みんな楽しんでいる

2023.07.15

技拓さんからご依頼頂いたKさんのナラとコーリアンを使ったキッチン。

今日がそのお引き渡しでした。

お住いの場所が稲村ケ崎ということと今日が連休の初日ということで、車で出かけるのはちょっと時間が読めなさそうだなと電車で出掛けたわけですが、どうやら賑わいはもう少し後の時間からのようで電車もそこまで込み合っていなかったので、久しぶりの江ノ電に座ることができたのですが、進行方向と頭が反対に向く席に座っちゃったもので、子供のころから車酔いが激しかった私は「大丈夫?」と隣のアキコに心配されながらの顔色が悪いスタートだったのでした。

「お引き渡しの最初はいろいろとご説明があるので、少し間をおいていらしてくださいね。」と技拓さんに言われておりまして、ちょうどスタートから1時間ばかり経ったこのタイミングで到着すると「イマイさん!ちょうど良いところに。」と現地の皆さんから元気を頂いて、さっそくお手入れの方法などをご説明させて頂きました。

ただ、ちょっと心配していたとおり、この時期ですのでやはり現場はなかなかの温度で、説明がひと通り終わるころにはシャツの色が変わるくらいでした。

先ほどの車酔いと急な発汗で何だかぼぅっと体がだるくなってしまい、いかんいかん。

帰りの車内で少し涼んでいくらか体が楽になったところで、お昼ご飯に工房のそばのおいしい和食を提供してくださる南さんで茶そばとマグロ丼を頂いたらやっと元気が戻ってきました。

ふぅ。

さて、気分が良くなったのでご説明です。

Kさんのキッチンはナラの突板を使って作っていますが、今回はKさんのリクエストで縦目使いで仕上げています。縦目にすると木目が短い間隔で並んでいくので、印象がにぎやかになりすぎないようにと、6尺板の長さを半分にして、それを横並びにするように突板を張ってもらうことで、印象を柔らかく仕上げています。

そこに、コーリアンの「シラスホワイト」を組み合わせて仕上げています。最初は無地単色の「カメオホワイト」にする予定だったのですが、打ち合わせを重ねていくうちにKさんがこのカラーをとても気に入ってくださって、とても上品な仕上がりになったのでした。

そして、今回はキッチンカウンターと隣の作業台のカウンターはL型になっていますが、L型では搬入ができないので、現地でシームレス加工を施して継ぎ目なく仕上げています。

ハンドルは真鍮無垢の磨き仕上げの丸棒のハンドルであっという間にくすんでしまうので、気になったらコンパウンドや指輪磨きのクロスで磨くとまた最初の光沢に戻せるのが良いところ。

このような感じで仕上げているのです。

Kさんも使うことをとても楽しみにしてくれていて、とても良いお引き渡しでした。

そして午後には、先日打ち合わせにお邪魔させて頂いた杉並からSさんが家を建てた時に余った材を持ち込みにいらして下さって、次に作る収納の最終確認にいらしてくださいました。

「やはりどの樹種にするかは迷いますね。あの場所はルイス・バラカンが作るような空間にしていきたいのです。」とうれしそうにお話しするSさん。

芸能の世界で活躍されている皆さんの姿を写真に収めるという仕事をされている方からざっくばらんにいろいろな相談を頂けるというのはほめられているようでうれしいのです。

みんな楽しんでいるのですね。