しっとりしたツヤ

2022.09.09

先日工事が終わったKさんのところに、まだ全体は細かい工事が残っていますが、キッチンのほうはすべて完了したのでお引渡してきました。お施主さんのKさんにも、今回初めてお声掛けくださった設計士のMさんもとても喜んでくださってひと安心。

今回のこのホワイトは化粧板ではなく、塗装で表現しています。もともとのキッチンも鏡面塗装になっていたのに習って同じ仕上げにしたのですが、鏡面塗装って磨きの繰り返しで大変な作業です。

塗装をお願いしたオオガキさんは、「今はね、車両用の塗料を使っているから塗膜も強いしきれいに仕上がりますよ。」って気軽に言ってくださったけれど、かなり大変な作業だったこと思います。

元あった扉を塗っているので、基材が何かは分かりませんが、手で研磨した映り込みのうっすらした揺らぎが機械仕上げの均質な印象ではなく、どこかろくろで挽いた磁器のような印象で、ぬるっとして優しい。色も真っ白ではなくて、Kさんが悩んで決めたほんの少し黄み掛かっている感じも優しい。

キッチンのキャビネットやレンジフードはそのままにカウンターの上から石を被せて、扉を塗り替えるというなかなか大変な試みでしたが、リノベーション前のキッチンと比べると塗装のホワイトと石のブラックとでコントラストの大きな仕上がりになっているはずなのに優しいというのがとても心地よいです。

こういう仕事は大変ですが、心地よい。

下の写真が元々の印象。どこか無機質に感じてしまうのでした。