築き上げること
「ナラ板目のダイニング壁面収納デスクのオーダー」
青葉台 M様
design:Mさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:yasukazu kanai/masakane murakami
painting:yasukazu kanai/masakane murakami
新築マンションにご入居予定のMさんからご相談のメールを頂きました。
「はじめまして。
来年の3月に引っ越し予定をしています。
今建設中のマンションですが、食器棚がないので台所の空きスペースにぴったり合うオーダー食器棚を希望しています。
その他、カウンター下の収納と、リビングの壁にPCと周辺機器を置けるような収納棚ができたらいいな、と考えています。
マンション側からオプション会というのが3回催され、1回目が終わりました。12月の3回目で最終決定となり3月入居の時に合わせ仕上げてもらえるそうなのですが、、、今の段階で間取りだけの図面からこんな感じで作りましょう~というやり方に不安があります。
こちらのサイトを見て、色々な製作例を見ていたら自分が求めていたものが沢山あり是非お願いしたい気持ちになりました。1月末に内覧会があります。
その時にサイズ等を図って頂く事が出来るのでしょうか?
また、それから入居と同時に仕上げて頂く事は可能でしょうか?
カウンター下や、LDの収納棚は入居以降でも構いませんが、食器棚はあった方がいいなあと思っています。宜しくお願い致します。」
なるほど、なるほど。そこでさっそくお返事を。
「はじめまして、M様。ご相談ありがとうございます。
フリーハンドイマイの今井大輔と申します。
食器棚やカウンター下収納などをご検討くださっていると言うことでありがとうございます。
内覧会に同席させて頂いて、採寸を行い、お引越に合わせて家具を設置することは可能です。
ただ、内覧会で採寸をしてから食器棚のプランを考え始めると、プラン作りに時間が取られてしまい、製作する時間がギリギリになってしまっておそらくお引越しまで間に合わなくなる可能性がございます。
いつも皆様とやり取りさせて頂いている方法としましては、今の時点でご新居の平面図を持って、こちらまで一度家具や使う木の様子などを見に来て頂きまして、その時に、どんな食器棚にされたいかのご要望を全てお聞かせ頂いて、それから家具の形を考えることが多いです。
平面図と天井の高さが分かれば、おおよその間取りが分かりますので、家具図面を作成することができますので。
小さなショールームですが、無垢のキッチンやダイニングテーブルなどがあるので、家具のイメージを分かって頂きやすいのではと思っております。
そして、内覧会までにある程度のデザインと費用を検討しておいて、内覧会の時に予定していた寸法と若干異なることがありますので、内覧会時に最終的な打ち合わせをして、それから、お引越しに間に合うように家具製作を始めることが多いです。
図面と見積りをご覧頂いて、あまりにもイメージとはなれていたり、費用が高かったりする場合は、遠慮なく断って頂いて大丈夫のですので。(笑)
家具をオーダーすると言うことは、まずお話を聞いてみないと分からないですものね。
もし、こちらまでお越し頂く時間が取れない場合は、マンションの平面図をメールやFAXや郵送でお送り頂いて、あとは、メールで食器棚のご要望をいろいろお書き頂ければ、お会いできなくてもこちらで食器棚のプランを作ることは可能です。
このような感じで、皆様とのやり取りを進めております。
もし、お越し頂く機会が取れそうでしたら、私のスケジュールを調整しますので、ご希望日をご連絡頂ければと思います。
もし、来られそうにない場合は、食器棚のご要望とともに平面図を送って頂ければ幸いです。
それでは、ご検討くださいますようよろしくお願い致します。」
それでさっそく来て頂けることに。うれしいです。
私たちのショールームと言っても、1階の作業場の上にあるスペースを少し改装して、オークのペニンシュラタイプのキッチンにダイニングテーブルと椅子たち、本棚などがある小さな場所です。少しでも私たちの作った家具の様子や、その家具がある空間など、その雰囲気を知ってもらえたら良いなと思って作った場所です。ここに来られた方々には、居心地良い場所で長居してしまいました、って言って頂けるのでそれがとてもうれしいのです。いつかここをみんなが気軽に集まってお茶を飲んだり、家具や建築の雑誌を眺めたり、新しい暮らしの話や子育ての話をしながらくつろげる場所にしたいなって思っています。
