インターメーベルに寄せて

2022.10.29

昨日はノガミ君とタケイシさんとで、Nさんのお宅に食器棚の納品に伺っていたのでした。

築40年くらい?とおっしゃっていたかな。

部分的にリフォームをされて暮らしているという中で、「キッチン周りだけは仕事が忙しくてなかなか整理ができていなかったのです。」ということでだんだんと積み重なったものたちが場所を閉めておりました。

最初はこの食器棚の左下の引き出しだけを作るご相談を頂いてお邪魔したのですが、そのキッチンの様子を見て、またもともと使われていたビクターのインターメーベルというシリーズの当時のモダンな印象が残る食器棚が置かれていて、「このインターメーベルはね・・」と話すNさんの様子がとてもこの家具を愛おしく思っていることがよく分かりまして、この場所とこの家具をうまく活かせたら良いな、と思ったのでした。

なかなか物が多いと、なぜこれがここに置かれているのか、これを普段どのように使われているのか、というお話から始めることになるのですが、いろいろと聞いているうちにNさん自身でもどういう暮らしかたにしていきたいかというイメージがまとまってきまして、せっかく作るなら、少しでもカウンターを広く採って、上に積み重ねていたものを上部の空間を利用して収納できるようにということで、今回この形が実現しました。

なので食器棚の天板はちょっとL型に変形した変わった形をしていて、吊戸棚も上から物が落ちてきて危ない部分は扉をつけて、日常使いする部分はオープンで、というメリハリをつけた形になりました。その色も真っ白ではなく、少しグレイジュ掛かったホワイト、というマットな化粧板で作ることに。

ところで今回制作を担当したのはタケイシさん。入社して半年が過ぎて彼女自身仕事の飲みこみが早いこともあって、この家具はほぼ彼女自身が手掛けております。

やっぱり自分が作った形をその人に直接届けることができるってうれしいですよね。

彼女自身もうれしそうに作業を報告してくれました。

昨日のEさんもヒロセ君とタケイシさんの様子を見ておっしゃっていました。

「楽しそうに仕事ができるって、本当に良いことですよね。」って。