学び家

「タモ板目のキッチンカウンター収納と食器棚のオーダー」

浦和 S様

design:Sさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:iku nogami
painting:iku nogami

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

リビングから見た様子。建具も最初は交換するかどうかのお話が出ていたそうですが、建具枠も関わってくるので変えるとなると大掛かりな工事になるので、このままにすることに。濃い色がどのように見えてしまうか気にされていましたが、床を変えたことで全体的に明るい調子になったので、かえって濃い差し色が映える印象になりました。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

途中で追加でご依頼頂いたダイニングテーブルはしっかりした作りしたいということで、タモよりも堅いナラ材で制作しました。これで、食器棚とキッチンカウンター、ダイニングテーブルとが明るい磯見になって部屋全体が整いましたね。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

フローリングは最初樹脂シート仕上げ(もしくはうす突板ウレタン塗装仕上げだったかな?)のものになりそうだったのですが、他を削減してもここはコストを掛けたほうが良いと思いますとお話させて頂いて無垢のフローリングに。やはり足触りが違って、心地いいのですよね。塗装もウレタン塗装が厚めの塗膜になっているタイプだとひんやりしたり、あとは長く使っているとべたつきを感じたり。無垢のもののほうがそうなっても自分で磨いたり手入れしやすかったりするので、ぜひ、とSさんにはお話させて頂いたのでした。やはりそうしてよかったですね。

「今井様。
今回、築19年マンションの居住中、夏休み前半を利用して水廻り3箇所のリフォームを計画中です。
これを機によくあるマンションのキッチンカウンターを解体し、流し台の反対側→リビングから見ますと、換気扇裏側から流し台の裏側まで(約2m48cm)に、A4縦のファイリングスペース(引戸または観音扉)と換気扇裏側の壁あたりにワークスペース(ノートパソコン)を生み出したいと思っております。
まだ検討段階で案が固まっておりませんが、原案を2パターン添付させていただきます。
テーブルの位置は縦置き、横置き、こちらも答えは出ておりませんが、父子男子3人の廊下からソファまでの導線を考えるとテーブルはこの向きなのかな?と思案中です。
(可能でしたら、アドバイスをいただけるとうれしいです。)

さて、お見積をいただきたいものは、上記のものと食器棚です。
キッチン背面の食器棚は、冷蔵庫横の壁から計りますと幅163~165cmです。
吊り戸棚込の金額をお願いします。
今のところ、ナラ材を使用したいのですが、床、建具がチョコレート色で、相性を心配しておりましたが、昨日届きましたカタログを拝見しましたら、近いものがありましてかなり参考になりました。

ハウスメーカーさんとの次回打ち合わせは、3月8日に予定しておりますので、できることとできないことの確認を致しますね。
なお予算の関係上、お願いいたします内容の優先順位としましては、「①A4キャビネット&ワークスペース」「②食器棚」となります。
ざっくりなご説明で情報が不足していることと思いますので、後日お電話にてお話させていただきたく存じます。ご都合の悪い時間帯などありましたらお知らせください。」

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

こちらがリフォーム前の入居当時の様子。少し前のマンションはこの濃い色につやのある仕上げが流行っていましたね。


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頂いた2つのパターン。キッチンの対面カウンターの部分に収納を作るか、西面の壁ぞに収納を作るか・・。暮らしの動線によって使い勝手が大きく変わってきますね。

Sさんからメールをいただきました。
これは、家具のご相談というよりも暮らしかたのご相談ですね。
そうなると、漠然とイメージしているものが本当にその人のその家族の思い描く暮らしとなるかどうか、そしてそれが予算に見合った形となるかどうかいろいろとお話ししないといけないことがあるのです。

「S様。
フリーハンドイマイの今井大輔です。
さっそくのご連絡ありがとうございます。
今回リフォームにてご検討されているのは、オーダーキッチンではなく、「A4サイズのファイルや本などがしまえる収納と作業するためのデスク」と「食器棚」の2台の家具をご検討くださっているということですね。ありがとうございます。