ただ、2階にあるから皆さんなかなか気兼ねしてしまって、「ふらっと入るにはちょっと考えちゃうの。」って言われてしまうのでそこがこれからの改善点なのですが・・。
そして、さっそくMさんご夫婦がいらして下さって、ここにある家具を見ながら、Mさんのお話をお聞きしました。どんな家具が好きで、ご新居のキッチンやリビングではどういうふうに過ごしたいのか、どんなものがしまえる家具にしたいのか・・。
「土曜日は長い時間打ち合わせ頂き、有り難うございました。
はっきりとしたイメージも持たずタラタラしてしまってすみませんでした。
素敵なショールームですっかり落ち着いてしまい。。。
主人と出たあと「17時にはなってないよね?」と時計を見たらもう17時過ぎてまして、あまりに長居したことに焦ってしまいました。(汗)
貴重なお時間をすみませんでした。
漠然としたイメージをささっとスケッチしてくださるのでとてもわかりやすくイメージが膨らみました。
カウンター下からダイニングの壁に渡る収納のイメージは今井さんのご提案のようにできたらいいなぁと思います。
上部扉の下に飾り棚的な扉のない棚をぜひ作って頂きたいと思います。
あと、最後にお尋ねしたテーブルに黒いアイアンの脚を付けた場合のテーブルの見積金額も教えて頂いてもよろしいでしょうか?
希望は180cm×90cm、天板の厚みは打ち合わせで使っていらっしゃったテーブルは40mmでしょうか?あれくらいあると素敵ですね。
それに黒いアイアンの脚。。。おいくらぐらいになりますか?!?
家を一から作るのはきっと大変な事だと思いますが自分達の思いが込められて愛着が沸くのは間違いないでしょうね。
マンションだとそれは楽ですが、どこも同じ感じでちょっとつまらない。。。
でもこんな感じで収納や家具をオーダーしてゆくと、それだけでオリジナルな我が家に変身出来そうでとても楽しみです。
イマイさんの説明や図面を主人にメールで送ったら、とても感心していました。
突然の依頼、家具一つにも、こんなにやり取りをして作ってくださることに私達も安心、感激しています。
ありがとうございます。
お時間のある時のご返信で大丈夫ですので、よろしくお願い致します。」
一つ一つ自分や家族の暮らしを見つめ直す機会が生まれるのはこういう時なのかもしれません。今まで何気なく過ごしてきたダイニングも、あの子はこういう時間で動くし、主人はここに座ることがきっと好きなはず、ここではこういうものがしまっておけたらきっとこういう過ごし方ができるし、それならここはこういうふうに見せたいな、って今までの暮らしと、今あるものと、これからの時間を思い巡らせて、ひとつずつ築いていくことができる良い機会だと思います。
そのお話をお伺いしてからまず原案を作りましたが、こちらに来て頂いた時にスケッチなどを織り交ぜながら、Mさんと一緒にプランを考えていきましたので、ほぼ原案通りの形で全ての家具の形がまとまりつつありました。当初は、食器棚をメインに考えていたのですが、お話しを重ねるうちに、一番のメインはダイニングへと移りまして、そのダイニングの空間を一つの場所に整えて、そこから食器棚やダイニングテーブルを合わせていくような形でお話がまとまりました。
今回ダイニングの家具は、ぐるりと回るような家具にするということで、八広のMさんや、十条のYさんや、三島のKさんのプランのようなつながりを考えてまとめることができたのですが、Mさんが迷ったのは、食器棚でした。Mさんのご新居のキッチンは吊戸棚がないオープンなキッチンになるので、ここも木の色がくると、部屋が重くなってしまうのではないか・・、と思われていたのだそうです。
特に今回の食器棚は吊戸棚とカウンターの上下に分けても間取りの関係で背面の壁の面積が狭くて、吊戸棚を完全に吊ることができないため、中段のオープンスペースにも背板が必要になってくるのです。そうなるとより木の印象が重く感じられるのではないかと、それが心配だったのです。
そこで、Mさんが考えていたのは、すっきりと白い食器棚。
