木が好きなのです

「オークの本棚のオーダー」

横浜 M様

design:Mさん
planning:daisuke imai
producer:tsuyoshi kawaguchii
tosou:tsuyoshi kawaguchi

ナラの耳付風天板のある本棚

書斎の入り口から本棚を見る。

「いや、ここに居ると落ち着くなあ。」と打合わせと工場の様子を見に来てくださったMさんはこう言いました。
Mさんには最初こういうふうにお問い合わせいただいたのです。
「メールにて失礼致します。Mと申します。
書棚を探しており、家具店やネット等でいろいろ探したのですが、寸法や質感等でいいものが見当たらず、オーダー家具を調べていたところ、御社の家具に魅力を感じ、ご連絡した次第です。
家族のアルバムや子供の絵本、定期購読の書籍、A4サイズの書類等が収納できるものが欲しいと考えています。
書棚の置き場所は、寝室です。
床フローリングがナラ突板(ナチュラル色)なので、色を合せたいと思っています。
なので、材質はナラかタモあたりを考えています。
木が大好きで、存在感、質感、香りが楽しめ、長く(一生)使える家具が欲しいのです。無垢が最も希望ではありますが、予算との兼ね合いもありますので、集成材、もしくは突板でも可能です。
イメージ図を添付いたしました。不明点等も含めて書いております。
つきましては、まずは見積の概算をご連絡いただくこと可能でしょうか。
希望価格は20万円で作っていただけませんでしょうか。」
予算的に少し厳しいかなあと思うところがありましたが、頂いたイメージ図を元に使いやすい形にプランを立ててみて、見積を出してみます。やはり予算をオーバーしてしまいます。これだけオーバーしてしまうと頼んでいただけないだろうと思いつつも、メールをお送りしましたら、その内容を気に入ってくださって、ひとまずこちらに来て頂けることになりました。
そして、冒頭の言葉。何となくMさんの目もキラキラして見えます。素材は違うけれど、Mさんもモノの作り手なので、こういう人の手の仕事を見るのが好きなのだとか。またそれ以上に木という素材そのものが大好きなのだそうです。本棚自体の形はシンプルなので打ち合わせはすぐに終わってしまったのですが、そのあともいろいろなお話をさせてもらいました。こういうふうにお互いが見える時間は楽しいですよね。
そんなふうにポンポンとお話が進み、予算オーバーにもかかわらずご注文して頂けることになりました。うれしいことです。
そして、できあがった本棚はこんな感じです。
Mさんの好みに合わせて木の表情が分かりやすい板目材を使い、塗装の色は木のそのままの色を活かすワトコオイルの「ナチュラル」で仕上げました。そして、一番こだわったのは、本棚の中ほどになるところがカウンターのようになるのですが、この部分をこの本棚のメインと考えて、この板は無垢材を使い、しかも耳付きの板を使ったような仕上げをしました。(うちのような工場だと、使い勝手を考えると丸太で材料を買うことはあまりなくて、ある程度荒く木取りされた板を買うので、耳(丸太の端っこの部分)がついていないのです。)そこで、意図的に「耳付きの板の皮をむいて仕上げたよ。」と言うような装飾をしました。装飾って言っても削り込んでいくだけのことですが。製作を担当した河口君は、うちにずっと前から在庫してある杉の耳付き板の感じを見ながら削り込んでいました。で、最初の写真がその仕上がりの様子。良い雰囲気にできあがりました。
Mさんにも大変気に入ってもらえて、うれしい限りです。
納品後、Mさんからお便りを頂きました。

「本棚の製作、大変ありがとうございました。
おかげさまでいいものができたと家族で喜んでおります。やっぱり今井さんにお願いしてよかったと思っています。これから大切に使っていきたいと思います。
午後から本を入れてみました。まだ途中でもう少しかかりそうです。子供が自分の絵本の引越しを早速やってました。低い位置はしばらくの間子供の絵本の場所になりそうです。
結構大きめの本棚なので、初めのうちは棚が余るかもしれません。なので、小物を飾ったりしようかと思っています。
ある程度収納が片付いたら、その様子を写真でお送りしますね。
メンテ方法のご連絡ありがとうございました。詳しく説明していただき、わかりやすかったです。
オイル塗りは1年後くらいにやってみようと思います。基本的にはウッドデッキ等のメンテと要領が同じなので、なんとかなりそうです。
また、蝶番の調整方法も門扉の調整方法に似ているので、すぐにわかりました。ちょっとした不具合程度ならチャレンジしてみます。
今後もいくつか家具の製作をお願いしたいのですが、貯金がたまったらすこしずつ充実していこうと思っています。気長にお付き合いいただければうれしいです。
たまに展示室を見せてもらいにお邪魔してもよろしいでしょうか。
今後ともよろしくお願いいたします。」
ということで、写真まで戴きました。温かい感じが伝わってきますよ。

ナラの耳付風天板のある本棚

天袋の様子。


ナラの耳付風天板のある本棚

本棚と言うよりは、もうMさんのスペース。


ナラの耳付風天板のある本棚

Mさんが大切に育てている庭の植物たちのバイブル。


ナラの耳付風天板のある本棚

お父さんが好きなものはお姉ちゃんも好き。この本棚があればきっと片付け上手になるよね。


ナラの耳付風天板のある本棚

まだ始まったばかりの本棚。これからいろいろな色が入ってきます。

耳付風カウンターのある本棚

価格:300,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は15,000円から、取付施工費は30,000円から)

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