デスクを使われるのはご家族のどなたになるか、A4サイズのものはご家族どなたのものをしまうことが多くなるのかによって、レイアウトも変わってくるのではないかと思っております。
例えば、デスクをメインに使うのはご主人になるなどご家族お一人がメインで使う場合は、1枚目の写真のようにキッチンの背面に収納をデスクと収納をつける形でも良いかと思いますが、
ご家族皆さんで共有する場合は、壁に接する形のほうが使いやすいかもしれません。
また、ご家族皆さんで使う場合は、スペースが許すなら可能でしたら収納とダイニングテーブルは離して、ぐるりと回れるようにして、
どこからでも収納にアクセスしやすいかたちでさらに開け閉めしやすいように引き戸になっていると使いやすいかもしれません。
コスト優先で考えるなら開き扉が一番加工手間が掛からないので費用を抑えることができます。また、少し変わった方法として、引き出しに吊り下げ式にしてファイルをしまうお客様もいらっしゃいます。

皆さんのいろんな考え方があると思いますので、またその作り方によって大きく費用も変わってくると思われます。
可能でしたら、簡単なものでも構いませんのでスケッチを描いて、それを写真に撮ってお送りいただければ幸いです。
食器棚についても、扉の形状や引き出しの有無、家電をどのように置きたいかなど具体的に書いて頂けますと幸いです。
その内容を基に製作金額を見積もってみたいと思います。

また、ファイル収納やデスク、食器棚の場合は、リフォーム後の工事でも大丈夫ですので、ハウスメーカーさんの仕上げやすい方法でリフォームを行なって頂いて、そのスペースに合わせて私たちのほうで家具を設計できますので、
特に家具に合わせてお部屋を調整して頂いたりしなくても大丈夫だと考えております。
(オーダーキッチンの場合は、配管の方法や設備機器について、施工が難しいレイアウトや導入が難しい機器もあったりしますので確認が必要と考えておりますが、収納家具でしたら大丈夫です。)
それでは、ご検討くださいますようよろしくお願い致します。」

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

食器棚の吊戸棚についているオープン棚部分。奥に見えるのは私たちの小さなものづくりのイベント「クレミル」で作ったクリスマスツリー。

いつも長々とメールをしてしまうことが多いのですが、これはもちろんSさんの暮らし方を想像しながら描いたものでありますが、それと同時に自分のためでもあったりして、自分の中でその人に形をどのように考えていきたいかを書き出している作業でもあります。
それと、確認事項をきちんと書いておくとあとで忘れがちになっちゃっても見返せますので。

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

食器棚のイメージは「つたえる楽しさむずかしさ」のTさんのイメージを参考にしながら組み立てていきました。引き出しが多いかたちなのです。

「イマイ様、説明下手ですみません。
◆A4サイズのファイルや本などがしまえる収納と作業するためのデスク
◆食器棚
ご依頼はこの2点のお見積り金額です。
A4縦については子供の塾のファイリングで、4教科分の保存ボックスが2名分と本などです。各ボックスから毎日取り出したり、しまったりを繰り返します。
宿題はダイニングテーブルでします。テーブルはリフォームを機に買い替える予定で考えています。(テーブル横幅170cm前後、商品未決定)
LAN配線、電話配線、文具類も片付けます。
作業スペースではノート型PCを週末のみ夫または子供が使用します。
食器棚は添付画像が希望に近いです。(取手はご相談)
キッチン流し台横、廊下側にニッチを作ります。
収納の続きで全面ナラ材にするパターン、もしくは壁紙で仕上げるパターンにする場合は底面と背面をナラ材で仕上げたいです。
この辺りはハウスメーカーさんとのご相談が必要になってきますよね。
昨日いただいたイマイさんのメールを読み進めますと、真摯に向き合ってくださることが伺え、とても安心しました。
まずは、私が頭の中にある考えや、形にできないもの、空間で考えられないもの、書き出してお伝えしてみようと思います。
少しお時間いただきますね。」