白い色もシンプルにまとめられるので良いのですが、私はどちらかと言うとやはり温かみのある木の表情に囲まれていたい。そのあたりをいろいろとお話を重ねて、最終的にはダイニングと揃えてナラ材で作ることに、でもすっきりとした印象にするためにこちらは木目がまっすぐな柾目材にしたのです。
また、私にとっての冒険はダイニングテーブルでした。ショールームに来て頂いた時にちょっとしたきっかけで案が出たのがアイアンの脚。私も一度作ってみたかったし、Mさんも黒い表情が好みだとおhしゃって下さったので、作ることができたのですが、Mさんにとっても冒険だったのでは。(笑)だって、今まで製作例のないものだったし、こうしてこのダイニングに置かれるまではできあがりが見えませんでしたものね。
でも、結果、できあがって見てとても良かったと、私もMさんもにっこりです。アイアンの脚って聞くと、無骨な表情になりがちなのですが、もう少し丸みを帯びた上品な感じで仕上げることができたのです。それが天板の表情と良く合ったのです。
ひと安心です。
キッチンの対面カウンターの下の収納からダイニングへとつながるように施工するのは、かなり大変だと思っていたのですが、壁の直角も悪くなく、事前に仕上がりを想定して仮組みまで行っていたので、とてもスムーズに取付は終了。
そして、うれしいことはさらに。
今回この大型家具をメインで担当したのは金井君。うちの中では年齢は重ねていても、家具作りの経験は一番浅い彼ですが、着実に良い家具作りができるようになってきているところです、このMさんの家具でまた一つ大きなステップをあがることができたのではないかと思います。
取付終了後、Mさんからうれしいお便りが。
「イマイ様、おはようございます。今井さん、スタッフのお二人、昨日は長時間に渡り、取り付け作業お疲れさまでした。
予想以上のステキさに私はもちろん、スマホばかり触っていた中学生娘も感激しています。
本当に「なんということでしょ?」の言葉がオーダー家具にはぴったり合います!
これは近いサイズの既製家具を置いてしまうのとは全く違う感動がありますね!
テーブルもすてき!
微妙なラインの台形の形と太さの脚、アールの曲線が大きなテーブルなのに、本当に上品に感じられます。
これはどこを探してもなかったです。私の頭の中以上に欲しかったテーブルを作って頂きありがとうございました。
私はもともと家の中で過ごす事が大好きなのですが、ますますそんな我が家になりそうです。
壁面戸棚、食器棚を作って下さったお二人にもくれぐれも宜しくお伝え下さいませ。
来月、奥様、お嬢様にお会いできる事も楽しみにしていますね!
主人は明日、福岡より帰ってきますので感激すると思います。
有り難うございました。」
それから、しばらくしてまたまたうれしいお便りを頂いたのです。
このGW、新しい我が家に親戚や友人が遊びに来てくれたのですが、皆さんオーダーした家具を「ステキ!」と感嘆の声をあげて下さいます!
ピッタリと壁に収まっているその美しさ、木に囲まれたダイニングはとっても落ち着くとのこと。私も毎日、その気分に浸っています。
椅子も揃ったのですが、片側はベンチにしました。少し失敗したのが、150cm長さにオーダーしたのですが、座るときの脚の出し入れを考えるともう少し幅を短くするべきでした。同じナラ材にしましたが、やはり色や質感が違うので椅子も今井さんにお願いすれば良かったなぁ?と後から思ったのでした。
食器棚も一番下の深い引き出しなど、とても使い勝手が良いです。
パソコンは、プリンターが以前のままなのでまだ置いていません。主人が帰って来た時にノートパソコンを使うのに良い感じです。広い薄い引き出しも便利です。
長々のメール失礼しました。本当にありがとうございました。これからもよろしくお願い致します。」
ナラ板目のカウンター下収納
価格:360,000円(制作費・塗装費)
ナラ板目のダイニングデスクと吊戸棚
価格:500,000円(制作費・塗装費)
ナラ柾目のとアイアンのダイニングテーブル
価格:350,000円(制作費・塗装費)
ナラ柾目の食器棚
価格:340,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は25,000円から、取付施工費は70,000円から)
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