住みながら居心地を整えましょう
「引き戸のあるチェリーのリビング壁面収納のオーダー」
荒川 M様
design:Mさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:kouhei kobayashi
painting:kouhei kobayashi
「フリーハンドイマイ様
初めまして。Mと申します。
現在家を新築しており、リビングに壁面収納+デスクの作成をお願いしたいと思い連絡させていただきました。
まずは見積もりの作成をお願いいたします。
壁面収納部分には以下のものを収めたいです。
○掃除機、扇風機、暖房器具等の背丈のあるもの
○ストック用の日用品と本
○A4サイズ程の書類ファイル
○アルバム
○文具
○その他日常リビングに置いてある小物諸々
デスク部分にはPCを置き、プリンターや印刷紙、インクを収納出来る引き出しを付けて頂きたいです。
御社のウェブサイトを拝見させて頂いたところ、「せんせいの部屋」「やさしい場所」を足したようなものが良いかと考えています。
素人の考えなのでプロの目からもっと的確なアドバイスを頂けたら幸いです。
今回リビングボードをお願いしていますが、それにプラスでリビングや別室の壁面に棚板を付けて頂くことは可能でしょうか?
飾り棚兼収納を兼ねるような感じで考えています。
ご参考に家の間取り図を送ります。ご確認くださいませ。
それと一度そちらにお伺いさせて頂き、直接お話をさせて頂きたいなと考えています。
お忙しいところ申し訳ありませんが、ご検討の程よろしくお願いいたします。」
と、Mさんからご相談を頂きました。
収納を作る場合って、どのように組み立てていくと良いかがあれこれ方法が分かれるのですが、以前まではしっかりとしまいたいものを教えて頂いて、それらがきちんとしまえるような形を作ることが最良だと思っておりました。
でもね、暮らし方ってやっぱり変わるんですよね。
私も子供を持って分かりましたが、夫婦二人で過ごしていたスペースの使い方と、小さな子供たちがいる期間のスペースの使い方、子供たちが自分たちの部屋を使うようになるころのスペースの使い方。
それぞれの期間中に目を向けることが全く違うのだなあと経験してあらためて思うのです。
そうなるとしまうものに合わせて設計していても、使い方が変わる時期になったらかえって使いにくくなっちゃうこともあるのではないかって思うようになってきたのです。
じゃあ何か最良なのかなって思うと、極端なお話だと、ただ扉がついていて中に棚板が入っているだけの形で足りてしまうのではないかって思うこともあります。
だから最近は、皆さんからしまいたいものや家具をどう使いたいかをお聞きするのですが、あまり細かく寸法などを限定せずにある程度柔軟にいろんなものがしまうことができるような形を考えるように心がけることが多いです。
今回のMさんの場合は、Mさん曰く、「狭小住宅なのですよ。」とおっしゃるように、リビングダイニングがとてもコンパクトなので、あまり圧迫感のない収納にしたいと思っておりました。
エアコンがつくスペースも重なる場所でして、どういう形が良いかを模索していきます。
まず、どうしてこの場所に収納を作ることにしたのかということ、写真には写っていないのですが、建物が建っている敷地の関係上、この収納の反対面の壁がアールになっているため、大きく収納を作れるスペースがこの場所しか取れませんでした。
本来でしたら、エアコンの送風口と干渉するので、あまりエアコンの下に収納は作りたくないところです。
ですので、この場所に収納を作ろうとなった時にMさんのほうでは、当初天井まできっちりと収納にしてしまってたくさん物がしまえるようにした方が使いやすく、またかえって中途半端な高さにならずにスッキリするのではないかと計画されていました。
でも、そうするとエアコンの風がリビング全体に行き渡りづらくなるし、エアコン少し手前に取り付ける方法もなくはないですが、余計な費用が掛かってしまいそうで・・。
それから、以前お客様から言われた感想がずっと私の家具作りの芯に残っていて、それは、「奥の壁が見えることでかえって家具がなかった時よりも部屋が広く感じます。」って言われたことがあったのです。
それまでは家具はすき間なく、床や天井をピッタリ覆ってしまったほうがスッキリ見えて圧迫感がないのではないかと考えていたのですが、そのお客様の時に吊戸棚の上は使いづらいからって開けたのですね。そうしてその吊戸棚の上の奥には白い壁が見えることになったのですが、それが面白いことに今まで白一面で距離感が曖昧に感じられた空間に、家具という色が部分的に入ることで、部屋の奥行をしっかり感じることができて、かえって部屋の広さを視認しやすくなったというお話が私の中でずっと生きているのです。
だから今回も天井まで作るのではなく、エアコンの送風を妨げない位置の高さまで家具を作ることにしましょう、ということになりました。
これがかえって良い効果となり、おかげでリビング全体が引き締まって見えるようになりました。
それで、収納の中身はというと、あまり作り細かいという前述のお話をさせて頂いた上で、Mさんがさらにはどのように使っていきたいかを考えて、いくつかの機能を盛り込んでシンプルな形ができあがりました。
また今回は、扉を閉めた時の表情が味わい深くなったら良いな、ということとクローゼットや押し入れのような感じで扉を開け閉めしたい、ということで、引き戸に、さらには框組で作ることにしまして、それが本当に良い表情になりました。
この家具が入ったおかげで本当に部屋の印象が一変したって、Mさんにはとても喜んでいただけて、私自身とても安心できたのでした。
チェリーの壁面収納
価格:840,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は30,000円から、取付施工費は50,000円から)
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