することが大変なので、可能ならテーブルにちょっと引っ掛けられるような肘掛のある椅子が良い。
ベンチは、テーブルの形状に合わせて変形させたい。という変わった形でのオーダーを希望されていたのです。
そのようなわけで、実際に設置場所をみて、設置場所にテープを貼って実際の大きさを確かめたりしながら、そのスケール感を確認していったのです。オーダー家具はね、実物がない皆さんと私の頭の中にあるものだから、こういう地味な方法で、架空の形を現実のものへと近づけてゆくのです。
そうして、プランは確定。確定といっても、椅子の肘掛やテーブルのアールの部分は、図面に描けても、実際のスケール感を感じ取るのは難しいです。だから、製作の途中で2度ほどSさんに身に来て頂いたのでした。
製作を担当した鈴木君もなかなか苦労していて、作り終わる頃に、うーんやっぱり・・、気になりだした肘掛の部分を再調整して形を削り直したり、延長するテーブルの差込具合をちょうど良い具合に削りだしたり、 途中で実に来て下さった時にSさんのお兄ちゃんが変形ベンチの上ではしゃいでしまったら、転んでしまって、以外に荷重に弱い方向が見つかって、補強をすることになったり、既製品には出来ないような細かい調整をしながら、Sさんの形を整えてきました。
納品当日は、お天気に恵まれました。
「ほら、見て見て。お母さんのテーブルと椅子がやってきたよ。」
誰よりもはしゃいでいるのは、Sさん。
「わあ、いいねぇ、いいねぇ。いい色だね、きれいな木目だね。」ととても喜んでくださったSさん。
「イマイさん、実はこのうちはね、中古で購入したのです。ある程度きれいにリフォームしてもらって入居したのですが、普通に壁や床などをきれいにしたりと言ったリフォームだったし、業者さんにお任せだったから、自分で考えて作り出された家の中の物って、このダイニングセットが初めてなんです。だからもう、なんだかうれしくて。」
と、Sさん
私もとてもうれしく光栄に思います。本当にありがとうございました。
ところで、テーブルがカモノハシの口のようで、椅子が犬の耳のように見えませんか?
愛嬌のあるダイニングになりました。
アルダーのダイニングテーブルとチェア
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