日向薬師へ

2024.07.21

日向薬師に出かけようという話を実行に移す日でした。

アキコが、最近スタイルを気にしてか時間を見つけてはウォーキングを始めているというチアキに声を掛けると「一緒に行くよ。」ということで、彼女の靴も用意して本日。(ハルは予定があって不参加だ。ほんとうは君も行くとよいぜ。)

七沢温泉近くのハイカー向けの駐車場から林道をゆるやかに登っていく。

そうだ、懐かしいな。30歳前半の頃は自転車で毎週のように車の通らない林道を見つけては走っていたっけ。

「チィの靴と一緒にね、鈴も用意したの。」という熊鈴が林間に跳ね返る音と沢の水音、そして老いた私たちの息づかいだけが聞こえる時間。

ははは、良いなあ。

さりげない日向山の山頂を超えて、下っていくと現れる日向薬師。彼女たちは以前にジイジとバアバと一緒にヒガンバナを見に来たことがあるそうだが、私は初めて。

茅葺屋根の大きな本堂に圧倒されて、また機運よく薬師如来様をはじめとした木像を拝観させて頂いてさらに圧倒される。

すごいところだなあと感慨に耽っていると、チアキが「足に何かいる。」とつぶやく。

極端に虫が苦手な彼女は自分で見ることができないので、アキコが見てみると、膨らんだヒルが2匹剥がれ落ちて、小さな血の点ができていた。チィは以前にもアキコと二人で七沢に来た時にヒルに入り込まれたことがあって、彼女は好かれるのかもね・・。

ヒルもトカゲも毛虫も尺取虫もカミキリムシもコクワガタも鳥たちもみんな元気でたくましい山だなあ。とりあえず水で洗って不調を感じないようなので、そこから下って亀石というとても美しい岩を眺めて帰り道。

周りには自分が両手を回しても届かないような木々も時々見えてくる。たくましいなあ、雄大だなあと思うのだけれど、私たちはそれを木目がきれいだとか、幅広い板が取れそうだ、などとすごく淋しい視点で見てしまっていることを、この木々の胴回りを見て、そこに群生するきれいな苔や虫たちの様子を見て、あらためて気が付き恐れおののく。ごめんなさい、もっと私たちはしっかり生きていかないといけない。そして、ありがとうございます。

普段なかなかこう言った時間が取れなくなりつつあるのだけれど、やはり時間は作らないといけないとあらためて感じたのでした。