タモ柾目のコの字型キッチン

2024.07.25

もうやってみないと分からないね、と気持ちが降り切れてしまって当日を迎えたNさんのキッチン設置工事。

ステンレスのL型天板を1/50の平面図の上に1/50サイズに切った白いL型の紙を窓のところにクルクルとやると図面上では入るのです。

設計士のNさんもあとはもうやるしかないね、っていうのでやるしかないのでした。

施主のNさんもこのL型の天板をコロナ禍になる前から憧れていらっしゃったので、もうやるしかないのです。

というわけで、何かあってもサポートできるようにその日は5人で乗り込んだのでした。

現場は中山道から一本入った路地の奥に立つ一軒家。祖母の家を思い出します。ブロック塀が立っているので最初は足場を利用して入れようかと考えていたのですが、筋交いがあると天板が降り回せないことに気が付いて、足場がばらされたタイミングでの工事となりました。

2階の腰高の幅1件弱の窓から2200ミリ×2600ミリの天板を入れるには、水平にしないとくるくる回せないだろう、幸い3階があるので、下から持ち上げての水平は厳しいから3階からもロープで引き揚げて水平にしよう、なんて考えていたのですが、いざ3階に上がってみると電線が横切っていることに気が付いたのでした・・。現調の時は足場があって気が付かなかったなあ・・。

それでももうやるしかないわけで、下から持ち上げると私の身長でどうにか2階の手摺の上に届くかどうかという感じ。どうにかなるかな・・。

天板を入れるまで、キャビネットや道具やいろいろの搬入で、大汗かきながらみんなでやっておりましたら、ちょうど10時休憩中だった大工さんたちが見かねて「何か手伝えることがあれば言ってくださいね。」と。

ありがとうございます。お言葉に甘えます。

ということで、天板の搬入はノガミ君とヒロセ君が上から引き揚げるところに大工さんが2人入ってくださって、私とワタナベ君は下から持ち上げる感じで、タケイシさんはそのサポート。監督さんまでサポートしてくださって、心配をよそにエイヤッとあっという間に天板は引き上げられていったのでした。

よかったよかった。

そこからは、工房でくみ上げたとおりに現場で組んでいくのですが、やはりリノベーションとなると床や壁の歪みはすべて治るものではありませんので、その微調整などをノガミ君とヒロセ君の二人で2日間かけて作業をしてくれて無事に完了。

約5年前に設計士さんから最初の相談を頂いた時は、たしか家族4人で箱根彫刻の森美術館に遊びに来ていた時だったっけ。とても懐かしい。あれから、コロナで2年以上の時間が開いて、それでもこうして声を掛けて頂いて実現したこの形。無事に納まってひと安心なのでした。