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

一番左上部はトースターをしまうスライドテーブル。このテーブル使いやすいのですが、やはり一長一短あって、今までに引き出し忘れて使ってしまったという方もいらっしゃって、そうなると上面の木がひび割れちゃったりするので、カウンターの上に余裕があればなるべくでしたら上に置くほうが良いかなあと・・。もしくは使う時だけ上にあげて使うとか。炊飯器だとコードがくるくる巻けるのでそれも使いやすいのですが、トースターだとコードもぶらぶらしちゃうからその都度動かすのは手間ですので、そのあたりは皆さんの暮らし方、見せ方といつも相談しながら決めております。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

その下は深めの引き出し。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

一番下は混酸をしまうバスケット。この根菜バスケットも意見が分かれますね。この場所だと使いやすいというかたと、もっと冷えた場所(玄関など)に置く方が持ちが良いからというかたと。皆さんの暮らし方がよく分かっておもしろい。ですので、マンションにお住まいの方はこの形が比較的多かったりします。

はじまり、はじまり。
Sさんとの長い長い旅が始まります。

だんだんとSさんご家族の様子が目に浮かんできますね。
ここまでご意見を頂いた中から私が言えることは私が自分の家族を持って暮らしてきたその内容です。
具体的には子供の勉強机は小学校のうちは要らないかなと思っていること、リビングに作るデスクをきちんと活用するにはきちんとした計画がないと難しいと感じていること、収納を作っても使いにくい位置に作ると、機能的に使えなくなると思うこと、奥行の狭い家具の場合には引き出しを設ける必要があるかどうかはその人の暮らし方によること、などなど思うことをお伝えしていきます。
(それぞれの思いはきっとどこかの制作例に書いたことがあることばかりです。もしよかったら皆さん見付けてみてくださいね。)
そのよい部分、良くない部分、自分で思うこと、皆さんから教わったこと、すべてを伝えて、その中からそこで暮らし人、家族にとって必要なことを選んで頂くことで形はおのずと決まっていきます。

そして、一番思うのは「格好つけた形」にはしたくないなあと思うのです。もちろん、頂いた選択をただ組み合わせるだけではちぐはぐな形になってしまうことがありますので、そこは私なりに整えるのですが、見た目を優先して考えた形ではなくて、使い方を考えてできあがった形にしたいと思うのです。そしてその方が美しい。
その人にとって使いやすい形になると、暮らしかたが心地よくなります。
気分よく過ごす時間が持てます。
家具の良いところは、できあがった形の美しさだけではなく、やはり心地よい時間や空間を与えてくれることが大きいのではないかと思うのです。

そして、そういうふうにいろいろな自分や家族の仕草やクセ、好みや動きを考えることは家具の形を考えるためだけではなく、そこで暮らすかたちを見つめ直すことにもつながるのです。
・・・この家具がここに来るならこういうふうに暮らしていきたいな、それにはあれはここには不要で、代わりにこれがここには必要。
そうするとその時間がこの時間に充てられるかも・・。
というように。

そう言うやり取りをさせて頂いているうちに、だんだんとSさん、いろいろなことを調べ始めるのでした。

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

中央の引き出しの一番上は作業ができるようなテーブル。カウンターと同じ高さにはならないので少し低めになりますが、やはりカウンターだけだと作業するのに狭いという皆さんには好まれる形です。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

こちらはその下の引き出し。おもしろいのは上の方と下のほうでスライドレールを変えているところ。こちらはヨコ面につける通常のベアリングタイプのレール。ソフトクローズはしません。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

その下の引き出し。ここもベアリングレール。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

ここからは底面付けのソフトクローズレール。引き出しの内寸サイズを調整する意味もあるのですが、重いものが入ることと下の方の引き出しはしゃがんで使うよりも腰を屈めて使うことになることを考えると、軽く開け閉めできて最後は自然にきちんと閉まってくれるものが良いという選択です。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

こちらもソフトクローズレールの引き出し。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

同じくソフトクローズレールの引き出し。

「今日は風はあるものの、お天気がよく爽やかな日です。
家事をしながら、あれこれ案が浮かんでは消えます。
何が便利なのか、使い安いのか。
保存boxのこと、いっそのことカウンター左端にbox8個置き来客時にしまうと、カタチがシンプルでよいのかな。。
タモやナラの色ですが、焦げ茶色のフローリングとのマッチングはどうだろう。
床を張り替えた方が更にマッチするのかな。どう仕上げたいかですかね。
考えるのも楽しい作業です。
ではでは、よろしくお願いいたします。」

