ものごとのみかた2
2024.01.09
年末年始の仕事を予定のやり繰りをしていて今日も工房はお休みとなっています。
そこで、アキコからずっと頼まれていた玄関の網入り硝子を隠すための障子を年始に作り終えていて(その話はアキコがどこかでしてくれるでしょう。)その取付を済ませてお茶を飲み終わったら、さて外に出かけているアイがそろそろ工房に戻ってくるころでしょうから、工房に戻らないと。
なかなか日が沈む前の機会は得られないので、久しぶりに夕方から走って工房まで行けることを楽しみに駆け出しました。
もう少しでマジックアワーがやってくるころかな、なんて思っていたのですが、今しばらくその時間まではありそうでしたので不意に相模大堰を渡って、厚木のほうに向かうことに。
そのまま、「季節が良くなったらこの道を歩いてみたいね。」とアキコが言っていた戸沢橋を厚木に渡ったところから始まっている桜並木の先がどんなふうになっているのか見てみようかな、と思ったのでした。そうして、南下して神川橋までの道程は今まで走ったことなどなかったので、走る速度もゆったりしてきて汗で体が冷え始めてきても何もかもが新鮮でとても楽しい時間だったのです。
普段は、通勤で通っているだけの自転車道をランニングしていても、もう見慣れてしまって気持ちが退屈していると、いかに速く走れるか、とか、歩道や自転車道を逆走してくる人たちが嫌だなあ、とか、小さなことばかり気になってしまって楽しめなくなっているような気がしていたのですが、こうして初めて通る道では何もかも新鮮で小さなことよりも、こちら側では新幹線がこのあたりで川を横断するのか、とか、この寒いのにこんなに羽虫が群れているのだなあ、とか、夕日を受けて赤くなる団地を見ていて子供の頃を思い出したりしてすべてが新鮮で小さなことは何も浮かんでこなかったのでした。
何も奇抜なことや目新しいことを常にし続けないといけないというのではなく、自分の気持ちがいつも新鮮でいられるというのは何事に取り組むにもとても心地よいことなのです。毎日が同じように思えてもそこには同じ時間が流れているわけではないので、その機微に触れられるような心を持ちながらきちんと過ごしてゆこうと、席にたたずむサギたちをみて思うのでした。