夏お猪口

2023.07.20

「イマイさんならこのくらいの大きさがないと足りないのではないですか。」と飯高さんに進められて手に取ったお猪口は、さわやかな風が吹いているような表情で、赤閻魔がよりまろやかに感じてしまう。

ここ最近は、以前武相荘で手に取った中村一也さんのたいへん涼やかなショットグラスでお酒を頂いておりましたが、季節を楽しく呑むという風情も良いのだなあ、とようやく気付き始めたお年頃。

以前キッチンを作らせて頂いた「木々が挨拶してくる」の武蔵小金井のMさんは当時、「よく出かけることが好きで、その土地に着いたら気に入ったお猪口を一つ手に入れてくるのです。」って言っていたけれど、その楽しさがなんとなく分かってきたのでした。Mさんは確か私より若かったのですが、いろいろと教えて頂くことが多かったお客様でした。そんなことを思い出しながらお酒を飲むのです。