ショートトリップ軽井沢

2024.09.24

アントニン・レーモンドのことを詳しく知っているわけではないのですが、自宅を建てようと考えた時に江戸東京たてもの園内の前川國男邸が時折思い起こされていたのでした。

そういう雰囲気を持つ家にしたいと思いながらもその間に一度も足を運ばなかったのは私のぐうたらな性格なのでしょうけれど、自宅に雰囲気を実現してくれた福原さんにはとても感謝しているのです。

その家々を探るうちにとても素朴なレーモンド邸が見られるということを知っていつか訪ねてみたいなあと思っていたのが今回の遠出のきっかけだったのでした。

その話をする中で、ハルがどこからかマーニーの家のような建物が見られるという話をどこかで聞いたようで、いつの間にか遠出の主題は高崎から軽井沢へと延びていったのでした。チィもこういう洋館やふわりとしたドレスが似合うような建物めぐりは好みのようで、二人とも相変わらず私たちのショートトリップに付き合ってくれるのはうれしいところ。

軽井沢には家具やキッチンの納品に何度か訪れているのですが、それ以外でも、まだ子供たちが生まれる前だったかな、アキコと何度か訪ねたことがある心地よい場所。

20代前半の頃には友人二人と横川から軽井沢まで廃線跡を歩いたこともあったっけ・・。

アキコと石の教会を見に行った時にふと路傍に咲いている紫色の小さな花を見て「これが私が好きな香りがする花、矢車菊よ。コーンフラワーとも言うの。」と教えてもらってから、私もこの花が好きになってからもう20年近く経つのか・・。

そうそう、この季節、工房の近くには彼岸花が有名な小出川が流れているのですが、そのそばで群生する矢車菊も鮮やかな青紫が美しい季節になりましたね。

そのようなわけで、今回の9月22日、23日のショートトリップ1日目は軽井沢に。軽井沢タリアセンという庭園にそのマーニーのモデルの建物、ヴォーリズ設計の「睡鳩荘」が望めました。女子大生と女子高生は、小雨が降る中でもルンルンと楽しそうに。

ほどなくして雨が気持ちよく上がり、残りの建築も見学。ここにもレーモンド設計のペイネ美術館が移築されていたのですが、美術館なのでそれほど建築自体をゆっくり見られなくて残念。

そして、堀辰雄の別荘。以前に、打ち合わせに向かう電車の中で静かで冷たく美しい林間の様子にいざなってくれた「風立ちぬ」の様子が思い起こされてふと涼し気な空気が流れていたように思えます。

そして、その別荘に向かう前の「軽井沢高原文庫」では、立原道造の詩と建築の展示がされていて、ヒアシンスハウスの図面をきちんと見ることができてとても良い時間だったのでした。

そして、その足で小瀬温泉に向かいたいへん静かで心地よい宿でお酒を頂いておやすみなさい。