私たちはおやすみ
2022.09.27
週末はバタバタとショールームやお客様のところまで打ち合わせと慌ただしかったので、今日は、みんなに工房を任せて、1日私とアキコはお休みを頂いておりました。
茅ケ崎美術館で「THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦」という展覧会がやっているのを知って、先日巴水さんのすてきな作品を見たばかりでしたので、新版画のまさにプロデューサーだった方の作品が見られるのは面白そうと出掛けたのでした。
それから、茅ケ崎まで出掛けるなら今月末までポップアップストアを開いているというF-FURNITUREさんのところに立ち寄ってみようということで、湘南T-SITEまで出掛けてきました。
私たちと同じくオーダーキッチンを作られている岐阜のメーカーさんで、中部地方や関西地方にお住いの方々からキッチンのご相談を頂いた時に、私たちでは対応できない距離ですので、その時にお声掛けさせて頂いたりと、遠距離ながらつながりのある家具屋さんなのです。
私たちのような小さな工房だとなかなか遠距離の納品というのが難しくて、作って届けることはできても、使い続けていくためのお手入れなどのサポートにすぐ駆け付けられるほどの体制がないので、やはりその土地々で頑張っていらっしゃるメーカーさんがいるというのは、そこに暮らし方々にとってとても心強いことだと思うのです。
ちょうど設計の上田さんがいらっしゃって、物作りのいろいろ楽しさとご苦労や工夫されているところなどを聞かせてもらったのでした。
やっぱり家具屋さんは楽しくもあり大変でもあるけれどもそういうことを全部ひっくるめて「作ることができる」ということが素晴らしいことなんだと、こうして外から俯瞰できる時間を持つことであらためて知ることができるのですよ。
うれしい気持ちを頂いて茅ケ崎美術館まで。むかしに一度来たような思い出があるのですが、管内の様子が全然思い出と違っていた。夢だったのだろうか・・。
巴水さんの展示を見ていた時に、「絵師、彫師、摺師がそれぞれの思いをぶつけあってできる」それを渡邊庄三郎さんがまとめ上げていくっていうくだりを読んでぜひどんな世界か見てみたいって思っていたので、コンパクトな展示に思いがぎゅっと詰まっていてとても楽しい時間でした。原画と版画が並べられて展示されている様子が特に楽しくて、ほぼそのままの状態を版画にすることができるほど絵師の作風と書かれていましたが、そもそも浮世絵に描かれる当時の風俗を眺めるのが好きなものですから、様々な画面の端っこで、豆粒くらいの人がお茶を楽しんでいたり、当時の東海道の有り様を見ながら、これを歩くのは大変だろうなあなんて思うところが楽しかったりするので、この並んでいる様子を見て画面を見るよりも、絵師の作品が彫師と摺師を通じてこの版画になった時に彼らと版元に間に何が交わされてどんなドラマがあってこの仕上がりになったのだろうなんて思うことが楽しかったのでした。