すり鉢を使った跡
2024.07.10
先日、築18年のマンションのキッチンをリノベーションさせていただいたYさんのお宅訪問へ伺わせていただいた時に、ステンレス天板のメンテナンス方法を伝えさせていただきました。
「はじめはきれいだったのに、あっという間に傷がついてしまって。」と皆様おっしゃいますが、
私はその様子を拝見できるのを楽しみにしているのです。
高橋製作所さんから納品されたステンレス天板の養生シールをべりべりはがして現れるバイブレーション仕上げやヘアライン仕上げの表情もとても美しくてすてきなのですが、ステンレス天板を選ばれる人は皆さま「キッチンはガシガシ使いたいので。」と言う方が多いので、傷がつくのを気にしていたら使いづらいですから仕方がないですよね。
写真は我が家のキッチンのステンレス天板なのですが、少し暗い三日月形の模様が付いているのがわかりますでしょうか。これは小さいすり鉢を片手で抑えながら使った時にできた傷なのです。
滑り止めにもなるし、傷防止にもなるので、すり鉢の下に何か布を敷いてからすればよかったのですが、ついついやってしまうのです…。
その跡が、Yさんのキッチンのステンレス天板にもありました。
Yさん「あ、ここになにかの跡がある。なんの跡だろう…。」
私「うちにも似た跡が付いているのですが、すり鉢使われたりしませんか?」
Yさん「そうです!使ってます。きっとそうだ。その場所で使ってますから。」
私「そうですか。ついやってしまいますよね。」と、ハハハハっと笑顔になった出来事でした。
(ちなみに、天板の角にある傷は、包丁をシャープナーで研いだ時に刃を当ててしまった傷です。笑)
私は、家具やキッチンが作れませんし、ダイスケさんが代表になってから経理・総務としてフリーハンドイマイで働いてはいますが、特別皆様に伝えられることがない、と思っていました。
キッチンや家具の知識は学べば手に入ります。家具やキッチンをお客様に勧めているのに「使ったことはないので実際はわからないのですが、こういう話を聞きますよ。」という風にしか伝えられないことがどこか無責任に感じて、違和感を感じていました。
5年前に自宅を建てて、自分たちで作ったキッチンを使ってみて実際どうなのか、こういう場合どうするのか、を日々感じて暮らしています。
お客様のお宅訪問に同行させてもらえる時は、工房で出来上がり過程を見ていたので、そのキッチンが活躍している姿を見られる喜びもあるのですが、「オーダーキッチンを日々使っている人」という共通点がある立場でお話しできることがうれしいです。
これからも日々気づいたところをお伝えしていけたらいいなと思っております。