やはりどこか懐かしい
「ツガとステンレスヘアラインのオーダーキッチン」
さいたま K様
design:Kさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:masakane murakami
painting:Kさん
きちんと並べられた食器たち。Kさん一人分の食器がきちんと並びます。（食器棚ができるまでは。）
キッチンをオーダーで依頼してくださる方って、みんな女性だと思い込んでいたんですね、私は。
でも、Kさんは男の人でした。
「いやあ、イマイさん。私も何でキッチンをオーダーしたいのか分からない部分もあったりするんですけれどね。」とKさん。
「じつは、祖母の家を建て替えて私が使うことになりまして、せっかく家を新しくするのなら使いやすいキッチンにしたいなって思っていたのです。そして、イマイさんを見付けました。でも、特に料理が大好きっていうわけでもなくて、さらに私一人で住むのでから名ずしも機能的で作り込んだキッチンが必要、と言うわけではないのです。」
うーん、不思議な人だ。
シンクまわりの様子。私の祖母の家もこういう印象だったような気がします。
カウンターの奥のタイルとの境目はステンレスをたち上げて(バックガードと呼んでいます。）水が後ろに回り込んでも掃除しやすいようにしています。
物腰穏やかで、一見設計のお仕事をされている方なのかなって思ったのですが、お話を聞いてみると先生のような小さな子たちに勉強や遊びを教えるお仕事をされている人なのだそうです。なるほど、優しそうですものね、Kさん。
「でもね、イマイさんのキッチンを見ていると、ああ、こういう温かいシンプルな形のキッチンがあったら良いなって思うんです。余分のないシンプルで木の表情がきちんとあるものが良いなって思っているのです。」
と、すごく印象を大切にお話しするKさん。
では、どんな形になったのかと言うと、とてもシンプルなキッチン。
「すべて見えていていいんです。引き出しは一つだけあれば。でも、調味料とか入れるところも引き出しがいいかな。」
シンクの下はこのようにオープンにしていて、ゴミ箱を入れる予定で開けてあるのですが、以前に私たちがアルダーのハイスツールをとても気に入ってくださって、それをキッチンで使って頂けることに。だから、シンクの下はそのスツールの居場所でもあります。
そして、Kさんとのやり取りは、「パソコンのメールをしないので、それから携帯電話もこの古いタイプのモノでして、さらにはFAXもないので、図面や見積はすみませんが郵送でお願いします。」
おぉ、なんだか懐かしい。
そして、できあがったキッチンはやはりなんだか懐かしい。
唯一の大きな引き出し。カトラリーは入っていないのですね。
「とても良い感じです。新しいキッチンは料理も片付けもするのが嬉しいです。なにがなくとも眺めたりする毎日です。」
Kさんとお話をしているとやはりどこか懐かしい空気があるのです。
「オーダーは良いです。また一所懸命考えて何かお願いしたいと思います。まずはテーブルかな。」
その引き出しまわりの様子。きれいに食器が並びます。独身男性のキッチンには見えないなあ・・。
ツガのきれいな表情が出ているコンロ周り。本来ツガっていうと、家具材、と言うよりは建材、家を建てる時に使う材って思われているので、うちの材木屋さんでもなかなか取り扱いがなくて、実は入手に苦労した材でもあります。でも、加工はしやすいし、木目はおとなしいから仕上げやすい。
「グリルは使わないので、シンプルなコンロにしたいです。」ということで、リンナイの4口コンロ。ところで目を引いたのがこのケトル。PICQUOT WAREの「K3ケトル」というのだそうです。素晴らしくきれいでこの場所にあっていたのです。
スパイス、ボトル用の引き出しは、それらしいものが入っていませんでした。（笑）やはり引き出しは要らなかったのかもしれませんね。
すてきでしょう、このキッチンスペース。次回はテーブルと食器棚を作りたいって、Kさん。その時が楽しみです。
| 天板 | ステンレスヘアライン |
|---|---|
| 扉・前板 | ツガ無垢材 |
| 本体外側 | ツガ突板練り付け/ツガ無垢材 |
| 本体内側 | ツガ突板練り付け |
| 塗装 | ワトコオイル塗装「ナチュラル」（Kさんが施工） |
ツガとステンレスのキッチン
価格：500,000円（制作費、塗装は施主様施工、設備機器費用は別）
＊運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
（目安として、運送搬入費は50,000円から、取付施工費は110,000円から）
