アフタヌーンソング
「ナラ板目材とステンレスヘアラインのオーダーキッチン」
葉山 N様
design: daisuke imai
planning: daisuke imai
producer: number8furniture
painting: Nさん
「こんばんは。新年のお休み明け早々に工房にお邪魔しました葉山のNと申します。
その節はお忙しいところ、色々とお話を聞かせていただきありがとうございました。
また長い時間、奥様に息子のお相手をしていただきまして…お陰様で集中してお話を伺うことができました。ありがとうございます。
その後、設計士さんと打ち合わせを重ね、少しずつ全体のプランが固まりつつあります。
とは言え、まだまだ具体的な設計はこれからで、お伺いした際にもお伝えしましたが、夏頃に着工できればよいなと考えています。」
お正月が明けて、まだ息も真っ白な頃に来て下さったNさんはそうおっしゃってくださったのでした。
Nさんのご新居の立地は葉山。山の麓の目の前に川が流れる素敵な場所にNさんの家は建つのです。
まだこの頃は、キッチンのお話しが先行していて、ご新居の間取りもFIXしていなかったので、まずは原案となるプランを作成させて頂き、それを元に検討していくことになりました。
そして、その夏頃にはおおよその間取りも確定し、工務店さんも決まり、約1年後ののお正月過ぎからいよいよ製作に取り掛かったのでした。
ちょうどこのころ、消費税が5%から8%に引き上げられるという、家を建てる人にとって杯大きな分かれ目の時期でして、その引き上げ前に家を建てる、と言う建築ラッシュがいろんなところで起こっていて、Nさんの工事現場でもその影響を受けて、工事が少し遅れたりしていたのでした。
ただ、大きな問題は起きずに数日の遅れで工事は進み、私たちの取付もどうにか3月中に終えて、今回はNさんがオイル塗装をされるということで塗装方法もお伝えして無事に終えることができたのでした。
その後、お引越しされて数か月しましてからメンテナンスにお伺いするためにご連絡させて頂きました。
「ちょうど良かったです。イマイさん。私たちの塗装が良かったかも見て頂きたいのと、木が動いてきたようで、隙間が出てきて・・。」
と言うことで、写真を撮らせて頂くとともに、いろいろとメンテナンスをしにお伺いすることに。
拝見させて頂くと、アイランドキッチンの背板が、その上のカウンター(笠木)を押してしまって、押された笠木と動いていない側板との間に隙間が5mmほど空いてしまっている・・。
製作したのは、真冬で今は初秋。
目の前が川で、ここは山のふもとで風が少し滞ることもあるのかもしれないのですが、大きく縮んだことは以前にあったけれども、これほど延びることもあるのだなと反省。
さっそく笠木を預かり、背板の伸縮に対応できるように加工させて頂くことにしました。
いろいろなことが勉強です。
「葉山って言うと、皆さん静かな海のある避暑地のようなイメージをされると思うのですが、ちょっと外れたこの場所もいちおう葉山なんですよ。」とNさんが言うように、ここは緑が生い茂るとても静かな場所。
「だから、この場所だけ今回縁あって造成されて若い人が住むようになりましたが、このあたりには子供が少なくて。」
「小学校の児童数もとても少ないのです。海のほうはもっと学校が賑やかなのですが。だからうちも少し遠くても別に学校にしたほうが良いのかなってちょっと悩んじゃって。子供はどこでも楽しそうですけれど。(笑)」
なるほど、静かで気持ち良い場所でも、そういう悩みごとがあるのですね。
でも、お兄ちゃんはニコニコしながら人見知りもせずに、私が写真を撮るお手伝いをしてくれます。
引き出しを開けて、何が入っているのかをだまったまま教えてくれて。(笑)
気がつくとあたりはとても静かで、お湯の湧く音と、川の水の音がまるで近くに聞こえているようです。そして、初秋の陽射しがリズムを刻むようにこのリビングに差し込んできます。
まるでアフタヌーンソングだ。
天板 | ステンレスヘアライン |
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扉・前板 | ナラ板目突板練り付け |
本体外側 | ナラ板目突板練り付け/ナラ板目無垢材 |
本体内側 | シナ合板 |
塗装 | ワトコオイル塗装「ナチュラル」(Nさんが施工) |
ナラ板目材とステンレスヘアラインのオーダーキッチン
価格:1,020,000円(制作費、塗装は施主様施工、設備機器費用は別)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は30,000円から、取付施工費は100,000円から)