トイレの白い吊戸棚について考察

2016.06.29

スタジオコンボの茂呂さんとは、十条のYさんの時に知り合ってから、埼玉のFさんの室内設計をお願いしたりと、距離は遠いけれど親しくお付き合いさせて頂いているのです。
その茂呂さんから「トイレの戸棚を作ってもらえますか。」とご依頼を頂いて、本日設置してまいりました。
見た印象はシンプルな吊戸棚です。
ちょっと変わっているのは、左側に換気口があるから扉が管機構に当たらないように扉の幅を左右で変えたところくらい、に見えます。
でもね、シンプルな形でもあれこれ悩みながら作ったのです。

できればシンプルな四角い箱にしたかったのですが、トイレの間取りって、半分近くがトイレのドアを開けると便器が正面にあってこちらを向いているレイアウトが多いのです。トイレという部屋いっぱいに入り口のドアがついているわけではなく、ドアはトイレの室内の幅よりも少し幅が狭い。そうなると、戸棚をつける時に戸棚をヨコにしてトイレに持ち込んで、トイレの中で半回転させるのです。
その時に、設置場所の幅めいいっぱいで作っちゃうと、半回転させようとしてもつっかえちゃう。
戸棚の幅と奥行に対して対角線がトイレの室内の幅を越えるとつっかえちゃうのです。
むかしむかしに、マンション向けのシンプルな戸棚をたくさん作っていた時にこの失敗で20台近く幅を修正直した経験がありまして・・。
ですので、対角線で考えて戸棚の幅を決めると、どうしても設置場所の幅よりも戸棚の幅が小さくなっちゃう。
それで、そこをどう仕上げるのか・・、悩みます。
茂呂さんと決めた方法は、一番手が込んだ仕上げ方法。
上面と下面の隙間を埋めたあとに、正面は扉と同じに見えるようなパーツで端を仕上げるという形です。
普通なら1時間もあれば終わる作業も、このような仕上げでさらに戸建て住宅だと天井に廻り縁が回っているので、その欠き込みなどもあって、一人でモクモクとやっていると3時間近くあっという間に経ってしまう。
シンプルな形でもこれだけの工程を経てようやくすっきりとした形ができあがります。

「妻が帰ってきたら、喜びますよ。イマイさんありがとうございます。」と茂呂さん。

また次回、お仕事でご一緒させて頂ける時が来るのを楽しみに待っています。
これからもよろしくお願いします。