「私にとっては宝物なのです。」
2023.03.30
お世話になっている工務店のSさんから「ある材料があってそれで座卓を作ってほしい。」と2月の初めにご連絡をいただいたのです。
なんの樹種かはわからないということで、材料を預かったダイスケさんも、制作を担当したヒロセ君も「一つの木目はケヤキかな。もう一つは松っぽいけどよくわからない。」
「製材中の匂いはヒノキっぽいけど、ちょっと違うような。イチョウの匂いほど癖もないし、なんでしょう。」
普段工房で扱う樹種とは異なる匂いに包まれながら、謎は解明されないまま製作は順調に進んでいたのでした。
完成し、今日Sさんが息子さんとともに家具を受け取りに来てくださいました。
「これはお世話になったお客さんからいただいた材料なのです。その方の家を作らせていただいて、お子さんの家も作らせていただけて、他にもいろいろご紹介くださって。その方がお肉屋さんをされていたので、多分まな板みたいに使っていた材料なのだと思うのだけど、衛生的に木のまな板を使わなくなったそうで、いただいたのですよ。私にとっては宝物なのです。」
とお話してくださいました。
その宝物が座卓になって、Sさんの暮らしの一部になるのですね。
すてきなお話ですね。最初にお預かりした板の状態からは想像できない経緯があったなんて、感動しました。
私たちに声をかけてくださりありがとうございました。