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「アルダー板目材とステンレスヘアラインのオーダーキッチン」
鎌倉 H様
design:Hさん
planning:Hさん/daisuke imai
producer:koubou tan
painting:haraki tosou
スルガ建設の小林さんがお客様を連れていらっしゃいました。
「実は私もね、イマイさんのことをお客様から教えてもらったんですよ。」と、とてもジェントルマンな風貌の小林さん。
「それで、こちらのHさんのほうが先に家を建てる時期になって、それでキッチンをオーダーで考えたいって言われたので、それならと思って、思わず先日電話させて頂いたのです。」
そして、Hさんをご紹介頂いたのでした。物腰穏やかでとても優しそうなお二人。
いったいどんなキッチンを考えているのでしょうね。
いろいろとお話を聞かせて頂くと、Hさんのキッチンスペースは結構広く採られています。
「”ここからは、キッチン”という場所を作りたいのです。」とHさん。
l型の大きなキッチンのほかにアイランドカウンターを配して、あえてキッチンの入り口のようなちょっと狭くしたスペースを作り、その奥がスタジオのように、ぐるりと奥様の手の届く範囲にカウンターで囲うのです。さらに奥には十分な広さのパントリー。
「だんだん、良い感じになってきたね。」と奥様を見つめてほほ笑むご主人。そして、静かに微笑んで、まるで二人の秘密のお話をしているかのよう。
奥様に疑問が浮かんでは、ご主人がそれを丁寧にほどいて、私に投げかけて、私の返した言葉を二人に微笑みながら受け取って。そのようなやり取りから生まれた温かなキッチンです。
そして、キッチンだけではなく照明の製作も。
実は、Hさんとのやり取りをする期間中に、私たちが毎年行っている小さな展示会の開催期間があったのでした。その中のイベントで、「ペンダントライトを手作りしよう。」と言う教室を開きまして、Hさんご夫婦で参加してくださったのです。
「楽しみにしてきました、イマイさん。」とHさん。
この照明教室は、パーツをキット化して、ここで組み立てていくという形で進めるつもりでしたが、Hさんは、パントリーにぜひ使いたいともうイメージされていたのです。
「実は、イマイさん紙を自分たちの気に入ったものを用意してきたのですが、それを照明に使うことはできますでしょうか。」
なるほど。
「もちろんです。どんな紙をご用意されたのですか。」
見せて頂くと、ほんのりと水色が入った無地でシワのある紙と、模様が型抜きされている紙でした。
「これを重ねて張ってみたいな、と思っています。」とHさん。
これは面白いです。
うれしいことに、皆さんに、「イマイさんの形が好きです。」ってよく言って頂けるのですが、それは皆さんが考えた形で、私のものではないのです、とその言葉を聞くといつも少し照れくさくなってしまうのです。
今回のHさんの照明のアイデアのように、皆さんから少しずつヒントを頂いて、今の私たちがあります。
皆さんの良い気持ちがこのようなすてきな形を生み出してくれたのです。Hさんが一つずつ難しいことをほどいて編み上げたこのキッチンや照明のように、私たちも一つずつ編み上げている形が今の私たちの形なのです。
天板 | ステンレスヘアライン |
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扉・前板 | カバ板目突板練り付け/アルダー無垢材 |
本体外側 | カバ板目突板練り付け/アルダー無垢材 |
本体内側 | ポリエステル化粧板「ホワイト」 |
塗装 | ワトコオイル塗装「ナチュラル」 |
アルダー板目材とステンレスヘアラインのオーダーキッチン
価格:1,150,000円(制作費、塗装費、設備機器は別途)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は40,000円から、取付施工費は140,000円から)