センの魅力
「センのテレビボードのオーダー」
鎌倉 K様
design:Kさん
planning:daisuke imai
producer:tsuyoshi kawaguchi
painting:tsuyoshi kawaguchi
以前うちに家具を頼んでくださったお知り合いの方がうちを紹介してくださったのだそうです。(どなたかを聞き忘れてしまったのですが・・。)
Kさんは、「42inchのテレビを載せる家具を作りたいのです。」というメールにそういう経緯も書いてくださっていました。それなのに結局、どなたからのご紹介か聞くのを忘れてしまった・・。お礼を伝えなくてはいけませんね。
ひとまずこちらに来てくださるということで、日時を決めてきてくださいました。
さあ、打ち合わせましょう、とお話を始めましたが、Kさんもまだ自分の中でイメージが浮かばないところがあって、お互い探り探りしながら、どんな形を目指すかを話し合っていきます。結果背が低くて、白っぽくて、装飾を省いたシンプルな原案ができあがりました。
そこまでで、Kさんも私も結構疲れてしまっています。一つの形に向かって、考えを持ち出しては反芻し、それをいろんな角度から見つめて決定すると言うのは、なかなか疲れるのです。そうして考えた原案だからそのスケッチを見るだけで何だか感慨深いものがあるのです。
後日、それをさっそく図面に起こして、Kさんに見て頂きます。Kさんもご自宅に戻ってから奥さんといろいろと考えていたようで、そこに届いた図面を見て、Kさんたちはさらに具体的な形を検討していきます。
当初考えていた素材は、ホワイトアッシュ。でも、最近のホワイトアッシュは、白い部分だけをとるのがなかなか難しくてどうしても赤い部分も混じってしまい、白い部分だけで木を取っていくと無駄が多くなってしまうのです。そんなこともあり、またもう少し濃い色も魅力的かなあといろいろと迷うところがありましたので、まずは部屋を見ていくつかサンプルを持ってそれで決めましょうと言うことになりました。
持っていったサンプルは、チェリー、チーク、ナラ、タモ、ウォールナット、ナラを白く塗って仕上げたもの、ブナ、セン。
それらを床壁に立てかけてどの素材がこの空間に似合うか検討します。
結果、候補に残ったのは、床の肌色の印象よりも濃く、存在感の家具にということでチェリー、そして、木目がはっきりとして引き締まった印象に仕上がる少し白っぽいセン。
「じゃあ、このサンプルだと小さいから、もう少し大きい板で作って送りますね。」ということで新たにサンプルを作り、それを見てメールを頂きました。
「オイル塗装すると違いますね。
無塗装ではセンの色は薄すぎると思っていましたが、ちょうど良い濃さだと感じました。
逆に、チェリーは濃くなりすぎました。
やっぱりセンでお願いします。」
ということでセンに決定。
こうして、また素材の魅力をいかした家具ができあがりました。
セン柾目のテレビボード
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