やさしい佇まい
「アルダー板目材とステンレスバイブレーションのオーダーキッチン」
寒川 I様
design:Iさん
planning:daisuke imai
produce:all staff
painting:Iさん
確か2010年の年が明けてまもなくいらっしゃったのだと思います。あれから、半年以上が過ぎて、どうされたかなとポツンと思っていた9月に入ってメールを頂いたのでした。
「お世話になっております。
ずいぶん前に自宅分のキッチンを見積もりをしていただいたのですが、仕様を若干変更したいので今度打ち合わせをお願いできますか?
ようやく来月から工事を始められそうなので・・・。
遅くなってしまい申し訳ございませんがよろしくお願い致します。」
Iさんは海老名の設計事務所にお勤めの方で、私たちの工場から車で5分くらいのとても近いところに新築を建てることになったのでした。
その中で、キッチンと玄関収納と部屋の顔になる建具を1本製作させて頂くことになったのでした。
11月に入ろうとする頃に、あらためてIさんがこちらに来て下さいました。10ヶ月ぶりの再会と言うのは何だか不思議なものでした。あらためて、3台の家具についてお話を聞かせて頂きました。設計をお仕事とされていることもあって、奥様の要望を簡潔にまとめて下さるので、お話が早く、形はあっという間にまとまりました。
そして、年が明けてからまもなく、現場を見に。
大きなおうちで、何と言うかちょっと懐かしい空気が漂います。何だろう。
そうして、製作に取り掛かり、まもなくキッチン本体とステンレスカウンター、そして玄関収納の本体を先に取り付ける時期になりました。久しぶりに近い現場で気持ちが軽くなります。
現場に行ってちょっと用事を思い出したから工場に戻ってと言う感覚を久しぶりに思い出しました。
今回のIさんのおうちは大きいのですが、住宅街なので玄関までがちょっと狭い道です。トラックで乗り付けて、搬入が終わったら、小さな車に入れ替えて、と言うことができるのもご近所さんだからですね。設置場所は予定通りの寸法で仕上げてくださっていたので、取付はスムーズ。アルダーの無垢で作ったバックパネルもサイドパネルもピタッと納まりました。気分が良いです。
パネルを取り付けている時にふと壁に腕が触れました。ピタッとした感触とヒヤッとした冷たさ。漆喰です。今日のお天気(雨)のため、表面がしっとりと濡れています。そしてツルッとしたこの表情。どこか懐かしいのは、この雰囲気だったのでしょうか・・。
それから、しばらくして、内装工事が完了したとIさんから連絡を頂きまして、残りの玄関収納の扉やキッチンの引き出しや建具を取り付けることになりました。
もう誰も職人さんのいない部屋に入ったとたんに、ああ、懐かしいと感じました。
壁や床、上から入る明かりの取り方が何だか古い民家を訪ねた時のような感覚だったのです。先日取り付けたキッチンも、Iさんが自分ですでに塗装をされていて、アルダーの良い赤みが浮き出ていました。
この家からどこか優しい気持ちをもらいながら、私たちは残りの作業を終えたのでした。
天板 | ステンレスバイブレーション |
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扉・前板 | シルバーハート板目突板練り付け |
本体外側 | シルバーハート板目突板練り付け/アルダー無垢材 |
本体内側 | ポリエステル化粧板「ホワイト」 |
塗装 | ワトコオイル塗装「ナチュラル」(Iさんが施工) |
扉・前板 | シルバーハート板目突板練り付け |
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本体外側 | シルバーハート板目突板練り付け |
本体内側 | ポリエステル化粧板「ホワイト」 |
塗装 | ワトコオイル塗装「ナチュラル」(Iさんが施工) |
アルダー板目材とステンレスバイブレーションのオーダーキッチン
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