swell imagination
「食器棚のオーダー」
厚木 Y様
design:Yさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:shouko tsuchie
painting:kurihara tosou
2004/12月にこのようなメールが届きました。
「ホームページをみて気に入ってしまいました。仕上げはよくわからないのですが、イメージは白でカウンターの部分がタイルになってる感じがいいです。予算が少ないので無理な依頼かもしれませんが、よろしくお願いします。」
メールに記載されていた予算は15万円でした。
とても難しい金額でしたので、まずは概算見積をお知らせしたのです。「一般的な形で、白い化粧板を使って、天板だけ白いタイルを貼って仕上げると・・・、材料費、加工費を考えると25万円以上になります。もう少し、詳しくご希望を聞かせてもらえればきちんとした見積を出しますので。」と返事を出しました。
その日の夜にメールがあり、どうにか予算を増やせるように頑張ってみますとのお返事がありました。Yさんの希望しているイメージは、色が白くシンプルで、昨日がきちんとまとめられているものと言うことでした。
と言うことは、モダンな感じの食器棚で天板だけタイルと言うイメージなのかなって思いながらプランを考え始めたのです。まずはYさんに簡単にイメージスケッチを描いてもらって、それをFAXで送ってもらいました。それに基づいて図面にして見積を出していきます。形はあくまでも「シンプルモダン」なのだと思いながらプランを進めていきます。
2005/1月下旬にいろいろと話を進める中に一つのプランが決まりました。これが現在のプランとほぼ同じ内容になっています。ただ、材質は白い化粧板でとてもすっきりとしたシンプルなままな様子は変わりません。製作費用は当初考えていたものよりも、いろいろな金物が追加されたり作りが複雑になったりして37万円ほどになっていました。
いよいよ1つの形が決まったので、Yさんにこちらに来てもらって材料などの実物を見て頂くことになりました。
当日、Yさんといろいろと話をしてみると、実は今までの「シンプルモダン」が好みではなく、どちらかと言うとシンプルなフレンチカントリーのような家具が好みだということでした。Yさんも、お話をして初めて自分の意見がまとまってきたみたいで、今までずっと考えてきた機能だけではなく、家具の印象についていろいろと検討することができたのです。やはりメールと直接話をするのでは伝わり方が違うのですね。
それから生まれた形がページのトップのイラストです。これは、化粧板から塗装仕上げの家具に変更することになった時に、家具塗装の栗原さんに分かりやすいようにと描いたスケッチなのですが、せっかく描いたからと思ってYさんにも図面と一緒に送ったのです。この絵(今のように色はついてなかったのですが)を見たYさんは、「すごい気に入りました。デザインはこれでお願いします。」と、とても気に入ってくださってそれでこのプランに確定したのです。
最終的には塗装費や取付費などを入れると45万円以上になっていて、当初の予算の3倍になっています。でもずっと使う家具ならば何も惜しいことはないのです、と言うことがよく分かりました。
取付後、そっと「どうですか、イメージ通りの家具になっていますか。」とYさんに聞いたら、「はい、もちろんです。あの絵の通りです。」ってとても喜んでもらえたのがとてもうれしかったです。