あたらしい朝
「タモとステンレスの食器棚のオーダー」
町田 Y様
design:Yさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:masakane murakami
painting:masakane murakami
新しくマンションへの引っ越しを考えているYさんからご相談と図面を頂きました。
「来年3月に引っ越す新築マンションに造りつける食器棚が欲しいと考えております。
◯希望する雰囲気(シンプル、ナチュラル、北欧)
◯シャープのヘルシオが置けるスペースが欲しいです。
◯調理中に盛り付ける皿を置いたりちょっとした作業台としても使用したいと思っています。
◯出来るだけ無垢材っぽい感じが良いです。(完全な無垢材でなくてよいです)
◯奥行きに段差がありますが、出来るだけ無駄なくスペースを使いたいです。
よろしくお願い致します。」
さっそく頂いたファイルとこのメールの内容を検討して、御見積金額をお知らせさせて頂き、まずはこちらに来て頂けることに。
ちょうどその時期は、私たちが年に1度この小さなショールームで開いている「クレミル」と言う展示会の時期でもありました。
この展示会、家具の相談に来てほしいのはもちろんなのですが、まずは「ここにこういう家具工房があって、いつでも気軽に相談に来られるからそのうち家具が必要になった時はここにお願いしようかな。」と、そう気持ちの片隅に留めてもらえるようにと、毎年開いている展示会です。だから、展示会って言っても、大きく何かを発表しているわけではなく、この1年でこういう面白い家具を少し作りましたっていうお披露目と、あとは私たちのキッチンで入れるコーヒーやカフェラテを、そして私たちがキッチンを作らせて頂居て今では自家製酵母でパンを作っている方やカフェのオーナーの方のオリジナルのお菓子をここで食べて頂けたらと言うゆったりした気持ちで開いている展示会です。
だから、近所のおかあさんたちもちびっ子を連れてお茶を飲みに来てくれるし、家具じゃなくてスピーカーの音を聞きに来て下さる方もいらっしゃるし、猫たちも来る。
そのような期間に打ち合わせにいらして頂けることに。
私たちの雰囲気も分かってもらいやすいかな。
そして、いらして下さって打ち合わせ。どちらかと言うと物静かな印象のお二人。
ご主人は打ち合わせよりもまだ目を離せないお子さんにほぼつきっきりで。
でも、この展示会の様子と何だかゆるい私と妻も印象も手伝ってか、とても私たちのことを気に入ってくださって、打ち合わせの後もクラフト市に出店している中遊びに来て下さったり、とてもうれしい関係を築くことができたのでした。
そして、製作、納品へ。
今回は、食器棚のカウンターはL型に変形しているのです。この形は、このところの私自身のブームでもあります。マンションの壁が少し変形しているタイプの冷蔵庫スペースは意外と広く採ってあることが多くて、冷蔵庫を入れて、壁の折れ曲がっている部分に合わせて食器棚を作ると微妙に冷蔵庫との隙間が広く開いちゃう。
それほど大きな冷蔵庫を導入する人は少なくて、だいたい70cm幅くらいの冷蔵庫が多いのですが、このスペースは85cmくらいのスペースが確保されていることが多いのです。
吊戸棚はこの壁が折れ曲がっているところまでのほうが印象がすっきりするのですが、カウンターは、もう少し広く採りたい。そこで、カウンターを変形させて冷蔵庫に近づけるのです。(写真だと分かりづらいですね。)
おかげで冷蔵庫がすでに入っている場合は設置は大変ですが、使い勝手はとても気持ち良いくらいに広くなって快適になります。
このキッチンから入ってくる陽射しがとても明るく気持ち良いのは、その食器棚とYさんの物静かで温かな印象がそうさせるのですね。
ありがとうございました。
タモとステンレスのL型食器棚
価格:570,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は18,000円から、取付施工費は40,000円から)