揺られて
2025.01.06
今日は一足先に私とアキコは仕事始め。みんなは明日からスタート。
お昼前から鎌倉のKさんのところに打ち合わせがあるのでバタバタと出発。
そうか・・このあたりはモノレールなんだよね。この大船から江ノ島をつなぐモノレールは懸垂式なのでけっこう揺れるのです。
私は子供の頃から相変わらず車酔いをしてしまうのです。子供の時分なんてまだ車の中でタバコを吸うことが当たり前の時代で、父はそれはもうヘビースモーカーだったので、後部座席に乗る私はものの10分で気分悪くなってしまう。でもそれは私一人だけでユウ(弟)なんていつもケロッとしているのでいつもうらやましいと思っていたっけなあ。
なんてことを考えていたら、いかん、今日はうっかり後ろ向きの座席に座ってしまった・・。後ろ向きはより辛そうだ・・
と、思っていたら間もなく走り始めてしまったぞ。
むおお、やはり出足が速いぞ、気分が悪いぞ・・。
今朝の朝食にと昨日買っておいた大きなソーセージが入ったうまそうなパンにはうっかりニンニクがまぶされていたようで、マスクの中でその香りがよけいに私の頭を刺激する。
うう、いかんぞ。
と言うところで到着。
乗車時間か短くてホッとひと安心。
Kさんには食器棚を以前から相談されていたのですが、まだご新居であるマンションが建築中だったので、必ず引っ越し前に食器棚が必要だということではない限りは、せめて内覧会でお部屋を見てから、もしくは時間が取れそうでしたら、少し暮らし始めてご新居でのご家族の動き方や物の出入りの仕方が分かってから食器棚の形を考えた方がきっとしっくりする形にできると思います、とお伝えしてあったのです。
Kさんもその考えからにご納得くださって、年末にお引っ越しを終えてひと段落したこのタイミングであらためてお話を聞かせて頂くことになったのでした。
で、やはりお話を始めてみると、考えていた形よりももう少し工夫をしたくなってきて、Kさんにとっての良い形をあれこれ悩みながら探し始めたわけです。
特に最近のマンションの傾向なのか食器棚を置くスペースがコンパクトになっていることが多く、また食器棚の奥行もあまり深く採ってしまうとキッチンとの距離が近くなってしまうことが多かったりして、コンパクトながらもいろいろと工夫が必要だと感じたのでした。
打合せというのはいつも新鮮で、私も相変わらずハッとさせられます。
「それでは、下の収納の形はおおよそまとまってきたので、この吊戸棚はどうしましょうか。」なんてお話になった時に、私はけっこう1/20の図面を見る時の印象というのを大事に思っていて、(けっこう実物と同じスケール感を感じられると思っているのです)図面で見ると吊戸棚の幅が高さのわりに短めに感じていて、もう少し広げたほうがリビングから見た時の印象が良いと思っていたので、そのようにお話を進めておりました。
「じゃあイメージしやすいように、実際の寸法になるように壁にテープを貼ってみましょう。」と張り始めたのですが、実際に張ってみると、うーん、大きいではないか・・。ちょっと余白が窮屈に感じるぞ。
Kさんも大きいなあ・・と。
なかなか感覚というのは、空間に当てはめてみると頼りにならないのかもしれません・・。
そんなわけで当初のサイズでテープを貼り直してみると良い印象。図面で見ると当初のサイズ感だとぼってりした印象に思えたのが、実際の空間の中で見るとそのサイズのほうがしっくり来たのです。
なるほど・・、いまさらながらよい勉強になりました。
そのような感じでお話が進み一つの形がまとまりました。
これでどのような形になるか工房に戻ってまとめ直しますね、しばらくお待ちくださいませ。とお伝えして再びモノレールに揺られて帰ってきたのでした。