今までもSさんのような考え方をされる皆さんはいらっしゃいました。
そういう人たちに出会えるのって本当に素晴らしいことなのです。
メールで打ち合わせを重ねてお会いできたのは数回くらいですが、とても貴重な時間でした。
「イマイさん、あたしね、ここをこういう形の引き出しにすると、きっとこうやって取り出すようになると思うのです。そうすると、家族の誰かがここに座っているときっと使いづらいだろうと思うのです。」
「キッチンの側面にニッチのような空間を設けてまで本を置くことにどのくらい意味があるのか考えました。その分廊下も狭くなるのになぜここに必要なのだろうって。」
「食器棚の引き出しはいつものみなさんとは違って、浅く段を増やしたいのです。いろいろ考えたのですが、その分スライドレールの厚みや引き出しの底の板の厚みが増えることになっても、自分にとっては段数が多いほうが使いやすいと思えるのです。」
思い出すだけでもいろいろなことが浮かびます。

しまいには、
「イマイさんはそうおっしゃってくださったのですが、やはり私はここをこうしたいのです。そうすると、ほらこうなるでしょう。」
なるほどっ!
立場が入れ替わってしまいました。
以前の皆さまでもこういう感じでしたね。
こういうふうになると、私はその家で暮らしているわけではないのに、まるで皆さんと一緒に暮らしているかのような体感があって、それがまた私の忘れることのない知識になっていきます。
そういう皆さんの意見で今の私たちの家具ができあがっていると言っても良いくらい、皆さんの体験が今に活かされていたりします。

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

今回のポイントとして、内部は明るめのグレーのマット仕上げの化粧板を使っています。一般的にはホワイトを使うことが多く、時々棚板などはそのように別の色のものを使うこともあるのですが、引き出しまで他の色にするとコストが高くなるのです。白いものはメーカーのほうで厚み15ミリの材が用意されているのですが、他の色になるとその厚い板作りからしないといけない。また小口材も少量しか使わないのに取り寄せると無駄が多く出てしまう。そこで今回はグレーの化粧板を使っていますが、小口材は外側面と同じタモ材で仕上げることで少しコストダウンを図っています。でもかえってこの方がとても印象よく見えるのでした。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

ゴミ箱は最近よく使われるケユカのアロッツ。この形が進化したようなゴミ箱も最近見かけるようになりました。それを教えてくれたのも他のお客様だったりします。いろいろ勉強しなければいけないことはたくさんあるのです。

「中古マンションを購入した時はまだ下の子が生まれたばかりで、私に余裕がなく、壁紙だけ張り替えての入居となりました。
私たちにとっては水廻りのリフォームが今となり、このタイミングでイマイさんの家具に出会えたことはどんなにうれしかったことでしょう!
自分のこれまで、これからの生活を考慮しながら必要とする家具について、イマイさんとのやりとりをはじめ、向き合っている時間がとても勉強になり、楽しい時間となっております。」
それでもSさんはこう思ってくださっている。自分は家具や空間に向き合えて学んでいるのは私自身だったりわけですので、私がむしろSさんに感謝しなければいけませんね。

その様な感じでやり取りを繰り返しまして(メール数えるとトータルで150通くらいになっておりました。)ようやく制作が始まります。

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

キッチン対面のカウンター収納の要である家族の書類をしまう場所。来客時はこのようにしまっています。普段は開けておくのだそうです。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

開けるとこのような感じ。扉は上に向かって開いてさらに本体内に収納できる形。収納扉金物はいつものような手作りなので、多少遊びがありますが、使い勝手は良く特に問題なく使えています。さらに下の板は手前にスライドする形。これで書類を上から取り出しやすくしています。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

