ナラ柾目の本棚
2023.12.22
こうしてできあがってみるとシンプルに見えるのですが、この形になるまでが大変な苦労でした。
今回、ツーバイフォーで建てられた戸建て住宅の2か所に本棚を作りたいというお話を持ってきてくださったWさん。いつもいろいろとリノベーションのお仕事でお世話になっているのです。
「ただ、木工事を少なくするために既存の造り付けの棚があったところの壁や床も家具として化粧したいのです。」とのことで、これが元々付いていた造り付けの棚と同じかさらに深い奥行だったら、もっと作業は捗ったのだと思うのですが、本を取り出しやすいように奥行を狭くするのですから、化粧する部分がどんどん複雑になるのです。さらには床と壁がある程度動いているものですので、レベルを出しながら組んでいくのはなかなか先の見えない作業だったのでした。
こうなると、私は完成する姿を図面化するのですが、それをどのような段取りで組み立てていくのかは担当したノガミ君頼り。ここをこうしてレベルを出してから、ここを組んで、って考えていくわけで、組み立て方はもうノガミ君しか分からない。いつもの設置工事とは流れが異なるものですから、ヒロセ君もワタナベ君も私自身もしばし立ちすくむシーンがちょこちょこでてきたりして。
3枚目の写真なんて、壁との狭い空間にノガミ君が入り込んで後ろから作業しているのです。
さらには固定棚にする、ということで、家具をすこし振り回すのもたいへんな重さだったりして、こうしてきれいに納まったのを見ると、ああ無事に納まってよかったとため息が出るのでした。