節あり材の印象
2022.01.22
昨年末にOさんの暮らしている様子をダイスケさんの作業に同行して拝見させていただいたのです。
それまで、節あり材の印象というのは、ワイルドでかっこよさを強調するための見せ方なのかなという思いがあったのですが、Oさんのお宅を見て節あり材に対する考えが変わりました。そのとても落ち着いた雰囲気は、同じ材料でも用い方・仕上げ方で変わるものだと知ることができたのでした。
今回、Oさんのキッチン自体はあまり目立った節はないように見えました。それに対して床材とバックカウンターの表面材には節アリ材が使われていて、不思議な組み合わせだな、だから落ち着いて見えるのかな、なんて思っていたのですが、よく見るとキッチンの収納側は節アリの突板だったのですね。ダイスケさんに言われて気が付きました・・。でもそれを感じさせないくらい落ち着いた雰囲気にまとまっていたのです。
結局、その雰囲気を出しているものが何なのかは自分でも突き止めることができなかったのですが(笑)、キッチンの床に節あり材を使われるのは、もしこの先お料理の汚れでシミなどができてきても目立ちにくいという利点もあるのかなと思いました。
節は木が成長する過程で枝になる部分が幹に取り込まれた跡だそうです。節がある方が自然な姿なのはわかるのですが、よく目にする節あり材のインテリアはなぜか不自然に感じていました。そうなってしまうことに抵抗があって、自宅の松の床材を選ぶときには「節がないようにしてください。」なんて、今更ながら、なんて自然に対してエゴイストなリクエストだったんだろうと反省しています。
これからの未来、今まではじかれていた節や割れがある材料を用いることが当然になってくると思います。木を家具やキッチンに使うこと自体が贅沢になる日が来るかもしれません。
限られた資源のひとつだと意識して、大切に使っていきたいと思います。