シナの本棚

2024.09.20

昨日は目黒のKさんのところに、タケイシさんが制作を担当したシナの本棚の納品でした。

基本的にシナ合板を使って無垢材部分はシナとバスウッドの無垢材を併用する形で制作しています。厚みや長さがシナだと揃わない時があるので、そのような時は特徴がよく似たバスウッドを使用するのです。私の自宅の家具もシナとバスウッドを使って作っておりますので、ご興味がある方は是非お声掛けくださいませ。

同じ形の本棚を3台作ってそれをダイニングの壁面に設置するというシンプルな作業で3時間くらいで終わるかなと想定しておりました。

搬入も交通量の多い通りでしたが、思っていたよりもスムーズにできてこの大きさでもエレベータには問題なく載せられて室内にも順調に運び入れることができていました。

築年数がかなり経つ集合住宅で、床はフローリング、左の壁がGLボンドの壁という以外はすべてコンクリートでしたので基本的に壁へのビス止めは行なわない形で考えておりましたので、床に固定したら、あとは上にはクサビで固定して効かせるからスムーズに進む予定でした。

(余談ですが、私たちの一存で基本的に集合住宅のコンクリート壁へのビス止めは行なっておりません。戸建て住宅のコンクリート壁の場合や、集合住宅でも工務店さんのもとで行なう形でしたらその限りではありませんが、私たちの家具工事だけの場合では行なわないようにしていて、クサビなどで固定する形にしています。)

壁がコンクリートで築年数が古いということで考えられるのは垂直水平の加減がどこまで良いかということでしたが、やはり歪みがある程度ありました。特に右壁が下の奥と上の手前で15ミリくらい差がありまして、それをシナ材で塞いでいくのですが、現場の寸法に合わせて埋めていく作業自体は順調に進んでいるように見えたのですが、終わったのは夕方。カットして削ってを繰り返して隙間を埋めていくのは想定以上の時間が掛かり、最近家具の取付をもっぱらみんなに任せてしまっていた私はそうだよな、とあらためて作業のたいへんさを実感したのでした。

一見するとシンプルにスマートに納まっているように見えてもそのように見せるのが仕事ですので、完成するとどこが大変だったのか分かりづらいのですが、ひとまずきれいに納まって良かった。

次回、Kさんがどう使ってくださっているのかを見られるのが楽しみです。