ブラックチェリーの食器棚

2024.05.09

今年のゴールデンウィークは9日間のお休みを取らせて頂いておりました。

私とアキコは、アイのご飯をあげたり、陽気の良いこの時期に植木の手入れをしたり、このお休みを利用してご相談に来られる皆さんがいらっしゃったりとパタパタと工房に通い詰めておりましたが、みんなとは年明け早々に決めた私たちのカレンダーとおりにお休みを取ってもらっていました。

以前はこういう環境を作ることができていなかったのですが、みんな気分よく働けるようにと心掛けてどうにか今の状況を整えることができたのは私たちとしてもとてもうれしいことなのです。

その連休明けにはNさんの食器棚の取付があるということで、お休みの間に家具をトラックに積み込みっぱなしは良くないと思って下りましたら、ヒロセ君とタケイシさんが1日休みをずらしてくれて、前日からその準備をしてくれていました。みんなのこういう気持ちはとてもありがたく、こうしてみんなで家具をひとつずつ作っているのだとあらためて実感できるのですよ。

連休明けの当日はあいにくの雨模様でしたが、車寄せのある集合住宅ということで無事に搬入も終えて、取付は「壁に合わせて削っていく部分になかなか時間が掛かってしまいました。」と苦労の様子を戻ってきてからノガミ君が伝えてくれましたが、こうしてきれいに設置することができて、作業の様子を終始見守っていてくださったNさんにも大変喜んで頂けました。

そしてね、このチェリーすでにとてもよい色なのです。

実は、工房に材が入荷してきた時はかなり淡い色だったのです。ホワイトバーチのような白っぽい色をした突板で、うーん、これは違和感が出るかなあ・・、なんて制作を担当したタケイシさんと悩んだのでした。

ガラスの入る框組の扉は無垢材で作るのですが、無垢のほうがいつもながらの明るい赤みの材でしたので、無垢材と突板でコントラストがだいぶ違うなあと。

明るくても暗い色でも最終的にはチェリーは同じくらいに日焼けしていくのですが、そこに行くまでの印象もなるべく合わせたいなあ、ということで、加工に取り掛かる1週間ほど前からショールームの隣のスペースで日陰干しして、出来上がってからもすぐに納品するのではなくてしばらく時間を取ることで、かなり良い色に落ち着いたのでした。

もちろん、まだまだこれから色は濃くなっていきますが、すでに良い色です。

家具の楽しみはこういうところにも表れるのです。