生まれ変わる
「オーダー家具のリメイク」
鶴川 H様
design:Hさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
design:daisuke imai
painting:daisuke imai
「今から7年前にオーダーで作ってもらったテレビボードがあります。この家具を今度引っ越す先のマンションに持っていきたいのですが大きすぎて困っています。
できれば、もっとコンパクトなテレビボードとソファで使う小さめのテーブルなんかにリフォームできれば幸せなんですが・・。再生が可能かどうか、検討していただけますか。」
というお問い合わせがありました。
その時に送ってもらった写真が右のテレビ台です。
写真で見るとあまり大きさを感じないのですが、実際に見たときはなんて大きな家具だろうと思いました。
このメールを頂いて、まず私が連絡したことは、「私たちが加工するよりもこの家具を製作した家具屋さんに直接お話したほうが作り方も熟知しているはずなので、その方が良いのではないでしょうか。」
と言うことです。
そののち、Hさんからご連絡があり、「製作した家具屋さんは解体してもう一度別のものにするのは難しいから、この機会にお部屋に見合ったものを新たに作ってはいかがでしょうか。」と言う返答を受けたのだとおっしゃいました。
なるほど、解体して再加工するのはゼロの状態から作ることよりも手間の掛かることですから、そういわれても仕方ないのかなと私は思いました。実際このやり取りをしている時、もし私たちのところでこの家具の改装をすることになったら、どのようにやったら分からず難しそうな部分が多く思えていたので、あまり乗り気にはなれませんでした。
その後、Hさんから再度ご連絡があり、もし、大幅に直すことになった場合のおおまかな概算金額をお知らせしました。(けっこうな金額です。新しく家具が作れちゃうくらいです。)
それでも「できれば、今まで使ってきてとても愛着があって、手放してしまうのは忍びないのです。どうにかリフォームして使いたいので一度見に来ていただけますか。」ということになりまして、父が一度実物を見に、そしてどこまで材料を生かしてほかの家具に活用できるかを判断しに伺うことにしたのです。
リフォームのはじまり、はじまり・・・。
この写真のテーブルも、「せっかくだから、一緒に・・」と言うことで、このお話のあと、直すことになったものです。
「どうにか、分けることができそうだよ。」
父は戻ってきてそう言いました。
そして、引き取り当日、私と寺井君は別の方の取付工事が終わったあと、父と土江さんと合流して4人でHさんのお宅に向かいました。その時に住んでいたHさんのお宅は山の中腹にある不思議なおうちでした。コルゲート鋼板の曲線を描いた屋根に、リビングやダイニングなどを兼ねた20畳以上ありそうな部屋(まるで学校の体育館のように思えました。)でした。
もうすっかり家財を新居の近くの仮住まいに持っていってしまったので、その巨大な空間にポツンとあの家具が置かれていました。その光景が何だか不思議で何だか絵を見ているような感じがしました。
さっそく家具を近くで見て見て、「うん、どうにかなりそうだ。」と私も思ったのです。
それから運び出しましたが、この家具が予想以上に重くて4人でどうにかやっとトラックに積むことができたほどです。
さて、この家具があるだけで工場が狭く感じるほど大きさです。とりあえず解体だけは早くしなくては・・・。
オーダー家具はその家具屋さんごとに作り方がいろいろと違っているので、外から見ただけではどんな風に作っているかが分かりません。これだけの重量がある家具だと相当がっしりと組んでいるのだろうと思った通り、木ネジがかなり多く打ってあり、また、接着部分もきれいに解体するというより荒くはがしていくような感じではないと解体できませんでしたので、結局バラバラにして使えるのは1/3程度になってしまいました。
さて、解体した材料で何をどう作ろうか・・・。
TV Board
以前の家具より使ったのはテレビ台の下の本体部分のみです。他の部分はかなり細かくバラバラにしなければ使えなくなってしまいましたので・・・。
下の本体部分の720m/mほどあった奥行を550m/mにまでカットしています。上のオープン部分はこちらで用意した新しい材料で作っています。
また、以前の家具では全て扉になっていたのですが、今回は中央部分だけをAV機器を置くスペースとしてリモコンが聞くような格子状の扉にして、左右はソフトがしまえるように引き出しにしました。
下は、以前の家具と同じようにキャスターをつけています。以前の家具には直径150m/mくらいある工業用のキャスターがついていて、とても骨太な感じがしてそれはそれで良かったのですが、今度の新居にはちょっと大きすぎてテレビ台自体の高さも高くなってしまうのでもっとスリムなキャスターにしています。
Dining Table
テレビ台に取り掛かる直前に、Hさんから「一緒にきれいにしてください。」と言われて加工したダイニングテーブルです。今まで使っていたテーブルは、厚み8cmくらいあるタモの集成材の天板の下に真っ黒く塗装された収納を兼ねた台があるという変わった形だったそうです。
9月のはじめにHさんに天板を持ってきてもらいました。(相当重かったと思います。)下の台は黒いものを白く塗り替えるのは難しいと私たちの方から連絡しまして、破棄することにしてもらいました。その代わり解体したテレビ台の上の部分の板を使って下の台を作りました。
Sofa Table
Hさんから頂いたFAXを元に設計していったのですが、正直変わった形だなと思いました、脚が格子状になっているなんて。私だと、どうしても左右対称な形にしたいなと思ってしまうので4本脚のテーブルか、もしくは左右とも格子状の脚にするかのどちらかになってしまうのですが。実際にプランを決める時にHさんのプランと私のその2案の計3案を見てもらったのですが、やっぱりHさんは最初に自分で考えた案が良いと言うことでこの形になりました。
でも、こうしてでき上がりを見てみると、良い感じなのです、バランスが。
費用につきましては、お問い合わせくださいませ。
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