土鍋と炊飯器の併用

2022.02.16

我が家の朝の光景。一晩水に浸けて置いた土鍋を洗います。洗いかごによっては重さに耐えられず傾いてしまうものもあるので、気をつけてくださいね。1枚目の写真は我が家の食器棚の天板の上の様子。奥行60cmと深めです。

先日、キッチンの打ち合わせにいらしたお客様が、「新しいキッチンでは、土鍋でご飯を炊いていこうと思っていて。これを機に思い切って炊飯器を処分してしまおうかと思っているの。」とお話しされていました。

私自身も、新居に引っ越す際に憧れた暮らしの形を目指して考えたことでした。結局「まだ使えるし。」と処分しなかったのです。でもそれが私にとっては正解だったと思っています。

お客様には、そのまま自分の経験をお話しさせていただきました。

「炊飯器を止めてしまおうかしら。」とお話しされる方の大半は、収納スペースに制限が出てきているのを増やしたいという方だと思います。または、土鍋でご飯を炊く日々に憧れを抱いている方かと思われます。

キッチンや食器棚の形を考える時に炊飯器置き場を考えることになります。

「炊飯器がなければ収納場所が増やせるな。」「リビングからキッチンを見た時に、炊飯器は隠したいけど、土鍋なら見えている位置に置いてあってもすてきに見えるから。」など考えると思います。

その目的の為だけに炊飯器を処分してしまうことはお勧めしていません。

家族の中で毎回ご飯を炊く人が同じとは限らないです。もしもの時にはおとうさんだったり、こども達だったりするわけです。親の留守中に子供だけで火を使うのは心配がありますよね。

土鍋の種類によっても弱火で蒸らす時間が異なったりしますので、慣れない人には難しいと思います。

ご飯がうまく炊けていない時のしょんぼり感は大きいです。

収納場所を増やす目的の為だけに炊飯器をなくしてしまうのはリスクの方が多い気がしています。そのようにお話をさせていただきました。そのお客様も「そうよね。そういう時のことも考えておかないといけないわよね。」とおっしゃられていました。

ということで、我が家では炊飯器と土鍋を併用しています。

食器棚の天板以外で土鍋を置く場所です。奥の銀色のものが炊飯器です。土鍋を引きずって傷だらけになることと、木が土鍋の湿気を吸って変色したしまうことを防ぐためにステンレスを貼っています。

我が家で使い始めて7年目の佐久間陶子さんの炊飯土鍋、5合炊きサイズです。鍋底がいい焼き色に変わってきました。

やはり土鍋で炊いたお米の方がおいしく感じます。目をつぶって「どっちだ?」と言われたら当てる自信はないのですが。

新しい暮らしに思いを巡らすときに考えなければいけないことは沢山あるわけです。

でも今想像できる範囲も限られているわけで、できるだけ後悔の無いようにしたい気持ちはありますから、自分たちの暮らしや、お客様とのやり取りで感じたことを記していって、それがどなたかの考え方のヒントとして役の立つことがありましたらうれしいです。