書類収納の下にはちょうどマルチメディアコンセントがありますので、ここにケーブルなどがごちゃごちゃとするルーターなどを収納しています。

今回はリノベーションに絡めて家具の制作を行なうということで、進め方としては収納の天板となるキッチンの対面カウンターの材を先に私たちのほうで用意して、それを大工さんにつけてもらい、そのまま木工事を進めて頂く。そして、石膏ボードなどが張られて採寸ができる頃にあらためてお伺いしてその寸法に合わせて家具の制作に取り掛かる、という流れで進んでいきました。
まずは、長いタモ材を積み込んで浦和のマンションの五階まで。少し前に作られたマンションなのですが、ホールや廊下がとても広くとられていて、搬入で苦労することなく無事室内に。
お世話になる大工さん(お父さんと息子さんでされていてとても良く印象のお二人でした。)にご挨拶させて頂き、施工方法も打ち合わせさせて頂いて、まずはその日は工房に戻ります。
しばらくのちに壁ができあがったという連絡を監督さんから頂いて、再び浦和まで。
予定通りの寸法で壁を作ってくださっていたので、無理なく家具は制作できそうです。
ということで、ここから制作開始。
対面カウンターは下の収納があって初めてしっかりする作りなので、あまり制作に長時間を使っていられないわけですが、いつものように形が複雑でして、制作を担当したノガミ君も苦労しながら作業を進めています。
こうしてできあがった形を見るととてもシンプルなのですが、形を考えることも形を作り出すこともそこに辿り着くまでが大変な苦労なのです。

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

浅い奥行の収納に対して引き出しが必要なのかどうか悩むところでもあります。浅いのなら奥のものもそれほど取り出しにくいわけではないですし、引き出しにすると家具本体の中にさらに小さな小箱をスライドレールを使って作ることになるので、その分、容積が小さくなってしまうわけですから。それでも、Sさんにとって家族それぞれが使う引き出しは大切だということで、上段に横に並べて引き出しを作る形にしました。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

下は開き扉の収納。可動棚の木口にタモが張ってあるのが分かりますでしょうか。かわいくなりすぎなくてとても上品な印象に仕上がっています。

そして、うれしいことにこの2台の家具を作らせて頂いている途中で、最初は別で考えていたダイニングテーブルまでご依頼頂けることに。
でも、Sさん。作らせて頂いたのはとてもシンプルなテーブルでしたがその形にだ取りつくまでは自分の中で気持ちを整理して、そのテーブルがある意味をきちんを整理されていました。
それってこだわりではなくて、暮らしが心地よく感じられる実感を得るために必要な作業なのです。
ひとつずつがそうあってほしいという願いでできた形は本当に幸せなのだと思うのです。

タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

カウンターはタモの幅接ぎ材。大工さんが丁寧に設置してくれたおかげで、あとから付けた家具との納まりも具合よく行きました。そして、この家具のもう一つの要であるブックラック。


タモのセパレートタイプの食器棚と対面カウンター収納

このブックラックをつけるということはその分、廊下の通路幅が狭くなる、ということです。それでもここにお兄ちゃんたちが良く手に取る本を置くこと、読書の習慣が付いたら良いな、という思いが伝わってきます。玄関から真っすぐリビングに向かう間取りなので、玄関開けるとこのブックラックがほんのり目に入る様子もまた良いのでした。

Sさん、うれしい言葉をくださいました。
「音楽はドレミファソラシドしかない音階で多様なメロディを生み出し人の人生に影響を与えます。
家具は板1枚から、これまた多様なカタチを造り出し、その人の生活に毎日寄り添います。
自分の好きなテイストの家具屋さんを自分で見つけ出して、整った我が家での生活はどれだけ快適なことか♪ ふふふ
病気をしまして、出産が遅くなり、息切れしながら49歳の育児真っ只中、それを日々支えてくれる家具と45歳の経験豊富な家具屋さんがいるのは安心です。
こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。」

そうそう、クレミルにもいらしてくださいましたね。
「木工教室とは」
https://www.freehandimai.com/?p=20807

タモ板目とステンレスバイブレーションの食器棚

価格:680,000円(制作費・塗装費)

タモのキッチンカウンター収納

価格:740,000円(制作費・塗装費)

ナラ柾目のダイニングテーブル

価格:310,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は60,000円から、取付施工費は100,000円から)

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